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ゴックンとね
 
リクエストイラスト描いていた息抜きに、久しぶりに丸呑みラクガキを描き描き。
最近は喉やら胃袋やらを長いこと描いていな方せいか、
肉壁が描きたくてうずうずしております♪

取り込みもいいけど丸呑みもジャスティスだよね…!
(・ω・)ジュルリ…

※  ※  ※  ※  ※

絵茶会開催のお知らせ!:

50万ヒット記念の企画として、
12月10日(土)&11日(日)の午後8:00より
絵茶会を開催させて頂きますです♪

50万ヒットの企画とはいえ特に特別なことは予定しておりませんが、
ぜひぜひお気軽にご参加くださいませです♪
(・ω・)
PR
さようなら

 


「はい、依頼の終了報告は完了だね♪
 えっと報酬の方は…。」
「ああ、報酬はいいです。
 もう依頼者の方からもらってますから。」
「あ、そう。 それならいいんだ♪」

温かい日の光にやわらかく照らされた小さな部屋の中。
軽く開けられた小窓からは静かにそよぐ風と一緒に、
街からの喧騒の声がざわざわと聞こえてくる中で、
俺は目の前でポンとハンコを押された紙を一枚受け取った。

部屋の中は真ん中に大きな木の机がでんと置かれていて、
机の上には重要そうな書類の束が詰まれていたり、
分厚い本がこれまた積み上げられるように置かれている。
ただそんな大切そうな書類の上にポフィンがちょこんと鎮座していたり、
分厚い本の横に子供のラクガキみたいなのが描かれた紙が散らばっている辺り、
あまり大事に扱っているようには見えなかった。

そんな突っ込みたくなるような机の向こう、
少し大きめな木の椅子にちょこんと腰かけ、
ポンポンと大きなハンコの様なものを書類に押す黄色いポペモンがいた。
「依頼書」と書かれた紙のいくつかにハンコを押し終わると、
ふーっと息を吹きかけて軽くハンコを乾かし、
くるくるとそれを丸めてから細い草のつるでシュルルっと結び、
再びはいっとこちらに手を伸ばして渡してくる。

「じゃあこれで依頼完了だね、お疲れ様♪」
「はい、すみません。
 わざわざ依頼完了の手続きまでやってもらっちゃって。」
「いいよいいよ、ちょうどすっごーく暇してたし♪」

ぺこりと頭を下げる俺に机の向こうの黄色いポケモンは満面の笑みを浮かべ、
ニコニコと俺の方を眺めている。
ふりふりと背丈よりも少し大きめなギザギザの尻尾を揺らし、
毛づくろいするように先端だけ黒色のとがった耳をくしくしとなでるその姿は、
どこからどうみても可愛らしいピカチュウであった。

にっこりと笑みを浮かべているそのピカチュウは、
見た目も小さな子供のように見え、
一見しただけではなんでこの部屋にいるのか不思議に思われるだろう。
だってこの部屋はこの冒険者ギルドの一番上にある…。

「う~ん、久しぶりにいっぱいハンコ押しちゃったから疲れたなぁ~!」
「久しぶりって…、むしろ普段何してるんですか?」
「ん、もちろんギルドや街の中をあちこち見て回ってるよ。
 見回りだってリーダーの大切な仕事なんだから♪」

そう、ここはギルドリーダーの部屋。
そして目の前にいる小さなピカチュウこそ俺達のギルドのリーダーであり、
このギルドの中で一番偉いポケモンであった。
その実力は一匹で凶悪なおたずねもののポケモンを打ち倒したとか、
誰も入ったことも無いような未開の地を数えきれないくらい探検してきたとか、
噂や伝説もろもろを数え上げればきりがないくらい凄い人だった。

とはいえパッと見た雰囲気は小さな子どもとなんら変わらなく、
その行動も長年このギルドに入隊している隊員にさえ予測のつかないことの方が多い。
目の前にあるように重要そうな書類の上にお菓子を乗っけていたり、
いないと思ったら突然天井から降ってきたり、
かと思えば自分の身長よりもはるかに大きな隊員同士の喧嘩を、
得意の電撃も無しにあっさり沈めてしまったり…。
正直噂以上に実力が測れないというのが俺の出した結論だった、
ちなみに他の団員も結構賛同者が多いらしい…。

