当サイトは『主に二次元のキャラによる捕食行為』に関する創作物を扱っております、無断転載・配布・加工はご遠慮ください。 また当サイトは版権元とは一切関係ありません、版権元への問い合わせ等もできればご遠慮ください。 リンクはフリーですのでご自由にどうぞ! 『Sorry. This site is Japanese only』
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すみません、
今日は更新お休みします。
てか課題の量が尋常じゃないよ、
書きたいのに書けない、
こんな生き地獄は嫌じゃ~。
(;ω;)
今日は更新お休みします。
てか課題の量が尋常じゃないよ、
書きたいのに書けない、
こんな生き地獄は嫌じゃ~。
(;ω;)
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次の日、
ニドキングとカメールは外での任務を終え基地に戻ってきていた。
また入り口でゲンガーの【さいみんじゅつ】を耐えぬき、
二匹ともふらふらしながら基地の通路を歩いていた。
ニド「うぅ…、相変わらずひどい技だ…。」
カメ「なんでニドキングだけそんなに気分が悪くなるんだろうな。」
ニド「俺が聞きたいよ…。」
がんがんと痛む頭を押さえ、
ニドキングが弱々しい声を上げる。
できることなら座り込んで休みたいくらいだったが、
カメールがいる手前そんなことをするわけにもいかず、
彼は我慢して頭を抑えながら歩いていた。
カメ「ねえ、本当に大丈夫…?」
ニド「ああ、なんとかな。」
カメ「全然大丈夫そうじゃないね。」
ニド「…分かるか。」
彼に心配をかけまいと平気そうに声を出すが、
さすがに長い間コンビを組んできただけあって、
彼のそんなやせ我慢もカメールには効かないようだった。
カメールが気を利かせて背中をさすりだしたが、
頭痛の症状に背中をさするのは正しいのだろうか?
ニド「もういいよ、さっきよりはずいぶんましになった。」
カメ「…。」
ニド「…なんだ?」
カメ「なあ、ちょっと気になることがあるんだけど?」
ニド「…?」
急にカメールの表情が陰ったように曇る、
普段明るい彼がこんな表情を見せるのはニドキングもあまり見たことなかった。
ニド「なんだ、なんか聞きたいことでもあるのか?」
カメ「あのさあ、お前昨日夕飯のとき何処行ってたの?」
ニド「夕飯…?」
昨日はルクシオを逃がした後そのまま眠りこんでしまい、
起きた時にはすでに日が昇っていた。
そういえばカメールとの別れぎわに、
後で行くからというようなことを言っていたような覚えがある、
ひょっとして行かなかったことを怒っているのだろうか…?
ニド「すまん昨日あのまま眠ってしまってな、ひょっとして待たせてしまったか…?」
カメ「え、いや、別にオイラのことはどうでもいいんだけどさ…。」
妙に歯切れの悪いカメールの言葉にニドキングは訝しげに首をかしげる、
彼の様子からして確かにそのことで怒っているというわけではなさそうだった、
ではいったい何を心配しているのだろうか。
カメ「…単刀直入に聞くけどさ、最近ちゃんとご飯食べてる?」
ニド「…はぁ?」
カメールの意外な言葉に思わず声を上げる、
だが相棒の表情はいつになく真剣である。
ニド「食べているに決まっているだろう、なんでそんなことを聞くんだ。」
カメ「だってぇ…。」
カメールはニドキングから目線をそらし、
言いづらそうにスカーフを手でぐりぐりといじっている、
ニドキングは様子のおかしい見つめながら彼の反応を待つ。
やがて決心したようにうんと一回うなずくと、
カメールはこちらを向いて口を開いた。
カメ「お前、もう三日ぐらい前から全然食堂に来てないよな。」
ニド「…え?」
カメ「食堂に来ないで、一体何食べてるのか気になってさ…。」
カメールの言葉にニドキングは言葉に詰まる、
思い返してみると確かにここ最近食堂に行った覚えがない、
でも彼は昨日もそして今日も別に空腹で動けなくなるなどの症状は出ていなかった。
カメ「三日前にさ、お前が久しぶりに外で野生の獲物を食ってたから食堂に来なかったのも分けるけど、でもお前が今日まで連日ポケモン食うなんて考えられないし…。」
ニド「…。」
カメ「今お前の部屋にはあのおたずねもの達がいただろ、だからちょっと気になって…。」
ニドキングは背筋がすーっと冷たくなっていくのを感じた、
確かに彼の部屋には今食糧になりうるポケモンがいる、
カメールが疑ってしまうのも無理はない。
しかし、
断じてニドキングは彼らを食べてはいない、
食べているはずがない。
いくら最近ぼーっとすることが多くなったといっても、
ポケモンを食べたことを忘れほど気は抜けていないはずだった。
ニドキングは不安そうにするカメールの方にぽんっと手をのせる、
カメールが不安そうに見つめてくるが、
彼は安心させるためににっと笑ってみせる。
ニド「大丈夫だ安心しろ、あの三匹ならちゃんと順番に逃がしているから。」
カメ「本当に…?」
