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なんだあれ…?
 
しばらくして、
ザングースは川のある場所から離れた森の中をとぼとぼと歩いていた。
ずいぶん歩きまわったらしく、
体のあちこちに小さいひっかき傷ができており、
木の葉が白い毛に絡んだようにいくつかくっついていた。

ザン「ふぅ、やっぱこんだけしか見つからなかったか…。」

額に浮いた汗をぬぐい、
ザングースは腰に巻いたベルトに下がる袋を手に取る。
川から離れた時にはしぼんでいた袋には、
小さな膨らみがふたつ収まっていた。

彼は袋に手を突っ込むと、
中からふたつの木の実を取り出した。

ザン「あれだけ探してこのふたつだけだもんなぁ…。」

彼の手に収まっているのは、
桃色の小ぶりな木の実と赤色のトゲトゲした木の実のふたつだった。
それぞれ『モモン』と『マトマ』と呼ばれる木の実で、
一応食べることのできる木の実だった。

ザン「こっちはまあいいんだけど。」

ザングースはちらっと桃色のモモンの実を見る。
芳醇な甘い香りを放つその木の実は、
とっても甘くて果汁も一杯な美味しい木の実で、
こっちは食べても何も問題ないだろう。

ザン「でも、こっちが…。」

ちらりともう片方のマトマの実に視線を落とす、
赤く刺激的な色をしたその木の実は、
その色合いと似てとても辛い味で有名な木の実だった。
薬や調味料なんかに使われているのは見るのだが、
直に食べるのに向いている木の実かと聞かれると少し悩んでしまう木の実である。

何より彼は『辛い』味が大の苦手だった…。

ザン「やっぱ、あいかわらずこんな実しか見つからないか…。」

がっくりと肩を落としてザングースはため息をつく。
彼が旅に出れない理由、
もちろん子供達を放っておいて行くわけにいかないというのもあるが、
もう一つの理由がこの『絶望的に食料探しが下手』というためであった。

食料探しにかかる時間もさることながら、
まず食べれる物を見つけてくることさえ彼には難しい問題なのである。
熟れていない固い木の実や、
ひどい時には時間だけかかって何も見つけてこれないなんてこともあった。
まだ食べられる木の実が見つかっているだけ、
今日はマシなのかもしれない…。

ザン「まあいいか、とりあえずどっか座れるとこで腹ごしらえ…ん?」

ザングースが落ち着ける場所を探そうと辺りを見渡していると、
そばの茂みの向こうからなにかぼそぼそと声が聞こえてくる。

ザン「何だ…?」

木の実を袋の中にしまい、
ザングースは警戒するように茂みに近づいていく。
こっそりと茂みの中を覗き込んでみると、
そげ実の向こうにある広場で誰かがぶつぶつと独り言を呟いている…。

ザン「……。」

茂みが邪魔ではっきりとは見えなかったが、
彼はじぃっと向こうにいる誰かを観察してみる。
多分旅人かなんかだと思うが、
大きな木のそばで黄色い毛並みのポケモンがしきりに自分の体中を見回して、
まるで何かを探しているようだった。

ザン「…何やってんだろう?」

ザングースは観察しながらも警戒するのを忘れない、
こんな深い森なら相手が野生のポケモンである可能性だってあるからである。
無害なポケモンならいいが、
凶暴なポケモンだとしたら彼一匹で追い払える自信はあんまりない、
できることなら見つからないことが彼にとって一番いい作戦だった。

とはいえ、
あのポケモンが何をやっているのか正直気になってしまう。
もっとよく見ようと体を少し前に乗り出そうとすると、
がさっと音を立てて茂みを揺らしてしまう。

ザン「マズッ…!」

ザングースは自分の失態に思わず声を漏らす、
するとびくっと茂みの向こうの人物が怯える様に反応し、
ぎこちない動作で辺りを見回す。
そしてザングースの眼と相手の眼がぴたっと合うと…。

「うわあああああ!!」
ザン「うわぁっ!!」

突然黄色いポケモンが叫び声をあげ、
ザングースも驚いて尻もちをついてしまう。
彼が姿勢をただしている間に、
黄色いポケモンは弾かれるようにその場から飛び出し、
ザングースと反対方向の森の中に消えてしまっていた。