そのピカチュウがぴょいんと椅子からとび上がり机の上に乗っかると、
書類の上にあったポフィンをひとつつまみ、
「はい」っと俺の方にぽーんと軽く放り投げる。
俺が慌ててそれをキャッチすると、
笑いかけながら「どうぞ♪」といって自分もパクッとポフィンをかじっていた。
少しためらってじっと手元のポフィンを見つめていた俺だったが、
「どうも」と静かに答えるとパクッと習うようにそれを少しかじる。
サクサクと美味しく焼けていて口の中にふんわりと甘い味が広がり、
その優しい味に少しだけ頬が緩んだ。

「それで…本当にいいの? ギルドをやめちゃうって話。」

ふいに机の上のピカチュウがそう話を切り出し、
俺はビクッと小さく身体を震わせて食べる手を止める。
机の上のピカチュウはいつの間にか机に腰掛けるように座り込み、
首を傾げて俺の返答を待っている。

「…はい、色々と考えたんですけど。」
「君の仲間達もそれでいいって?」
「 探検隊とかそういうの無しにして三人でどっか旅でもしてみようって。
 はは…、本当に急な話ですみません。」

手に持ったポフィンに視線を落としながら、
俺はすまなそうにもう一度頭を下げる。
リーダーはもぐもぐとポフィンを頬張りながら、
珍しく…本当に珍しく、
静かに…でも決して俺から目を外さないで聞いていた。

「ギルドのみんなにはお世話になったし、
 無理にやめる必要は無いだろうってリーダーも思ってると思うんですけど、
 でも…決めたことだから。」
「ふーん、そっか…。
 もう街に戻ってくる気も無いの?」
「たぶん…本当は三人であいさつに来た方がいいと思うんですけど…、
 ちょっと二人とも手が空けないらしくって…本当すみません!」
「ううん、いいよ。
 ちゃんと最後に挨拶に来てくれたんだもん。
 それでいい♪」

頭を下げながら言う俺に、
リーダーはにっこりと微笑みながら手についたポフィンのかけらを払った。
俺はそんないつもと変わらないリーダーの様子に少し笑みを返すと、
ごそごそとカバンに手を入れて中にあったものをころんと手の平で転がす。
それは俺とゴウカザルとリングマ、俺達三匹の探検バッジだった。

キラリと日の光を受けて光る思い出のバッジを、
静かにリーダーの机の上に置く。
今までどんな時でも持ち歩いていて、
探検隊になった時からずっと一緒だった大切なバッジだったけど、
ギルドをやめるのならばこいつとももうお別れだ。

机の上におかれたバッジに目を落としふぅっと息を吐くと、
俺は背を向けて部屋のドアの方へと歩いていく。

「ねぇ、忘れ物!」
「…え、うぉっ!」

背中にかかるリーダーの声に振りかえると、
弧を描きながら何かが俺の方に放り投げられ、
思わず手を差し出して受け止める。
チャリッと音を立てて手におさまったそれは、
たった今机に置いたばかりの俺達の探検バッジだった。

「あ、リーダーこれ…。」
「持っていっていいよ、
 そのバッジには色々と大切な思い出あるでしょ♪」
「う…ですけど…。」

俺は困ったように顔をしかめながらバッジを見つめる、
そりゃあ大切な思い出はたくさん…たくさん詰まっているバッジだ。
本音を言うのなら置いていきたくなんてない、
だけどそんな大切な思い出だって俺には……。

「思い出は消えないよ、
 君が忘れたって他の人が覚えていればきっと思い出せるから。」
「…え。」

少しだけ凛と響く真面目なリーダーの声に、
俺は思わずまだ机の上に座っているリーダーを見る。
そこにはやっぱりいつもと変わらないで、
にっこりと優しく笑いかけてくるリーダーの姿があった。

「ね、持っていきなよ♪ これは命令だよ!」
「………。」

俺はぎゅっと手に持ったバッジを握りしめると、
もう一度深く頭を下げてそのままリーダーの部屋を後にした。

ガチャリとギルドのエントランスにある大きな扉を開き、
まだ日の明るいギルドの外へとでた。
この街のギルドは大きな大木をくりぬくように作られていて、
大木に茂った葉がまぶしい日の光をやんわりと受けとめ、
心地いいぐらいに温かい陽気が外に広がっていた。