ニド「ああ、本当だ。」
内心彼自身も不安で押しつぶされそうになっていたが、
とにかくこの相棒を安心させるためにも彼は必死に表情を取り繕う、
やがて少し安心したのかカメールの表情が緩んだ。
カメ「そうだよな、お前がそう何度も食うわけないよな。」
ニド「ああ…。」
カメ「はぁ、なんか安心したらおなか減っちゃったよ。
早く食堂行ってなんか食べようぜ。」
ニド「そうだな。」
よほど緊張していたのだろう、
カメールが彼に背を向けてぐいーっと背を伸ばしていた。
ニドキングもずいぶん気が張っていたせいか、
いつの間にかあのひどい痛みも消えているようだった。
ぐぅ~-…
唐突に彼のお腹が小さく鳴った、
彼もいつのまにかずいぶんお腹が空いているようだった。
カメ「にゃはは、ニドキングも腹ぺこみたいだね。」
ニド「ああ、恥ずかしい音を聞かれてしまったな。」
カメ「気にしない気にしない♪」
すっかり笑顔が戻っているカメールの背中を、
ニドキングは優しそうな表情で見つめる。
ふいに彼の口の中にじわじわと唾液がわき出てきて、
彼の鼻に美味しそうな匂いが漂ってくる。
ニド「…。」
トロンとした表情でニドキングはカメールを見つめている、
甲羅に包まれていないぷにっとしたその体はとても弾力がありそうで、
かぶりつけば口いっぱいに美味しそうな味が広がりそうな気がしてくる。
知らず知らずのうちに口から唾液の塊がぽたぽたと垂れ、
ニドキングの口がカメールの頭に近づきながら徐々に大きく開かれていく。
ニドキングに背を向けているカメールは腕をくるくるとまわして、
固まった筋肉をほぐしているようでニドキングの動きには気づいていない。
彼の青い体からはどんな味がするのだろうと考えながら舌なめずりし、
カメールの頭を包み込めるほど肉厚な舌がだらんと口から垂れて唾液の糸を引き、
ニドキングの口があと少しでカメールを喰らい込めるとこまで近づいていく。
ニド「…うわ!!」
カメ「え、なになに!?」
はじかれたようにニドキングに意識が戻り、
彼の声に驚いてカメールがこっちを見る。
ニド『今何を考えていた…、いま俺は…カメールを食べようと…。』
ニドキングは荒く息を吐きながら、
自分の相棒を見つめる。
カメールもまた急に様子のおかしくなった相棒に気づき、
声をかけようとニドキングに近づこうとするが、
ニドキングはそれを手で制して止めた。
カメ「大丈夫…、汗びっしょりだよ?」
ニド「…大丈夫だ、安心してたらついうとうととしててな。」
ニドキングは咄嗟に嘘をついた、
これ以上カメールに心配をかけるわけにはいかないし、
なによりさっきまで自分が何をしようとしていたかを考えると、
今カメールの傍にいるのは危険な気がしたのだ。
ニド「カメール、すまんが今日も食堂へは一人で行ってくれないか。」
カメ「え、でも…。」
ニド「…えっとそうだ、部屋にいるコリンク、あいつを逃がしたら必ず食堂へ行くから。」
カメ「え、コリ…ってちょっと!」
ニド「すまん、絶対に行くから待っていてくれ。」
無理やり会話を切り、
ニドキングはもと来た道を走って自分の部屋に向かう。
今の自分がなにかおかしい以上、
同じ部屋に他のポケモンを入れているのは危険である、
一刻も早くコリンクを逃がすために彼は自分の部屋に急いだ。
ニドキングとカメールは外での任務を終え基地に戻ってきていた。
また入り口でゲンガーの【さいみんじゅつ】を耐えぬき、
二匹ともふらふらしながら基地の通路を歩いていた。
ニド「うぅ…、相変わらずひどい技だ…。」
カメ「なんでニドキングだけそんなに気分が悪くなるんだろうな。」
ニド「俺が聞きたいよ…。」
がんがんと痛む頭を押さえ、
ニドキングが弱々しい声を上げる。
できることなら座り込んで休みたいくらいだったが、
カメールがいる手前そんなことをするわけにもいかず、
彼は我慢して頭を抑えながら歩いていた。
カメ「ねえ、本当に大丈夫…?」
ニド「ああ、なんとかな。」
カメ「全然大丈夫そうじゃないね。」
ニド「…分かるか。」
彼に心配をかけまいと平気そうに声を出すが、
さすがに長い間コンビを組んできただけあって、
彼のそんなやせ我慢もカメールには効かないようだった。
カメールが気を利かせて背中をさすりだしたが、
頭痛の症状に背中をさするのは正しいのだろうか?
ニド「もういいよ、さっきよりはずいぶんましになった。」
カメ「…。」
ニド「…なんだ?」
カメ「なあ、ちょっと気になることがあるんだけど?」
ニド「…?」
急にカメールの表情が陰ったように曇る、
普段明るい彼がこんな表情を見せるのはニドキングもあまり見たことなかった。
ニド「なんだ、なんか聞きたいことでもあるのか?」
カメ「あのさあ、お前昨日夕飯のとき何処行ってたの?」
ニド「夕飯…?」
昨日はルクシオを逃がした後そのまま眠りこんでしまい、
起きた時にはすでに日が昇っていた。
そういえばカメールとの別れぎわに、
後で行くからというようなことを言っていたような覚えがある、
ひょっとして行かなかったことを怒っているのだろうか…?
