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ぬちゃあ…
 
ぐぎゅるるる……

静かな空間に間の抜けた音が鳴り響く、
誰かに聞かせるつもりなどまったくないのに、
腹の音というのは何故か自己主張激しく大きな音で鳴り響くものだ。

まあ聞こうと思っても、
彼のいる空まで聞きに来るやつなんてそうそういないし、
いたとしたらこの音を消すためにその身をもって手伝ってもらうだけである。

きゅるるる……

また彼のお腹が鳴る、
なにせ今日は朝からほとんど食べていないのだ、
いや食べたには食べたがあんな量ではこれっぽっちも足りない…。

どこかに空腹を満たしてくれるような大物の獲物はいないかと、
彼はきょろきょろとあたりを見渡していた。



ベロリンガの舌がぐにーっとザングースの方に伸び、
彼のお腹にぐるぐると巻きついていく。
ぷにぷにとした肉の感触と、
ぬるっとした唾液の感触が一緒に伝わってきて、
彼の背筋がぞぞっと寒くなる。

何とか振りほどこうと手足を動かそうとしても、
少し動かすだけで痛みが体中に走り、
とても自由に動ける状況では無かった。

お腹が完全に巻きつく舌ベロによってに隠れてしまうと、
今度は足の方に向かってぐるぐると巻かれていく。
足が肉厚の舌によってどんどん締め付けられていき、
ますます抵抗が難しくなってくる。

ザン「くそぉ…、俺をどうするつもりなんだよ…!」

顔だけでもベロリンガの方に向きギッと睨みつけるが、
ベロリンガはただ黙々と舌を動かしていくだけで、
彼の方など見向きもしなかった。

とうとう足の方もすっぽりと舌に包まれてしまい、
ザングースは立つことさえできなくなってしまった。

ザン「うぐぅ、この……うあっ!」

舌に包まれた足をよじろうとすると、
ずるっと彼の体が後ろに引きずるように引っ張られる…。
ずるっずるっと少しづつ引きずられるたびに、
彼の体はベロリンガの方に近づいていくのである。

ザン「う…うああ…!」

つーっと冷たい汗をかきながら、
ザングースは恐る恐るベロリンガの方を振り向くと、
ベロリンガはさも楽しそうに彼の顔を見つめており、
しゅるしゅると分厚い舌べろがどんどん暗い口腔の中に吸い込まれていく。
もし…もしもこのまま、
彼の体に巻きついたままのベロリンガの舌が止まらなければ…。

ザン「あ…うああ…。」

カチカチと歯を鳴らし、
ザングースはベロリンガの笑顔を恐怖の表情で見つめ返す。

「野生のポケモンはポケモンを食べてしまう。」

彼の頭の中で小さい頃の村の大人の話す声が再生される、
その瞬間彼の頭から理性が吹っ飛んだ。

ザン「う…うあああ、あああああ!!」

痛むのも気にせず、
ザングースはガリガリと狂ったように地面に爪をつきたてたり、
無我夢中に地面に生えた草をつかんだりして
引きずられる動きを止めようともがく。

しかし、
どんなに強く地面を突き刺しても土をえぐるだけで動きは止まらず、
柔らかい地面に生える草はベロリンガの引っ張る力に簡単に引き抜けてしまい、
彼の体は止まることなくベロリンガの口に向かって引き寄せられていく。

ザン「うあ…ああ、うああああ…!!」

徐々に彼の体はベロリンガのいる所まで近付いていくと、
急に足の方が宙に持ち上げられていくのを感じる。
とうとう彼の足の包まれた舌ベロが、
ベロリンガの口元までたどり着いてしまったのである。

ザン「うあ、や…やめろ!やめてくれぇ!!」

ザングースは必死に体をよじり懇願するが、
ベロリンガは少し大きく口を開けると彼の足の部分をぱくんとくわえ込む。
そしてそのままちゅるちゅると舌を口に収めていき、
ザングースの体もそれに合わせて口内に入っていく。

ザン「ひ……ひやぁ……うあぁぁ……!」

足先から体中にぴちゃぴちゃと生温かい液体の感触が這い上がり、
感じたことのないような気味の悪い感触に、
ザングースの口から声にならない音が漏れる。

ベロリンガが口をもむもむと動かすたびに、
舌に包まれたザングースの体がぶよぶよとした肉の中に沈んでいき、
口の中に入った体が徐々に舌の拘束から解放される。

ザン「うくっ……くっそお、このぉ!」

足が自由に動くようになったのに気づくと、
ザングースはバタバタと狭い空間で足を無茶苦茶に振り回した。
足を動かすたびに、
ねちゃ…ぴちゃ…と唾液の中に足を突っ込んでしまうが、
それでも構わず彼はもがき続ける。