リーダーの部屋で聞いた時よりも街の喧騒は近くで聞こえてきていて、
がやがやと賑やかな通りの声がここにまで響いてきている。
俺は手に持ったバッジを自分のカバンの中にしまうと、
どこに行くとも考えず町はずれの方に向かって歩き出そうとした。

「ワルビル!」
「…?」

ふいに後ろの方から呼び止められて俺は足を止めて振りかえる。
見ると俺が出てきたばかりのギルドの入り口に、
ルカリオが息を切らせたように肩を上下させて立っていた。
俺を確認するとルカリオは地面を蹴って宙に飛びあがり、
俺のそばにスタッと着地する。

「な、なんだよルカリオ。
 そんなに息切らせてなんかあったのか?」
「はぁっ…はぁっ、何かあったじゃないよ!
 どういうことなのさ…探検隊をやめちゃうって。」

ああ、流石はいろんな情報が集まってくる冒険者ギルドだ。
俺達みたいな小さなチームが解散するなんて話すら、
あっという間にギルドでは知れ渡ってしまってるらしい。
ばつの悪そうにぽりぽりと頭をかく俺を、
ルカリオは流れる汗をぬぐいながら見上げるように見ていた。

良く見るとルカリオの体にはあちこちすり傷や切り傷がある。
こいつだって探検隊なんだから依頼かなにかを片付けた時の怪我なんだろうけど、
普段から体調管理とかをしっかりしているルカリオが、
治療もそこそこにしてるなんて珍しい…。

「ああ…うん、みんなで色々話し合ってな。
 探検隊やめて気楽な旅人家業ってのもいいんじゃないかって思ってさ。」
「だからって、いくらなんでも急すぎるでしょ!
 それに他のみんなにも何の相談も無くそんなこと決めちゃうなんて…。」
「わりぃわりぃ…!
 なんせ本当に突然決めちまったことだもんでな、
 リーダーにもおんなじようなこと言われちまったし…たはは♪」

俺はできるだけ楽観的に見えるように両手を頭の後ろで組みながら、
無理やり顔を笑顔にしてルカリオにこたえる。
真面目なルカリオのことだ、
変に落ち込んでるようなそぶりを見せたらさらに心配されかねない。

これ以上…大事な友達に心配なんてかけたくない。

「まあそう睨むなよ~、
 何も話さなかったのは悪いけど、
 別に二度と会えなくなるわけじゃないんだし!」
「…もう、本当に会えなくなるわけじゃないんだね?」
「あったりまえだろ、
 まあ旅人になるわけだから次いつ会えるかまでは分からな……っとと。」
「うわ、だ…大丈夫?」

安心させるように明るい声でルカリオに話しかけていたが、
ふいに立ちくらみのように視界が一瞬ブレ、
思わずそばにあった建物の壁に手を突く。
やべぇ、これじゃあ余計に心配させちまったかも…。
恐る恐る背後のルカリオの気配を探るが、
案の定心配そうに俺の様子をうかがっている。

おまけに少し頭の中までぼーっとしてきた…、
まるで眠気をこらえているときの様なうつろな感じになってきてるけど、
必死に意識を集中して眠気を振り払った。

「大丈夫ワルビル…? なんか少し具合悪そうだけど…。」
「へ…平気平気!
 言っただろ、今回のこと急に決めちまったからさ!
 今まで受けてた依頼の報告とかギルドの宿舎の手続きとか、
 色々やっててちょっと寝不足何だよ…♪」
「寝不足って…、そういえばゴウカザルやリングマは?
 二人は一緒じゃないの?」
「あ、ああ!
 今はもう先に街の外に行ってるんだけどな♪」
「………。」

ルカリオの言葉に内心ドキッとするが、
極力表情を変えないままそれにこたえる。
心配そうに見つめてくるルカリオの視線がチクチクと刺さり、
背中を向けたまま俺はぎりっと歯を食いしばった。