ニド「すまん昨日あのまま眠ってしまってな、ひょっとして待たせてしまったか…?」
カメ「え、いや、別にオイラのことはどうでもいいんだけどさ…。」
妙に歯切れの悪いカメールの言葉にニドキングは訝しげに首をかしげる、
彼の様子からして確かにそのことで怒っているというわけではなさそうだった、
ではいったい何を心配しているのだろうか。
カメ「…単刀直入に聞くけどさ、最近ちゃんとご飯食べてる?」
ニド「…はぁ?」
カメールの意外な言葉に思わず声を上げる、
だが相棒の表情はいつになく真剣である。
ニド「食べているに決まっているだろう、なんでそんなことを聞くんだ。」
カメ「だってぇ…。」
カメールはニドキングから目線をそらし、
言いづらそうにスカーフを手でぐりぐりといじっている、
ニドキングは様子のおかしい見つめながら彼の反応を待つ。
やがて決心したようにうんと一回うなずくと、
カメールはこちらを向いて口を開いた。
カメ「お前、もう三日ぐらい前から全然食堂に来てないよな。」
ニド「…え?」
カメ「食堂に来ないで、一体何食べてるのか気になってさ…。」
カメールの言葉にニドキングは言葉に詰まる、
思い返してみると確かにここ最近食堂に行った覚えがない、
でも彼は昨日もそして今日も別に空腹で動けなくなるなどの症状は出ていなかった。
カメ「三日前にさ、お前が久しぶりに外で野生の獲物を食ってたから食堂に来なかったのも分けるけど、でもお前が今日まで連日ポケモン食うなんて考えられないし…。」
ニド「…。」
カメ「今お前の部屋にはあのおたずねもの達がいただろ、だからちょっと気になって…。」
ニドキングは背筋がすーっと冷たくなっていくのを感じた、
確かに彼の部屋には今食糧になりうるポケモンがいる、
カメールが疑ってしまうのも無理はない。
しかし、
断じてニドキングは彼らを食べてはいない、
食べているはずがない。
いくら最近ぼーっとすることが多くなったといっても、
ポケモンを食べたことを忘れほど気は抜けていないはずだった。
ニドキングは不安そうにするカメールの方にぽんっと手をのせる、
カメールが不安そうに見つめてくるが、
彼は安心させるためににっと笑ってみせる。
ニド「大丈夫だ安心しろ、あの三匹ならちゃんと順番に逃がしているから。」
カメ「本当に…?」
ニド「ああ、本当だ。」
内心彼自身も不安で押しつぶされそうになっていたが、
とにかくこの相棒を安心させるためにも彼は必死に表情を取り繕う、
やがて少し安心したのかカメールの表情が緩んだ。
カメ「そうだよな、お前がそう何度も食うわけないよな。」
ニド「ああ…。」
カメ「はぁ、なんか安心したらおなか減っちゃったよ。
早く食堂行ってなんか食べようぜ。」
ニド「そうだな。」
よほど緊張していたのだろう、
カメールが彼に背を向けてぐいーっと背を伸ばしていた。
ニドキングもずいぶん気が張っていたせいか、
いつの間にかあのひどい痛みも消えているようだった。
ぐぅ~-…
唐突に彼のお腹が小さく鳴った、
彼もいつのまにかずいぶんお腹が空いているようだった。
カメ「にゃはは、ニドキングも腹ぺこみたいだね。」
ニド「ああ、恥ずかしい音を聞かれてしまったな。」
カメ「気にしない気にしない♪」
すっかり笑顔が戻っているカメールの背中を、
ニドキングは優しそうな表情で見つめる。
ふいに彼の口の中にじわじわと唾液がわき出てきて、
彼の鼻に美味しそうな匂いが漂ってくる。
ニド「…。」
トロンとした表情でニドキングはカメールを見つめている、
甲羅に包まれていないぷにっとしたその体はとても弾力がありそうで、
かぶりつけば口いっぱいに美味しそうな味が広がりそうな気がしてくる。
知らず知らずのうちに口から唾液の塊がぽたぽたと垂れ、
ニドキングの口がカメールの頭に近づきながら徐々に大きく開かれていく。
ニドキングに背を向けているカメールは腕をくるくるとまわして、
固まった筋肉をほぐしているようでニドキングの動きには気づいていない。
彼の青い体からはどんな味がするのだろうと考えながら舌なめずりし、
カメールの頭を包み込めるほど肉厚な舌がだらんと口から垂れて唾液の糸を引き、
ニドキングの口があと少しでカメールを喰らい込めるとこまで近づいていく。
ニド「…うわ!!」
カメ「え、なになに!?」
はじかれたようにニドキングに意識が戻り、
彼の声に驚いてカメールがこっちを見る。
ニド『今何を考えていた…、いま俺は…カメールを食べようと…。』
ニドキングは荒く息を吐きながら、
自分の相棒を見つめる。
カメールもまた急に様子のおかしくなった相棒に気づき、
声をかけようとニドキングに近づこうとするが、
ニドキングはそれを手で制して止めた。
カメ「大丈夫…、汗びっしょりだよ?」
ニド「…大丈夫だ、安心してたらついうとうととしててな。」
ニドキングは咄嗟に嘘をついた、
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今カメールの傍にいるのは危険な気がしたのだ。
ニド「カメール、すまんが今日も食堂へは一人で行ってくれないか。」
カメ「え、でも…。」
ニド「…えっとそうだ、部屋にいるコリンク、あいつを逃がしたら必ず食堂へ行くから。」
カメ「え、コリ…ってちょっと!」
ニド「すまん、絶対に行くから待っていてくれ。」
無理やり会話を切り、
ニドキングはもと来た道を走って自分の部屋に向かう。
今の自分がなにかおかしい以上、
同じ部屋に他のポケモンを入れているのは危険である、
一刻も早くコリンクを逃がすために彼は自分の部屋に急いだ。
大通りから離れ、
二匹はさっきの場所とは違う裏道を歩いていく、
そして行き止まりまで来ると、
道の真ん中にぽつんとあるマンホールの蓋をこじ開け、
二匹は迷いもせずに地下へと降りて行った。
