忍者ブログ
当サイトは『主に二次元のキャラによる捕食行為』に関する創作物を扱っております、無断転載・配布・加工はご遠慮ください。                              また当サイトは版権元とは一切関係ありません、版権元への問い合わせ等もできればご遠慮ください。                                   リンクはフリーですのでご自由にどうぞ!                                                                     『Sorry. This site is Japanese only』
<< 04  2024/05  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31    06 >>
[11]  [10]  [9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4]  [3]  [2]  [1
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

3ページ目

『森のうわさ』

自分と同じく食料を採りにきていたグラエナとガーディ、
グラエナの口から語られるこの森の不穏なうわさとは・・・?

「本当は怖がらせたくないからあんまり他所の人には話さないんだけど、
あんたはあいつに親切にしてくれたし正直に話すよ。
実はさ、この森のことに関してあんまり良くない話があるんだよ…。」
「良くない話?」
 
グラエナの表情が徐々に陰っていき、ラグラージもその話に耳を傾けた。
 
「ああ、この森は普段はあんまり村人も旅人も通りがからないし、
森の中にもともと住んでいるポケモンも昔からほとんどいないらしくてさ、
俺の村のポケモン達はこの森のことを『静止の森』って呼んでいるんだ。」
「確かに、すごく静かで生き物の気配はほとんど感じられなかったな…。」
 
グラエナの話に思うところがあり、ラグラージも腕を組みながら話を聞いていく。
 
「だろ、だけどこの森には不気味な噂が流れててさ…。
 普段はほとんど物音すらしない普通の森なんだけど、月の出ている晩にこの森の近くを通りがかったポケモン達はみんなこの森の中から何かが蠢くような音を聞くらしいんだよ。」
「蠢く音?」
 
ラグラージの顔が疑問を持った顔になるが、グラエナの表情は曇ったままさらに口を開いていく。
 
「ああ、そしてその音を確かめに森に入っていったやつは誰一人として森の中から出てこないらしいんだ…。」
「ただのよくある噂話かなんかじゃないのか? 子供を怖がらせるおとぎ話とか。」
 
ラグラージはいまいちその話が信じられなく、グラエナを茶化すように語りかける。
しかしグラエナの表情は真剣なものだった。
 
「確かに、俺だっておとぎ話だって思いたかったよ!
だけど俺はこの話、本当のことなんだと思う…。」
 
グラエナは訴えるようなまなざしでラグラージを見つめてきた、
ラグラージも少し困惑したがグラエナ声がおかしいことには気づいた、
それは不安を通り越して恐怖が混じった者の声だった、
よく見ると先ほどまでのグラエナのとは打って変わり今の彼は微かにカタカタと震えているようだ。
 
「どうしたんだ、何かその話が本当だって言える根拠があるのかよ?」
 
少し語気を荒げながらラグラージはグラエナに話しかける、
するとグラエナは口を引き結び辛そうな表情をしながらも少しずつ口を開いた。
 
「俺の村のやつも何人かこの噂を確かめるために、月の出ている晩にこの森に入っていったんだ…。
 だけど、やっぱり誰も帰ってこなかった…。
 月の無い晩にこの森に入ったやつもいたんだけど、
何か恐ろしいものでも見たのかこの森のことを全然話そうともしないし、
しばらくするとこの森から逃げるように村から出て行っちまうんだ…。」
 
グラエナが顔を上にあげ、まるで空に浮かぶ月をにらみつけるように目を細めながら語っていく。
 
「俺の友達も面白半分に森に入っていったんだ、ちょうどこんな月の晩にさ…。
 俺はバカなことはするなって止めたんだけど、あいつ俺の言うこときかずに森に入っていっちまって…。
 結局、何日たってもあいつはこの森から出てはこなかったんだ…。」
 
グラエナが淡々と語る中、ラグラージはその話を愕然と聞いていた。
そして彼は頭上を見上げるとそこに輝いて浮かんでいる月を確認し、視線をグラエナに戻した。
 
「その話が本当なのか…?
だったら、あんた達はなんでこんな夜にこの森に入ってるんだよ…。」
 
ラグラージは顔に冷や汗を垂らしながら、少しでもこの話を否定したくてグラエナに聞いた。
きっと彼がたちの悪い冗談を言ってるのだと信じたかった、
しかしグラエナの表情は先ほどよりも真剣なものであり、その話が冗談の類ではないということを物語っている。
 
「仕方なかったんだよ、本当は昼間のうちに帰りたかったんだ…。
だけど木の実とりに夢中になっているうちにどんどん暗くなっていっちまってて…。
急いで森から出ようとしたんだけど、道が複雑でなかなか森の外に出られなかったんだ…。」
 
グラエナも後悔しているような口ぶりでため息をついた。
ラグラージもその話を聞いて怖くなったのか生唾を飲み込んだ。
 
「とにかく、あんたもおかしなことに巻き込まれないうちにこの森を出た方がいいよ。
 俺の話を信用しないにしても用心するに越したことないんだしさ…。」
 
そういってグラエナは足についた草を器用に払いながら立ち上がった。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
★ カウンター
★ カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
★ プロフィール
HN:
森クマ
性別:
男性
自己紹介:
展示するのも恥ずかしい物しか置いていませんが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
(・ω・)

諸注意:
初めてきてくれた方は、
カテゴリーの『はじめに』からの
『注意書き』の説明を見ていないと
色々と後悔する可能性大です。
(・ω・´)

イラスト・小説のリクエストは
平時は受け付けておりません。
リクエスト企画など立ち上げる際は、
記事にてアナウンスいたしますので、
平時のリクエストはご遠慮くださいませ!
(・ω・`)

『Sorry. This site is Japanese only』
★ 絵チャット

  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・ω・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・3・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・д・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・ω・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・3・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・д・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  


『絵チャット入口!(・ω・)』


  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・ω・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・3・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・д・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・ω・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・3・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  (・д・)  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  


絵茶会にて
ポケモンバトル交流も行ってます!
(行っていない場合もあります。)
どなた様でも参加大歓迎ですので、
絵茶会中のチャットにて
お気軽にお申し出くださいませです♪


『ともだちコード名簿(・ω・)』

★ web拍手



【現在のイラスト数】
  3枚


更新日 2014年  1月17日
  少ないけどとりあえず新規イラストに変更
  一枚オリキャライラストなので苦手な方注意

★ 最新コメント
[06/17 ななし]
[05/12 トムやむクン]
[05/12 トムやむクン]
[05/11 トムやむクン]
[05/09 トムやむクン]
★ ピクシブ
★ ブログ内検索

Copyright (c)誰かのお食事処 All Rights Reserved.
Photo material by 空色地図  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]