だが足が自由になった足で、
ぐにゃぐにゃと蠢く口内の中を蹴ったりもがいたりしても、
ベロリンガは変わらず彼の体を呑みこんでいくだけだった。

狭く振りの浅い口内の中でどんなに暴れたところで、
ベロリンガに伝わるダメージは微々たるものなのだろう。

ザン「な…うぶぅ!」

とうとう肩のところまで口の中に収まってしまい、
彼の顔が肉厚の舌ベロにむぎゅうと押し付けられてしまう。
ぷにっと柔らかい舌に押し付けられたせいで呼吸が満足にできず、
舌の上に溜まった唾液が息をするたびに口の中に入ってきてしまう。

ザン「むぅっ…うむぅっ…!!」

あまりの苦しさにザングースは再びじたじたと身をよじるが、
息ができない状態が長くなるにつれて彼の動きが緩慢になってくる、
先ほどのバトルの疲れも重なりだんだんまぶたが重くなってきた。

ザン「む…う…むぅ……。」

ザングースが暴れるのをやめてくると、
ベロリンガは今がチャンスと言わんばかりに彼の体をんぐんぐと飲み込んでいく。
体格が同じくらいのポケモンを飲み込んでいるせいか、
彼のお腹や喉ははちきれんばかりに膨張し、
喉を滑るようにゆっくりと落ちていくザングースの足の感触が、
ぴくぴくと動くたびにたまらなく心地よかった。

ザン「…。」

虚ろな表情をして、
ザングースは顔と片手だけをだらりと口の外に出した状態で、
浅い呼吸を繰り返す。
もう彼にできる抵抗はほとんど残っていない。

ザン「もう…好きにしてくれよ…。」

ザングースの諦めたような小声を聞き、
ベロリンガはにんまりと口元を歪めて笑うと、
大きく口を開けてザングースを落とし込んだ。

彼が飲み込まれる寸前に見た景色は、
真っ青な青空と白い大きな雲、
そしてぽつんと浮かぶ小さい虫のような影だった。

…ゴックン!

ずるんとザングースの赤い腕がベロリンガの口の中に消え、
ベロリンガのお腹が丸まった獣のような形にぷっくりと膨らんでいく。
疲れ切っているのか気絶したのか知らないが、
いま食べた獲物はお腹の中で暴れるようなことなく、
静かに丸まっていた。

ベロリンガは満足そうにべろりと口の周りを舐める、
久しぶりの大物の獲物なのである。
これから時間をかけてゆっくりと消化するため、
しばらくはお腹を空かせて困ることもないだろう。
むしろ、
お腹が膨らみすぎて動くのがしんどいぐらいだった。

ぽんぽんとお腹を叩き、
「げふっ」と気持ちよさそうに大きくげっぷをした。


その瞬間、
広場全体を引き裂くような巨大な轟音が鳴り響いた。

その4完成です、
ようやく書けた捕食シーンってところです。

とりあえず、
帰ってきてそうそう今日の訪問者様の数にビビりました、
カウンターに何が起こったというのですか…!

いつも足を運んで下さっている皆様ありがとうございます!
もう本文が長くなるのは自重しません、
その分くおりてぃ向上を目指そうとおもいます。
ただ短くできない言い訳でしかないけどねー。orz

そういえば、
-BAKEMON-ωさん(さん)のサイトと相互リンクさせていただきました、
許可を頂けたωさんありがとうございます。

私もさっそく拍手連打が止まりませんでした、
自重を知らない子ですみません。
でもルギアに餌あげれて大満足です、
拍手機能ってあんなこともできるんですね。
(・ω・)

これを機にあの方にもリンクさせて頂いていることのご報告に行った方がいいかな、
フリーに甘えてリンク張らせてもらっているけど、
やっぱり挨拶はした方がいいですよね。

でもチキンな私にちゃんとした挨拶ができるかな、
神様どうか勇気をひと山十円つかみ取りで売って下さいな。
(・Д・:)フオオオ!
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お礼
デイリーアクセスが1000越えだと・・・!天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!
リンクの件こちらこそありがとうございましたー。よろしくお願いしますね。

リンクフリーなところは私も勝手に貼らせて貰うだけで
ホントはしたくてもなかなか報告に踏み出せないところはありますねー。
私のサイトの場合は捕食に続いてエロ込みになってしまうので、
リンク先の管理人さんが苦手ジャンルだったらどうしようと思ってしまって
相手から言ってきてくれるのをひたすら待つ受けに回ってしまう。

そいでは今日はこれでー。小説の展開楽しみにしてます。
2009/06/12(Fri)17:31:15 編集
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森クマ
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更新日 2014年  1月17日
  少ないけどとりあえず新規イラストに変更
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