カメ「それにしても、何でいつもこんなとこから出入りしなくちゃいけないんだろうな。」
ニド「俺たちみたいなのが目立たないためには、地下に潜った方がいいからだろう。」
カメ「だからって、毎回毎回こんな下水道通らなくても…。」
ニド「文句言うな。」
ぶーぶーと文句を言っているカメールを放っておき、
ニドキングは下水道の壁に設置されているスイッチのようなものをいじる。
すると、
下水道には似つかわしくない大きな扉が姿を現した。
「ケケッ、おかえり。」
ニドキングが扉を開けようとすると、
ふいに後ろから甲高い声が聞こえてきた。
彼らが振り返ると、
暗がりから一匹のゲンガーがニタニタと笑いながら姿を見せた。
カメ「なんだゲンガ―か、そんなとこで何してんの?」
ゲン「なんだとはご挨拶だなカメール、門番が入口のそばにいて悪いのかよ。」
ニド「普通門番は入口の前にいると思うが…。」
ゲンガ―が現れた暗がりは彼らの立っている扉からけっこう離れている、
ニドキング頬をぽりぽりと掻きながら言うとゲンガーはふんと鼻を鳴らす。
ゲン「どこにいても同じだろ、こんなとこくるのは組織の奴しかいねえんだからよ。」
カメ「そりゃそうだ、こんなとこ誰も好き好んでこないよ。」
カメールは下水道の中を見渡しながら言う、
そこらへんにポイ捨てされたゴミなどが浮いていてはっきり言って汚い、
好き好んでくる方がどうかしている場所だった。
ゲン「それでもたまに物好きな連中が入り込んでくるのさ、さっきも一匹迷い込んできて…げっぷ、おっと悪いな。」
ニド「…。」
しゃべっている途中にゲンガーが下品にゲップをし、
ニドキングが露骨に嫌そうな顔をする。
どうやら迷い込んだポケモンは、
今はこのゲンガーのお腹の中に迷いこんでいるらしかった。
ニド「あまり街のポケモンを食べるな、それでは俺たちはただの無法者と変わらないぞ。」
ゲン「ああん、別に一匹や二匹ぐらいだったらかまうこともねえだろ。」
ニド「…。」
ニドキング、
彼は確かに組織の考え方には反対してはいない。
だが、
どんなに理由を掲げても、
ポケモンを食べるということは許されるべきではないということくらい分かっていた。
だから彼はポケモンを食べることは必要最小限にとどめている、
それはポケモンを喰らう彼自身の戒めであり、
同時に自分が食べてきたポケモン達への贖罪でもあった。
だからこそ、
ゲンガーのように無作為に襲っては食べるような奴を、
放っておけるような性格ではなかった。
ぎりっと奥歯を噛みしめゲンガーに詰め寄ろうとすると、
カメールが二匹の間に割り込むように入ってくる。
カメ「ほらほら二人とも喧嘩しないの!」
ニド「だが…。」
ゲン「ケッ、全く何を怒ってるんだか。」
カメ「ゲンガーもあんまり挑発しないでくれよ、なだめるのはオイラなんだから。」
カメールはニドキングを抑えながらゲンガーに文句を言う、
気は収まらなかったが、
カメールが二匹の間から離れない以上彼も傷つけてしまう可能性もあるため、
ニドキングは鼻を鳴らすとゲンガーから顔をそむけた。
カメ「ほらゲンガ―、オイラ達早く基地の中に入りたいんだからいつものをちゃっちゃとやっちゃってよ。」
ゲン「ケッ、分かってるよ…。」
ゲンガーも不満そうに鼻を鳴らすと、
カメールとニドキングの前に立ち大きな赤い目で二匹の目を睨みつける。
すると、
ニドキングはまるで頭の中を揺さぶられるような不快感に包まれる。
ニド「うぐ…。」
ゲンガーの技【さいみんじゅつ】、
本来相手を深い眠りに落す補助の技だが、
ニドキングは頭がずきずきするようなひどい気分になる。
最近、
『丸呑み団』のメンバー全員が外から基地に戻ってくると、
こうしてゴーストタイプの【さいみんじゅつ】を耐えきるというのが全員に課せられていた、
なんでも普段からこうして技に耐える訓練をし続け、
外でのバトルのときに有利になれるようにするためだと彼らは聞いていた。
ゲン「終わったぜ。」
カメ「ふぁあ~、もう終り?」
ゲンガーの言葉とともにニドキングの頭痛がすぅーっと消えていき、
隣でカメールが眠そうに大きな欠伸をする。
ゲン「ほら、もう基地の中に戻っていいぜ。」
カメ「あいよ、ほら行こうニドキング!」
ニド「あ…ああ。」
ゲンガーに別れを告げ、
がちゃりと扉を開けると二匹は薄暗い廊下のような通路に入っていく。
ニドキングはまだ少しがんがんとする頭を押さえ、
先を歩くカメールをとぼとぼと追いかける。
カメ「どうしたんだ?」
ニド「さっきの【さいみんじゅつ】、あの訓練いつまで続くんだ…?」
カメ「そんなのオイラが知ってるわけないだろ。」
ニドキングがふるふると頭をふるうと、
さっきよりは若干痛みが引いた気がした。
カメールが心配そうに見つめているが、
幸いすぐそこがニドキングの部屋だった。
ニド「悪い、少し部屋で休んでいくよ。」
カメ「え、でももうすぐ夕飯だよ?」
ニド「少し休んだら行くから、悪いが先に行っていてくれ。」
カメ「…分かったよ。」
カメールにはなぜニドキングがいきなり気分悪そうにしているか分からなかった、
さっきの話し方からするとゲンガーの【さいみんじゅつ】のせいっぽかったが、
別にカメールはあの技を受け続けて感じる感想は「眠い」の他にはなかった。
ニドキングがよろよろしながら部屋に入るのを見届けると、
カメールは首をかしげながら暗い通路の先へ歩いて行った。
ニド「ふぅ…。」
部屋に入ったニドキングは思いため息を吐いて、
しめたドアに寄り掛かる。
彼の部屋は簡素なベッドと机、
壁には小さな本棚とむき出しの通風口と、
なんんとも殺風景な作りをした部屋だった。
部屋を見渡しているとまた少し頭が痛んでくる、
最近ゲンガーの【さいみんじゅつ】を受けるたびに感じるこの不快感、