ザン「あー、びっくりした…。なんだったんだ今の?」

ガサガサと茂みをかき分け、
ザングースはさっきまで黄色いポケモンがいた広場の中に入っていく。
木々の開けた広めの広場の真ん中に、
大きい大木が一本青々とした葉を茂らせて立っていた。
ザングースは木の傍まで行くと、
ちょうどいい木陰に腰をおろした。

ザン「あのポケモンには悪いことしちゃったけど、
    ちょうどいいしここで休んでいこうっと♪」

ザングースは木に背中を預け、
疲れた足を手で揉み解す。
木陰の中にいるせいか、
心地のいい風がそよそよと彼の毛並みを揺らしている。

ふと、
風と一緒に何か甘ったるい匂いもただよってきた。

ザン「…ん?」

ザングースはくんくんと匂いを嗅ぐが、
なかなか匂いの出所が分からない。
そしてしばらくあたりの匂いを嗅いでいると、
それがどこからただよってくる香りなのかやっと気がついた。

ザン「あ…あああっ!!」

彼が腰の袋に目をやると、
袋から何か液体のようなものがぽたぽたと垂れていた。
慌ててザングースが袋の中に手を突っ込むと、
ぐちゃりと潰れたモモンの実が袋の中から出てきた。

ザン「あー、さっき尻もちついたときに…。」

彼はすっかり忘れていた、
モモンの実は甘い木の実としても有名だが、
とても柔らかい木の実としても有名なのである。
強い衝撃をくわえれば、
こんな風にぐちゃぐちゃに潰れてしまうので、
気をつけて持っていなくてはいけなかってのだが…。
いまさらそんな後悔をしても後の祭りであった。

ザン「どうしようこれ…。」

ザングースの手の中で潰れてしまったモモンの実が、
甘ったるい香りを含んだ汁をぽたぽたと垂らしている。
甘い実の汁なせいか、
だんだん持っている手がベタベタとしてきている気もし、
正直気持ち悪い…。

ザン「しょうがない…。」

ザングースは決心したようにそう呟くと、
口を水を飲むときのように掌にくっつけ、
すするようにモモンの実の果肉を口に含んでいく。
お腹もすいていたせいか口の周りが汚れてしまうことも気にせず、
たっぷりと果汁を含んだ果肉をむぐっむぐっと口に頬張るようにして食べる。

ゴクッ…!

小さなモモンの実を飲み込み、
口の周りについた甘い果汁もぺろりと舐め取る。
少しではあるがさっきよりお腹を満たせたことと、
美味しい甘い木の実を食べれたことに、
ザングースは満足そうに「けふっ」と小さくげっぷをする。

ザン「あんま足りてないけど…、今はこれだけでいいか。」

ザングースは袋の中に入っているであろうマトマの実をちらっと見るが、
こんな良い気分の時にわざわざ嫌いな木の実を食べる気はさらさらなく、
彼は手についたベトベトする甘い汁を舌でぺろぺろと舐め取っていた。

その2でございます、
とりあえずザング君の腹ごしらえ完了。

甘い汁って手につくとすっごいベタベタするよね、
小さい頃スイカとか切ってもらっい、
美味しく食べた後の手のベタベタがすごく嫌いでした。
ほっとくと痒くなってきませんか、あれ。
ちなみに私は食べる前に種をこそぎ落とす派です。(誰もそんなこと聞いていません

昨日も書いたかもしれないけどやっぱり暑いです、
梅雨の季節なのにこの蒸し暑さはなんなの…。

日本の夏のこのむしむしとした暑さは苦手だなぁ。
春や秋の中間の季節が大好きな私にとっては、
猛暑に向かう今の季節は、
ゆっくりと地獄へ向かっている心境です。
夏バテしないだけマシかもしれないけどね。
(・ω・)
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無題
ぼくもスイカの種を最初に取ってから食べます
トムやむクン 2014/05/09(Fri)06:18:25 編集
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更新日 2014年  1月17日
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