こんなに心配させてしまうのなら…、
ルカリオぐらいには本当のことを打ち明けた方がいいのかもしれない。
でもついつい口に出してしまいそうになる気持ちを、
俺は必死に抑え込んで耐える。
言ってしまえば、ルカリオや他のみんな…大切な友達を巻き込むことになる。
それだけは絶対に避けなくちゃいけない、そうあの時決めたんだ。

「それじゃあなルカリオ!
 色々話ししたいこともあるけどさ、
 急いでいかないとゴウカザルの奴にどやされちゃうんだ!」
「え、あ…ちょっと!」
「悪い! また旅先かどっかで会うことあったら話しようぜ!
 そんときはゆっくり話しに付き合うからさ!」
「ちょっ…ちょっと待ってよワルビル!!」

俺は強引に話を切り上げると、
手を振りながら大急ぎでその場を逃げるように走り、
通りから外れた路地裏の方に入る。

「待ってってばワルビル!」

ちらっと後ろを覗き見ると、
少し離れた所からルカリオが追いかけてくるのが見えた。
あの切り上げ方じゃ不審がらない方がおかしいけど、
今は追いつかれるわけにはいかなかった。
でも俺とルカリオじゃ断然ルカリオの方が足が速い、
なんとかしないとこのままじゃ確実に追いつかれちまう…。

俺はまるで泥棒みたいにくねくねと走り抜けるように路地を曲がり、
ルカリオの追撃を振り払おうとする。
あいつもおたずねものを相手にする探検隊だけあって必死に食い下がってきたけど、
それでも最初に距離を開けていたこともあって少しは引き離せたらしかった。

「このまま急いで逃げ…うぉっと!?」
「イツッ、てめぇ…!!
 どこ見て歩いてやがんだ!!」

後ろのルカリオに気を取られながら走っていると、
ドンっと思いっきりなにかにぶつかってよろけてしまった。
見るとどうやら前から歩いてきたガラの悪そうなポケモンが、
グルルっと不機嫌そうに俺のことを見下ろして睨みつけていた。

「あ、悪い! ちょっと気を取られてたもんで。」
「気を取られてたじゃねえよ!
 こちとらこれ以上ないくらいイライラしてるって時に、
 ぶつかってきといて謝るのはそれだけか…あぁん!」

まるで不良のようなドスの低い声を唸らせ、
ガラの悪いそのポケモンは俺のカバンをつかみ、
無理やり自分の近くに引き寄せてきた。

近づいて見上げるその顔は威圧するように俺を睨んでいるが、
なんだか妙に擦り傷を作っていたり、
俺をつかむ腕にも汗とかとは違う変にねとっとした汚れがあった。
こいつも喧嘩か何かでもしてきた後なのだろうか?
正直この急いでいる時に関わり合いになりたくないタイプの奴だ、
急がないとルカリオが追いついてきてしまうだろう。

「あぁっ、何人の顔じろじろ見てやがんだっ!
 詫び入れる気がないんだったらそうだな…このカバンでも頂いて…!」
「えっと…なんていうか上手く言えないんだけどさ…。」
「あぁ…? 何がだよ…?」

俺はカバンをつかんでくるそのポケモンの手に自分の手を重ねて、
ぐっと睨みつけるようにそいつを見る。
俺よりちょっと大きいぐらいで体つきもそこそこ、
たぶん「すぐに出せば」大丈夫だろう。

あんまりやりたくはないけど、緊急時なんだ…悪く思うなよな…!

「悪い、ちょっとその体借りるぞ。」
「はぁっ、何言って…っ…!!?」

一瞬訝しげに眉をひそめたそいつの顔は、
びくんとひきつったように目を見開いて怯んだように引くが、
俺は自由な方の手でそいつの顔を手のひらでつかみあげる。
そして次の瞬間俺の肌がしゅううっと一瞬で透き通ったピンク色へと変わり、
ガラの悪いポケモンの顔と首を自分の腹の方にぐいっと引き込んだ。