どうもここまで気分が悪くなっているのは自分だけのようである。
ニド「まったく、何なんだろうな…。」
いつの間にかかいていた冷や汗をぬぐうと、
突然部屋の奥でガタガタという音が鳴り響く。
ニド「…そうだった、忘れていたな。」
ニドキングの部屋の奥に、
四角い鉄製の檻が三つ並んで置かれていた。
三つの檻のうち、
一つにはなにも入ってはいなかったが、
残りの二つにはそれぞれ一匹づつ黒と水色の毛並みをしたポケモンが入っていた。
彼らは『コリンク』と『ルクシオ』、
ついこの間ニドキングとカメールで捕まえたおたずねもののポケモン達である。
この二匹ともう一匹、
『レントラー』というポケモンの三匹で街で悪さをしていたポケモン達であった。
本来なら捕まえたポケモン達は食料として組織に手渡すのだが、
ニドキングの頼みで彼らを捕まえたことは組織に秘密にしているのである。
ニド「いつもならさすがに組織に隠したりはしないんだがな…。」
ニドキングがこの三匹を助けた理由、
それはこの三匹が兄弟であったからであった。
彼にも同じ組織の中に年の離れた兄弟が一匹いた、
もうずいぶん長いこと顔を合わせてはいなかったが、
彼にとって唯一残された家族であり、
何が何でも守り抜きたいポケモンの一匹であった。
ニドキングは机の上に置いておいた鍵を取ると、
ルクシオの入った折に近づいていく。
檻の中にいるルクシオは、
威嚇するようにニドキングを睨みつけてくる。
ニド「怯えるな、安心しろ順番にお前たちを出してやるからな。」
ニドキングは捕まえたこのポケモン達を、
彼の部屋にある通風口を使って逃がしていた。
しかし、
一度に多くのポケモンを逃がせばさすがに組織のポケモン達にばれてしまう、
そのため年長の者から順に日替わりで逃がしていたのである。
昨日彼らの兄であるレントラーを逃がし、
今日このルクシオを外へ逃がす。
そうすれば幼いコリンクでもなんとか兄弟たちとともにこの基地から逃げ出せるだろう。
ニドキングはぼーっと物思いにふけっていた自分に気づき、
またぷるぷると顔を振るう。
どうも最近こんな風にぼーっとすることが多くなった気がする、
これも【さいみんじゅつ】のせいなのだろうか…?
ニド「さて……え?」
ニドキングはルクシオの檻の鍵を開けようと、
ルクシオの入った檻に目を向ける、
しかし、
檻の中にはルクシオの影も形も残ってはいなかった。
ニド「え…あれ…?」
ふと見ると、
さっきまで彼の持っていた檻の鍵がルクシオの檻のすぐそばに落ちている、
もしかして彼がぼっーとしている間にルクシオが鍵を奪い取り、
勝手に檻を開けて逃げてしまったのだろうか。
ニド「まさかな…。」
だが現実にルクシオの姿がない以上、
少なくとも逃げてしまったのは間違いないだろう。
最後の檻の中にはまだ怯えていたままのコリンクが残っており、
どうやら兄弟まで助けている時間はなかったようである。
ニド「仕方ない、お前は明日出してやるからな。」
ニドキングは安心させるように優しい声をコリンクにかけると、
ふぁっ…と大きな欠伸をしベッドに横になる。
ゲンガーの技が今頃効いてきたのか、
横になったとたんうとうととニドキングは深い眠りに落ちて行った。
ニドキングが静かに寝息を立てる中、
コリンクは檻の中でひとりぼっちで震えていた。
その表情はまるで見てはいけないものでも見たかのように、
歯をカチカチと鳴らしながら静かに震えていた。
二匹はさっきの場所とは違う裏道を歩いていく、
そして行き止まりまで来ると、
道の真ん中にぽつんとあるマンホールの蓋をこじ開け、
二匹は迷いもせずに地下へと降りて行った。
カメ「それにしても、何でいつもこんなとこから出入りしなくちゃいけないんだろうな。」
ニド「俺たちみたいなのが目立たないためには、地下に潜った方がいいからだろう。」
カメ「だからって、毎回毎回こんな下水道通らなくても…。」
ニド「文句言うな。」
ぶーぶーと文句を言っているカメールを放っておき、
ニドキングは下水道の壁に設置されているスイッチのようなものをいじる。
すると、
下水道には似つかわしくない大きな扉が姿を現した。
「ケケッ、おかえり。」
ニドキングが扉を開けようとすると、
ふいに後ろから甲高い声が聞こえてきた。
彼らが振り返ると、
暗がりから一匹のゲンガーがニタニタと笑いながら姿を見せた。
カメ「なんだゲンガ―か、そんなとこで何してんの?」
ゲン「なんだとはご挨拶だなカメール、門番が入口のそばにいて悪いのかよ。」
ニド「普通門番は入口の前にいると思うが…。」
ゲンガ―が現れた暗がりは彼らの立っている扉からけっこう離れている、
ニドキング頬をぽりぽりと掻きながら言うとゲンガーはふんと鼻を鳴らす。
ゲン「どこにいても同じだろ、こんなとこくるのは組織の奴しかいねえんだからよ。」
カメ「そりゃそうだ、こんなとこ誰も好き好んでこないよ。」
カメールは下水道の中を見渡しながら言う、
そこらへんにポイ捨てされたゴミなどが浮いていてはっきり言って汚い、
好き好んでくる方がどうかしている場所だった。
ゲン「それでもたまに物好きな連中が入り込んでくるのさ、さっきも一匹迷い込んできて…げっぷ、おっと悪いな。」
ニド「…。」
しゃべっている途中にゲンガーが下品にゲップをし、
ニドキングが露骨に嫌そうな顔をする。
どうやら迷い込んだポケモンは、
今はこのゲンガーのお腹の中に迷いこんでいるらしかった。
ニド「あまり街のポケモンを食べるな、それでは俺たちはただの無法者と変わらないぞ。」
ゲン「ああん、別に一匹や二匹ぐらいだったらかまうこともねえだろ。」
ニド「…。」
ニドキング、
彼は確かに組織の考え方には反対してはいない。
だが、
どんなに理由を掲げても、
ポケモンを食べるということは許されるべきではないということくらい分かっていた。
だから彼はポケモンを食べることは必要最小限にとどめている、
それはポケモンを喰らう彼自身の戒めであり、
同時に自分が食べてきたポケモン達への贖罪でもあった。
だからこそ、
ゲンガーのように無作為に襲っては食べるような奴を、
放っておけるような性格ではなかった。
ぎりっと奥歯を噛みしめゲンガーに詰め寄ろうとすると、
カメールが二匹の間に割り込むように入ってくる。
カメ「ほらほら二人とも喧嘩しないの!」
ニド「だが…。」
ゲン「ケッ、全く何を怒ってるんだか。」
カメ「ゲンガーもあんまり挑発しないでくれよ、なだめるのはオイラなんだから。」
カメールはニドキングを抑えながらゲンガーに文句を言う、
気は収まらなかったが、
カメールが二匹の間から離れない以上彼も傷つけてしまう可能性もあるため、
ニドキングは鼻を鳴らすとゲンガーから顔をそむけた。
カメ「ほらゲンガ―、オイラ達早く基地の中に入りたいんだからいつものをちゃっちゃとやっちゃってよ。」
ゲン「ケッ、分かってるよ…。」
ゲンガーも不満そうに鼻を鳴らすと、
カメールとニドキングの前に立ち大きな赤い目で二匹の目を睨みつける。
すると、
ニドキングはまるで頭の中を揺さぶられるような不快感に包まれる。
ニド「うぐ…。」
ゲンガーの技【さいみんじゅつ】、
本来相手を深い眠りに落す補助の技だが、
ニドキングは頭がずきずきするようなひどい気分になる。
最近、
『丸呑み団』のメンバー全員が外から基地に戻ってくると、
こうしてゴーストタイプの【さいみんじゅつ】を耐えきるというのが全員に課せられていた、
なんでも普段からこうして技に耐える訓練をし続け、
外でのバトルのときに有利になれるようにするためだと彼らは聞いていた。
ゲン「終わったぜ。」
カメ「ふぁあ~、もう終り?」
ゲンガーの言葉とともにニドキングの頭痛がすぅーっと消えていき、
隣でカメールが眠そうに大きな欠伸をする。
ゲン「ほら、もう基地の中に戻っていいぜ。」
カメ「あいよ、ほら行こうニドキング!」
ニド「あ…ああ。」
ゲンガーに別れを告げ、
がちゃりと扉を開けると二匹は薄暗い廊下のような通路に入っていく。
ニドキングはまだ少しがんがんとする頭を押さえ、
先を歩くカメールをとぼとぼと追いかける。
カメ「どうしたんだ?」
ニド「さっきの【さいみんじゅつ】、あの訓練いつまで続くんだ…?」
カメ「そんなのオイラが知ってるわけないだろ。」
ニドキングがふるふると頭をふるうと、
さっきよりは若干痛みが引いた気がした。
カメールが心配そうに見つめているが、
幸いすぐそこがニドキングの部屋だった。
ニド「悪い、少し部屋で休んでいくよ。」
カメ「え、でももうすぐ夕飯だよ?」
ニド「少し休んだら行くから、悪いが先に行っていてくれ。」
カメ「…分かったよ。」
カメールにはなぜニドキングがいきなり気分悪そうにしているか分からなかった、
さっきの話し方からするとゲンガーの【さいみんじゅつ】のせいっぽかったが、
別にカメールはあの技を受け続けて感じる感想は「眠い」の他にはなかった。
ニドキングがよろよろしながら部屋に入るのを見届けると、
カメールは首をかしげながら暗い通路の先へ歩いて行った。
ニド「ふぅ…。」
部屋に入ったニドキングは思いため息を吐いて、
しめたドアに寄り掛かる。
彼の部屋は簡素なベッドと机、
壁には小さな本棚とむき出しの通風口と、
なんんとも殺風景な作りをした部屋だった。
部屋を見渡しているとまた少し頭が痛んでくる、
最近ゲンガーの【さいみんじゅつ】を受けるたびに感じるこの不快感、
どうもここまで気分が悪くなっているのは自分だけのようである。
ニド「まったく、何なんだろうな…。」
いつの間にかかいていた冷や汗をぬぐうと、
突然部屋の奥でガタガタという音が鳴り響く。
ニド「…そうだった、忘れていたな。」
ニドキングの部屋の奥に、
四角い鉄製の檻が三つ並んで置かれていた。
三つの檻のうち、
一つにはなにも入ってはいなかったが、
残りの二つにはそれぞれ一匹づつ黒と水色の毛並みをしたポケモンが入っていた。
彼らは『コリンク』と『ルクシオ』、
ついこの間ニドキングとカメールで捕まえたおたずねもののポケモン達である。
この二匹ともう一匹、
『レントラー』というポケモンの三匹で街で悪さをしていたポケモン達であった。
本来なら捕まえたポケモン達は食料として組織に手渡すのだが、
ニドキングの頼みで彼らを捕まえたことは組織に秘密にしているのである。
ニド「いつもならさすがに組織に隠したりはしないんだがな…。」
ニドキングがこの三匹を助けた理由、
それはこの三匹が兄弟であったからであった。
彼にも同じ組織の中に年の離れた兄弟が一匹いた、
もうずいぶん長いこと顔を合わせてはいなかったが、
彼にとって唯一残された家族であり、
何が何でも守り抜きたいポケモンの一匹であった。
ニドキングは机の上に置いておいた鍵を取ると、
ルクシオの入った折に近づいていく。
檻の中にいるルクシオは、
威嚇するようにニドキングを睨みつけてくる。
ニド「怯えるな、安心しろ順番にお前たちを出してやるからな。」
ニドキングは捕まえたこのポケモン達を、
彼の部屋にある通風口を使って逃がしていた。
しかし、
一度に多くのポケモンを逃がせばさすがに組織のポケモン達にばれてしまう、
そのため年長の者から順に日替わりで逃がしていたのである。
昨日彼らの兄であるレントラーを逃がし、
今日このルクシオを外へ逃がす。
そうすれば幼いコリンクでもなんとか兄弟たちとともにこの基地から逃げ出せるだろう。
ニドキングはぼーっと物思いにふけっていた自分に気づき、
またぷるぷると顔を振るう。
どうも最近こんな風にぼーっとすることが多くなった気がする、
これも【さいみんじゅつ】のせいなのだろうか…?