いや、腹の方にっていうのはちょっと違う、
むしろ奴の頭はすっぽりと俺の腹の中にずぶりと沈み込んでしまったのだ。

「……っぶぁ!!? がぶっ……ぐぇぇっ!!」

俺の腹の中に顔を突っ込んだままそいつが悲鳴のようにがぼがぼ声を上げ、
ジタバタと尻尾や足が揺さぶられているが
構うことなくそいつの体をずぶずぶと自分の中に沈めていく。
それと同時に俺の尻尾や背中も溶けるようにぐにゃりと歪み、
奴の剥き出しの背中にべちゃっと覆いかぶさると、
そのままぐにゅぐにゅとまとわりつくように取り込んでいった。

上半身を丸々取り込んだところで俺は完全に自分の体を液体へと変え、
ぐにょんぐにょんと奴のもがいていた足や尻尾なんかを丸ごと包み込む。
完全に奴の身体のすべてをピンク色の中に取り込んだまま、
ぐにゃぐにゃと揉みほぐしてから一呼吸置かせる。
最初は俺の中で腕とか足とかを突き出して暴れまくっていた奴だったが、
だんだんとその動きも鈍くなっていき、
やがてすぅ…っと動きが収まり静かになった。

次の瞬間には奴を取り込んだピンク色の液体はグニョンと一回震え、
ぎゅるるっと次々に足や手、尻尾や胴体と形を作って行き、
1分もしないうちにドスンと足をふみならして地面に降り立つと、
先ほどのガラの悪そうなポケモンだけが路地裏に立っていた。

ふぅっと一息ついていると後ろの路地から足音が聞こえ、
さっきまでワルビルを追いかけてきていたルカリオがこちらに向かって走ってきた。
気の緩んだように呆けていたそのポケモンは、
ワルビルがやってきたのを見つけるとキッと目を鋭くした。

「はぁはぁ…、あのすみません!」
「…あぁ? 俺になんかようか。」
「あの、今こっちの方にワルビルってポケモンが走ってきませんでしたか!
 目の周りが黒い、茶色のワニみたいなポケモンなんですけど。」
「見てねえなぁ、こっちには誰も来やしなかったぜ。」

ぜぇぜぇと息を切らしながら話すルカリオに、
ぎろっと見下ろすようにガラの悪いポケモンは睨みつけ、
つっけんどんに言い返した。
たったいまそのワルビルに呑み込まれたというのに、
そんなそぶりはちらりとも出さなかった。

「そうですか…、すみませんありがとうございます…!」
「お、おう…。」

彼の言葉を信じてルカリオはぺこっと頭を下げると、
タッとそのまま路地をかけて行ってしまった。
そして後にはぽつんと立ったままのガラの悪いポケモンだけが残され、
彼は去って行くポケモンの背中をじっと見つめている…。

「…ごめんな、ルカリオ。」

小さく残されたガラの悪いポケモンが呟く。

そしてごぽっと水を振った時のような音が小さく響き、
ガラの悪いポケモンの喉が丸く大きく膨れ上がり、
ぐぐぐっと口の方までせり上がりぷくっと頬を大きく膨らませた。
そしてぺっと吐き捨てるかのように勢いをつけて口の中の物を外に出すと、
彼の口からは彼と同じ姿をしたガラの悪いポケモンが地面へと吐き出された。
全身をねっとりとした唾液の様なものでぬらし、
ぐったりと気を失ったように崩れ落ちてはいるが、
小さくお腹が呼吸をするように隆起している。
どうやら命に別条はないようだった。

そのポケモンを同じ姿をしたポケモンが見降ろしている、
…としゅううっと一瞬立っていた方のポケモンが淡い光に包まれると、
光が消えた場所には先ほど彼を呑み込んだ張本人であるワルビルがそこに立っていた。

「ふぅ…やっぱり気分のいいもんじゃないよな。
 おっと、あんたも悪かったな。」

何事も無かったようにぽんぽんと体をはたくと、
ワルビルは倒れている彼に軽く礼を言い、
ルカリオが去って行った方向とは別の方向に歩いて行った。

しばらく路地を歩いたところで目の前に大きな壁が近づいてきた。
この街は周囲を城壁に囲まれているため、
普通なら大通りにある門からじゃないと街の外に出られないのである。
だがワルビルはぐっぐっと足に力を込めると力強く地面を蹴って跳躍し、
左右にある建物を三角飛びの要領で蹴りあげ、
反動をつけて城壁を飛び越えてしまった。