ニド「さて……え?」
ニドキングはルクシオの檻の鍵を開けようと、
ルクシオの入った檻に目を向ける、
しかし、
檻の中にはルクシオの影も形も残ってはいなかった。
ニド「え…あれ…?」
ふと見ると、
さっきまで彼の持っていた檻の鍵がルクシオの檻のすぐそばに落ちている、
もしかして彼がぼっーとしている間にルクシオが鍵を奪い取り、
勝手に檻を開けて逃げてしまったのだろうか。
ニド「まさかな…。」
だが現実にルクシオの姿がない以上、
少なくとも逃げてしまったのは間違いないだろう。
最後の檻の中にはまだ怯えていたままのコリンクが残っており、
どうやら兄弟まで助けている時間はなかったようである。
ニド「仕方ない、お前は明日出してやるからな。」
ニドキングは安心させるように優しい声をコリンクにかけると、
ふぁっ…と大きな欠伸をしベッドに横になる。
ゲンガーの技が今頃効いてきたのか、
横になったとたんうとうととニドキングは深い眠りに落ちて行った。
ニドキングが静かに寝息を立てる中、
コリンクは檻の中でひとりぼっちで震えていた。
その表情はまるで見てはいけないものでも見たかのように、
歯をカチカチと鳴らしながら静かに震えていた。
街の中の暗い裏通り、
一匹のポケモンが息を切らせながら路地を疾走していく。
そのポケモンはは何かを大事そうに抱えこみ、
それらを落とさないようにしながらもただ前だけを見て走っていた。
路地の終わりに差し掛かり、
表通りの明かりが見えてくると彼は更に速度を上げようと足に力をこめる、
すると突然大通りへの出口を塞ぐように一匹の『ニドキング』が物陰から姿を現した。
ニド「わるいがここは行き止まりだ。」
目の前に現れたニドキングに走っていた彼は驚愕し、
慌てて道を引き返そうと咄嗟に後ろを振り返る。
瞬間振り向いた彼のお腹に殴られたような強い衝撃が走る、
見るとお腹に何か小ぶりの岩のような大きさの固いものが煙をあげながらめり込んでいた。
げほっと肺の空気を吐きだすと彼の意識はぶつりと途切れ、
糸の切れた人形のように崩れ落ちた。
そのポケモンが倒れると、
彼の中にめり込むように埋まっていた何かがぴょんと跳ねるように空中に飛ぶ。
丸い岩のような物体から空中で両手両足がスライドするように飛び出し、
地面に降り立つと両耳にふわふわとした羽を生やした『カメール』が顔を出した。
カメ「ぷはぁ、うまくいったな♪」
ニド「ああ、そうみたいだな。」
道をふさいでいたニドキングが巨体を揺らしながら二匹の傍まで歩いてくる、
そして倒れているポケモンの方をちらっと見てみると、
彼の傍で青く丸い玉のようなものがコロコロと転がっていた。
ニド「これがこいつの盗んだふしぎだまか?」
カメ「そうじゃなねえの、さっきの店のふしぎだまの専門店だろ?」
大通りの明かりが反射してキラキラと鈍く光るそれは、
ふしぎだまと言われる特殊な力を秘めた道具だった。
カメ「結構貴重そうなやつみたいだな、こいつこれ盗んでどうするつもりだったんだ?」
ニド「大方どこか余所で売りさばくつもりだったんだろう。」
ニドキングが倒れているポケモンをじろりと睨みつける、
完全に気絶しているようでぴくりとも動かなかい。
それもそのはず、
カメールの得意技【こうそくスピン】をもろに受けたのだから、
恐らく明日まで目を覚まさないだろう。
ニド「あいかわらずの威力のようだな。」
カメ「お、ニドキングがオイラを褒めるなんて珍しいね。」
ニド「そんなに珍しいか?」
カメ「いつもだったらちらっと見ただけで終わりじゃん。」
ニド「そ…そうか?」
カメ「そうだよ。」
にゃははと人懐っこい笑顔を浮かべながらカメールは首に巻いたスカーフを手でもてあそんでいる、
ニドキングも軽く口元を緩ませてもう一度気絶した盗人を観察する。
こんな街で泥棒をするからには恐らく『おたずねもの』であろう、
通報すればすぐに『探検隊』か『救助隊』かが引き取りに来るだろうが…。
ニド「通報するわけにもいかんだろうな。」
カメ「最悪オイラ達まで一緒に御用だろうね。」
彼らは何も善意で泥棒を捕まえた勇敢な市民などではない、
彼ら二匹とも『丸呑み団』という組織の構成員であった。
『丸呑み団』は直接街で騒ぎを起こすことなどは滅多にしないが、
ポケモンがポケモンを食べるという行為を行うことから、
街では黒い噂が絶えない組織である。
ニド「仕方ない、放っておけば誰かが気づいて通報するだろう。ここは引き上げるぞ。」
カメ「連れ帰るって選択肢はしないの?」
カメールの言葉にぴくっとニドキングの動きが止まる、
彼らの役目は単純に言ってしまえば食料調達である。
しかし食料といっても木の実や魚などのありふれたものではない、
ポケモン、
すなわち自分たちと同じ存在を狩ってくるのが仕事である。
しかし、
いくら彼らの組織がポケモンを食べるといっても、
何も街の住民を攫ってきているわけではない。
彼らが食らうのは街の近くで暴れたりする凶暴な『野生』のポケモンや、
徒党を組んで人々を襲う『盗賊』などの集団であり、
食料にするという考え方にさえ目を瞑れば善行にすら見えてくるだろう。
ゆえにこのポケモンがおたずねものだというのならば、
組織の基地に持ち帰ったところでどこからも文句は来ないだろう、