空中でくるっと一回転しながら城壁の上に飛び乗ると、
軽くあたりを見渡して外の街道に誰も歩いていないのを確認しつつ、
ぴょんと軽く勢いをつけて街の外へと降り立つ。
ある程度手入れされた街道の地面から土ぼこりがふわりと舞い、
サラサラと風に流れて再び地面へと落ちて行った。

「よっと…! さてと、あいつらどこに行ったかな…?」

ワルビルは肩にかけたカバンの位置を直すと、
そのままスタスタと街道を横切り、
街のそばにある開けた野原と森の方へと歩いていく。
良く見るとその森のそばにある茂みの中から、
何か小さい塊がまるでこっちの方を覗いているのが見えた。
ワルビルは軽く笑みを作りながらその茂みのある野原に近づき、
街道から見えないように森の中へと入って行く。

すると彼が茂みに近づいた途端、
ぴょんぴょんと茂みの中から紫色をした小さな塊が飛び出し、
彼の周りを慕うように跳ねまわり始めた。

「こらこら、もっと見つからないような場所にいろって言っただろ!」

ワルビルは地面で飛び回る生き物の一匹を抱えあげると、
両手でつかんだまま顔の高さまで持ち上げた。
きょとんとしたつぶらな瞳に落書きの様な口、
ぷにっとグミみたいな感触をしたそれは紛れもないメタモン達の集団であった。

ワルビルは彼を囲むように跳ねているメタモン達をしっしと森の奥に誘導すると、
腰に片手を当てながら街の方を指さす。

「ほらどうだ、あれが他のポケモンが住む街ってところだ。
 あの壁の向こうにはお前らが見たことも無いようなポケモンは一杯いるし、
 もっと見たことのない建物やなんかも色々あるんだ。」

まるで小さな子供に教えるような優しい口調で、
ワルビルは街の方を見ながらメタモン達に話しかける。
足元のメタモン達はあるものは不思議そうにしたり、
またあるものはキラキラと目を輝かせて街の方を見ていた。

ワルビルはそんなメタモン達の反応をにっと笑いながら見ていると、
すぅっと一呼吸入れて身体に力を込め、
それと同時に彼の体が淡い光に包まれる。
そして光が消ええると今度はワルビルの姿は、
さっきまで話をしていたルカリオの姿に変わっていた。

「ほらな、こんな風にいろんなポケモン達があそこで生活しているんだ。
 あそこだけじゃない、
 他の場所にはもっといっぱい俺達が知らないようなポケモン達が生活してる、
 もちろんいい奴も嫌な奴も、それにもっとこわーい奴なんかもな!」

ルカリオの姿、しかし声だけは元のワルビルのままでメタモン達に話しかけると、
彼らはとにかく興味深そうに街や【へんしん】したワルビルを見つめている。
そんな中ワルビルに抱かれたままのメタモンは最初は首をかしげていたが、
彼と同じようにうっすらと淡い光に包まれると、
見よう見まねで彼と同じルカリオの姿に【へんしん】をしていた。

見た目はともかく、
大きさがさっきと変っていないことに軽く吹き出すように笑いながら、
ワルビルは再び元の姿に戻りながら抱き上げていたメタモンを地面に降ろした。

「そしていろんな奴がいるのは俺たちだって同じだ、
 あんな暗い洞窟だって俺達の大事な住処なんだからな♪
 でもだからってずぅっとあそこに暮すことなんてない、
 いつかお前達が外に出たくなったんなら一杯自由に冒険してみろ!
 自分の力で見なきゃ、それは本当の強さなんて言えないんだからな!」

ぽふぽふとメタモン達の頭を優しく叩くと、
メタモン達は嬉しそうにとび跳ねながらワルビルの周りを跳ねまわった。
そんな中、一匹だけ隅っこの外れたところで跳ねまわらず、
ふてくされたようにワルビルを見上げているメタモンがいる。
彼はそんなメタモンに近づくと、ぷにっと指でその頬をつついた。

「それはお前にだって言ってるんだからな、
 他のポケモンを犠牲にしなくたって強くなる方法は一杯あるんだ。
 だから今度同じことをしやがったら…絶対に許さないぜ!」

ワルビルは最初はからかうように、
だけど最後は少しだけ脅すように力を込めてそのメタモンをつつく。
言われたメタモンは少しだけ怯えたように身体を震わせると、
逃げるように森の奥へと這って行ってしまった。

そんな彼に続くように他のメタモンも一匹、
また一匹と街を見送りながら森の方へとどんどん移動し始めた。
ほとんどのメタモン達が行ってしまった後で、
ワルビルは名残惜しそうに今出てきたばかりの街へと振りかえった。

あの事件があってからもう結構経つ…。

俺とゴウカザルとリングマ、
メタモンに取り込まれた俺達三匹だったけど、
結局元の姿に戻るなんてことはできなかった。
まあ俺はもとより二人よりも前に取り込まれちまってたし、
せめてあの二人だけでも助けられれば良かったんだけど…。

『バカか、お前一匹だけ残すなんてことするわけないだろ。』

静かに街を見ている俺の中で、
ゴウカザルの低い声が反響するように聞こえてくる。
そんなゴウカザルのと一緒に静かに俺達を眺めている気配、
声にはださいないけどリングマも静かに俺達のそばにいるんだろう。

俺はぎゅっと自分の胸に手を当てて、
自分の中にいる二人のをしっかりと感じていた。

「でも…本当に良かったのか…?
 あのときすぐにさっきの奴みたいに外に出してれば、
 もしかしたら二人とも助かったかもしれないんだぞ…。」
『何度も言わせるな。』

俺のためらったような声にすぐに反論するように、
リングマが静かに声をあげた。

あの日、
俺達を呑み込んだメタモンを倒したあの後に俺は奴を自分の中に取り込んだ。
あいつが言ってただろ?
取り込んで記憶が残ったままの俺を、
あいつが取り込み直して分離させてやるって。
メタモン同士ならそういうことができるのなら、
メタモンになっちまった俺にも同じことができるかもしれない。

そう思って俺はあいつの中に取り込まれたポケモン達を、
自分の中に取り込み直し、そして彼らの魂を解放してやったんだ。
具体的にどうやったかなんてのはよく分かっていない、
ただ何となく今の俺にはそれができると思ったからやった。
だからもう俺の中にはあの洞窟の犠牲者たちはいない、
ある二匹を除いて…。

そう、ゴウカザルとリングマだけは外に出されるのを拒んだ。
だから俺の中には確かに二人の意識はまだ少しだけ残っている、
なんど出た方がいいと言っても聞かないのだ。

『どうせ体の方はもう無理だったんだろ。
 まあそれでいいとまでは流石に言いきれんが俺達の不注意もあったんだ、
 お前が気にしすぎる必要はない。』
「でも…、
 もしかしたらこの先ずっと取り込まれたままになるかもしれないんだぞ?」
『構うもんか。
 お前の意識が完全に取り込まれて消えたとしても、
 お前がここにいるんなら俺達がいるのもここだ。』
『どうせだったら一緒がいい、そういうことだ。』

俺の中の二人の声に少し沈黙した後、俺は小さく「ありがとう」と呟いた。
もうあんまり「俺」の意識も長くは持たない、
なんかの偶然で残ってた意識や記憶も、
もうそろそろ完全にこのメタモン取り込まれちまうんだろう。
それは凄く怖くもあるし不安もある、
でもだからこそ同じ不幸だけは起こさないよう、
残された時間でできる限りの後始末はつけたつもりだった。

すべての原因だったメタモンだけじゃない、
他の洞窟にすみついていたポケモン達に、
俺はできる限りこの世界やそこにいるポケモン達の姿を見せてきた。
何も知らないで一か所に潜んでいたんじゃ、
本当の意味で強くなれるなんてことは絶対にない。
自分達の力や能力で必死に生きる街や野生に生きるポケモン達の姿、
そんな姿をもっとメタモン達に教えてあげれば、
今回みたいな嫌な事件は起こらないだろうと信じてやってみたんだ。

ぐぐぐっと俺は大きく腕を伸ばして背伸びをする、
やるだけのことはやったという開放感で胸がスーッとしていて、
凄く気持ちのいい気分だった。
もしかしたら俺がやったことなんて何の意味も無いのかもしれない、
だけど何もやらないよりはやってみる。
それに俺にはどんな時でも一緒に仲間がいたんだ、
だからウジウジ泣きごとを言うのはもうやめた。
不安でも笑っている方が何となく俺らしかったから…。