しかし…
ニド「…。」
カメ「はいはい、分かってるよ。」
ニド「えっ?」
カメ「連れ帰りたくないんだろ、長い付き合いなんだからそれくらい分かるって♪」
にまーと笑顔を浮かべてカメールはニドキングの背中をたたく、
ぽんぽんと叩かれるたびにニドキングの体がゆらゆらと揺れた。
カメ「まったく、オイラがパートナーじゃなかったら問答無用で連れ帰ってる所なんだよ。」
ニド「…悪いな。」
カメ「いいっていいって♪」
ニドキングは苦笑いを浮かべながら笑顔を浮かべているカメールから顔をそらす、
そして気絶したおたずねものを座らせると、
逃げないよう持っていたロープで縛りながらつらつらと物思いにふけり始める。
彼は組織のやり方には別に不満を持ってはいない、
確かに組織の考え方に反対する者もいるだろう、
しかしポケモンの中にはどうしても木の実などだけでは食べてはいけないものがいる、
すなわち肉食か草食かの問題である。
肉食のポケモンは当然自分より弱いポケモンを襲ってはその身を喰らう、
野生ならまだ許されるその行為も街に住むとなれば許されるわけがない、
彼自身も肉食の部類に入るポケモンであるためその苦労は身に染みて分かっていた。
だからこそ、
組織はそんなポケモンを食べなくては生きていけない者達の居場所を作ったのである、
少なくとも彼自身はそう思っているし、
同じ構成員の者たちもその考え方にひかれてここに集まって来たのである。
彼もそして年の離れた彼の兄弟も組織に誘われていなければ、
よくてポケモンを食うおたずねもの、
最悪飢え死にしていたかもしれない。
カメ「なあ、いつまで縛っているんだよ…。」
ニド「…へ?」
カメールの呼びかけに意識を戻されると、
お尋ね者はまるでカラサリスかマユルドのように、
ロープでぐるぐるに縛られていた。
ニド「うお、これはいかんな…。」
カメ「もうそれでいいから行こうよ、そろそろ誰かここに来ちゃうかもしれないし。」
ニド「…そうだな。」
ニドキングは心の中で名も知らない泥棒にわびを入れながら、
カメールとともに大通りの人ごみの中に姿を消していった。
ちょっと時間がなかったので、
前シリーズの胃袋内の没ラフスケッチを仕上げてのせてみる。
こっちの方が狭苦しくて意外と気に行っていたんですが、
線画を描き終えた直後に、
…サンダース何処?
という事態に気づき、
泣く泣く没にした構図です。
せめてラフの段階で気づいてればよかった…。
そういえば、
明日あたりからまた新しいシリーズ始めようかなと思ってます、
あくまで予定ですが。
今考えている段階ではシリアス路線なのかな、
というかまたあの黒歴史万歳な悪の組織設定バリバリ入ってきています。(ギャース
あんな恥ずかしい設定大爆発でも、
作ったからには使わなきゃもったいないというような貧乏性でもあるんでしょう。
最近あの組織に絡んだお話がぽんぽんと浮かんでくるんです、
親ばかとか設定ばかとかそんなレベルじゃないくらい浮かんでくるんです…。
神様は私に書けと?
恥ずか死んでもいいから書けと?
…。
書きましょうとも!(半泣
俺、
恥ずか死んだらルギアに食われて栄養になるんだ。
てかいっそ食べて下さい、
もう切実に。
(・ω・)>ムチャシヤガッテ…
前シリーズの胃袋内の没ラフスケッチを仕上げてのせてみる。
こっちの方が狭苦しくて意外と気に行っていたんですが、
線画を描き終えた直後に、
…サンダース何処?
という事態に気づき、
泣く泣く没にした構図です。
せめてラフの段階で気づいてればよかった…。
そういえば、
明日あたりからまた新しいシリーズ始めようかなと思ってます、
あくまで予定ですが。
今考えている段階ではシリアス路線なのかな、
というかまたあの黒歴史万歳な悪の組織設定バリバリ入ってきています。(ギャース
あんな恥ずかしい設定大爆発でも、
作ったからには使わなきゃもったいないというような貧乏性でもあるんでしょう。
最近あの組織に絡んだお話がぽんぽんと浮かんでくるんです、
親ばかとか設定ばかとかそんなレベルじゃないくらい浮かんでくるんです…。
神様は私に書けと?
恥ずか死んでもいいから書けと?
…。
書きましょうとも!(半泣
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自己紹介:
展示するのも恥ずかしい物しか置いていませんが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
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諸注意:
初めてきてくれた方は、
カテゴリーの『はじめに』からの
『注意書き』の説明を見ていないと
色々と後悔する可能性大です。
(・ω・´)
イラスト・小説のリクエストは
平時は受け付けておりません。
リクエスト企画など立ち上げる際は、
記事にてアナウンスいたしますので、
平時のリクエストはご遠慮くださいませ!
(・ω・`)
『Sorry. This site is Japanese only』
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