ふわぁっ…と急にやってきた強い眠気に、
俺は目元をこすりながら体全体が軽くなるような浮遊感を覚えた。
どうやら…時間切れみたいだな。

『時間か、やっぱり怖いか…?』
「そりゃちょっとはな…だけど。」

俺の中で話しかけてくるゴウカザルに俺は小さく答えながら、
少しだけ森を出て野原の方に腰を下ろすと、
ごろんと草むの上で大の字に横になった。
漂ってくる土と草の森の匂い、
キラキラと森から伸びた木の枝の、
葉っぱ越しに降り注いでくる太陽の光がとても暖かくて、
とにかく凄く気持ちが良かった。

そしてそんな日向ぼっこのようなのどかな雰囲気の中で、
俺は笑顔を浮かべながら目を閉じる。

「みんなと一緒なら…怖くなんてないさ。」

誰もいない野原で横になる俺、
でもまるでゴウカザルとリングマもその横で一緒に寝転がっているような…。
そんな穏やかな気分だった。

そしてそのまま俺は大きく息を吸い込んで深呼吸のように吐くと、
そのまままどろむように意識を手放した…。

ぱちっと目を開ける…。
爽やかな日の光と草の匂いにとろんとまどろみながら、
彼はむくっと体を起こした。

目の前には幅の広い街道の地面と大きな石作りの壁、
そして背後に広がる森と見渡したところで、
彼がよく来る街の外だということに気がついた。
でもなんでこんなところにいるのだろうか、
何をしていたのか考えても思い出せず彼は首をかしげていた。

ふとチャリッと彼の足元で音がする。
見ると布でできた小さな肩かけカバンがそばに転がっていて、
その中にはなにかキラキラした綺麗なバッジがみっつ転がっていた。
何のバッジなのかは分からないけど、
彼はそれを手に取ってしげしげと見つめる。
きっと誰かの宝物なのだろう、
キラキラと真ん中で光る石がとても綺麗で見ているだけで楽しかった。

ふと誰かの呼ぶ声が聞こえる、
見ると彼の背後に広がる森の方で、
彼の仲間達がぴょんぴょんと跳ねて自分のことを呼んでいた。
なんで仲間達がこんなところにいるんだろう、
ますます良く分からなくって彼は首をかしげるばかりだった。
でもとび跳ねる仲間達はとても楽しそうで、
なんだかそれを見ているだけで自分も嬉しかった。

彼は紫色の自分の体をぴょんと持ち上げると、
自分の手元にあるバッジと転がったカバンを見つめた。
取っても綺麗なものだけどもしかしたら誰かの忘れものなのかもしれない、
それならこんな所に置いとくのは可哀そうだろう。
彼は丁寧にカバンの中にバッジをしまうと、
それをよいしょと自分の体に引っ掛け楽しそうに仲間達の所にかけていった。

チャリッとカバン揺れるたびにこすれあって音が鳴るみっつのバッジ。
他に何も入っていないからっぽなカバンの中で、
そのバッジだけはいつまでもいつまでもキラキラと輝いていた…。

がぶっちょ
 
絵茶会のログイラスト集でございます、
今回管理人少なめでお届けしております。
不吉すぎる添乗員(尻尾的な意味で
 
絵茶会のログイラスト集でございます。

vore以外にも、
取り込み・TF描写があるので苦手な方は閲覧ご注意です!
(・3・)

気づいたら たまりにたまった 絵茶のログ(五七五風に)
というわけで休日を利用して絵茶会ログ大放出です!
お待たせした方は本当に申し訳なかったです!

内容は絵茶会のログイラスト集でございます。
今回は取り込み描写が多いので苦手な方は閲覧ご注意です!
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展示するのも恥ずかしい物しか置いていませんが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
(・ω・)

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カテゴリーの『はじめに』からの
『注意書き』の説明を見ていないと
色々と後悔する可能性大です。
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更新日 2014年  1月17日
  少ないけどとりあえず新規イラストに変更
  一枚オリキャライラストなので苦手な方注意

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