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悪夢の穴
 
「ふぅ…、やっぱりなかなか見つからないなぁ…。」

手を膝に付き、はぁはぁ…と呼吸を整えながらルカリオは呟く。
よほど急いで動いていたのか、
汗の滴が玉になってぽたぽたと地面へと落ちていっていた。
入口に比べてもずいぶんと深い森の奥に来ている、
だが彼の周りには一緒にいたはずの仲間達は見えなかった。
どうやら一人で森の奥にかけわってきたようである。

「…よし、休憩終わり…!
 もうちょっとだけ…森の奥を探してみよう…!」

すぅっ…と深呼吸をして落ち着きを取り戻すと、
彼は再び森の奥へと早足で駆けて行った。
…何か探し物をしているようである。


それは少し前のこと…。

「それにしても…薄気味悪い森だなぁ……。」

仲間達二人よりも先行しながら、ルカリオはぽつりと独り言のように呟く。

依頼を受けてやってきたこの森だが、
なんというか…気持ち悪いくらいに静かな森なのである。
普通こういった森には、野生のポケモンなどが住み着いていて、
彼らの鳴き声や森の中を移動する音、
それでなくても風で葉がざわめく音ぐらいは聞こえてきそうな物であるが…。
彼は耳を立てて辺りの音を聞き取ろうと集中する。
しかし、聞こえてくるのは後ろを歩いている仲間達の声や足音ばかり…。
風すらも吹いていない森の中からは、全くと言っていいほど音がしなかった。

「でも、こんな広い森に生き物がいないなんて…。」
「森単位で『大移動』でもした後なんじゃないか?」

ふいに彼の足もとから声がする。
目を向けるとライボルトが辺りを睨みつけるようにしながら、
いつのまにかルカリオと並ぶようにして歩いていた。
ライボルトの言った意味を聞き返すようにルカリオは口を開く。

「大移動…?」
「…見てみろよそこらへんの木。」

くいっと鼻先で森の方を促され、ルカリオはつられて森の方を見てみる。
そこにはふさふさとした葉をつけた小さな木々が、
まるで群れでもなすかのようにいくつも生い茂っていた。
その小さな木々にはどこか見覚えがある…。

「あれは…きのみの木…?」
「ああ、それもすでに実は取りつくされた後のな…。」

葉だけが生い茂っている状況の木々を見つめながら、
二匹は辺りを軽く見回してみる。
辺りに生えている小さな木々どれも同じようなものばかりで、
きのみを取った後の寂しく葉だけがゆれている状態だった。

「おおかた野生のポケモンかどっかの村の連中のどっちかが、
 生えてたきのみを根こそぎ持ってちまったんだろ。」
「でも、去年ならともかく、今年は作物の出来も良かったって…。」
「詳しいことは知らねえ…。
 ただ、どっちにしろこの辺りの木にはしばらく実はつかないだろうな。」

木々に実ったきのみが収穫されずに熟れすぎて落ちれば、
またその実から芽をだし新しい木へと生えかわっていく。
そうしてきのみの木はサイクルを作るように生きているのである。
でも、もしきのみが全てとられていってしまっていたら、
誰かが実を植えてでもあげない限りそのサイクルが途絶えてしまうのだ…。

だから、どんな珍しいきのみの木を見つけて採ろうとしても、
最後の一個は残しておくのが冒険者や旅人にとっての最低限のマナーだった。
だからこの森のきのみを手っていった奴は、
よほどマナー違反なポケモンか、
限度を知らない野生ポケモン達のどちらかなのであろう。

「そう考えると…、
 やっぱり食糧難で住んでたポケモン達が出てっちゃったのかな。」
「その可能性の方が高いだろうな。
 今のところどっかの街が襲われたって話は聞かないが…。」

彼らのように街や村などの集落に住んでいるポケモン達はともかく、
野生として今も生きているポケモン達は、
こうした食料問題で度々住み慣れた土地を捨てて移動することがある。
たまにそれらが人里に降りてきて悪さをすることもあり、
旅人や冒険者達が追い返したり退治したりするのはよくある話だ。

…もちろんそれとは反対に、
食料を求めたポケモン達に集落が襲われ、
村一つが消えてしまう事態だって起こることがあるのだ…。

「まあ、どうしようもない問題だな。
 俺らがここでどうこう言った程度で解決することじゃないだろ。」
「それは…そうだけどね。」

冷めた様な口調で言うライボルトに、
ルカリオは反応に困るように苦笑いを浮かべた。
探険隊としてその言い方はどうかなとも少し思うが、
こういう甘くない言い方をする方が彼らしいと言えば彼らしかった。

「とにかく、今は依頼の怪物とやらを探すのに集中して……。」
「…そうもいってられないかも。」

ライボルトが口を開いている途中に、
ふいに後方から薄暗い声が聞こえ二匹はくるりと振り返る。
後ろを歩いていたリザードが探険バッグの中を確認しながら、
苦い表情を浮かべていた。

「どうしたの?」
「それが…。」

ルカリオが不思議そうに聞くと、
リザードは言いにくそうにしながら探険バッグを彼に差し出す。
中身に何か問題でもあるのだろうか…?

「とにかく、中身を見てみてよ…。」
「中身って…特に変なところは………あ。」
「どれ…、オレンの実が無いな……ひとつも…。」
「うん、どうも買い足すのを忘れてるみたい…。」

しくじったと言わんばかりにルカリオは額を押さえる。

『オレンの実』
探険隊……いや、
冒険するものなら誰でも知っている傷や疲労の回復に使えるきのみである。
その上どこの森や山でもそれなりに拾えるアイテムなため、
冒険の回復薬代わりにはピッタリなきのみなのだ。
だが残念なことにいくらごそごそといくら探っても、
彼らのバッグの中にはひとつも入っていなかった。

「…そうか、前の依頼の時のベトベトンに…。」

ルカリオは手を当てたまま、悔しそうに歯を食いしばっている。
少し前に彼らが受けた依頼、
彼ら三匹が危うく命を落としかけた苦い思い出のある依頼だった。
あの下水道で起きた命がけの攻防戦を思い出すだけで、
ひんやりとした怖気がいつも背筋に走る気さえする…。

あの時ルカリオが戦ったベトベトンの一匹。
そいつに探険バッグの中身を飲み干され、
全ての道具が使い物にならなくなってしまったのである…。
あの時ベトベトンが飲み込んだもののうち、
ふしぎだまや攻撃用の道具なんかは吐き出していたが、
きのみみたいな食料品は全て食べつくされてしまっていたようである。

「そんなことがあったとはな…、
 だが言っておけば、買い足す時に気が付いていたんだがな。」

はぁっ…とため息をつくライボルトに対し、
ルカリオは言い返そうともせずにがっくりと肩を落としている…。
これに関してはあの場に居なかった二匹にはどうしようもなく、
見逃してしまっていたルカリオのミスであろう…。

「ごめん、僕が道具戻ってきたときにちゃんと確認しておけば…。」
「そ…そんな、ルカリオのせいだけじゃないよ…!」

申し訳なさそうに謝るルカリオを、リザードが慌ててフォローする。
まじめな性格の彼のことだ、
こんなささいなミスでもかなり落ち込んでいるだろうということくらい、
付き合いの長さでなんとなく分かったからである。
…が、ルカリオはすぐにフルフルと首を振った。

「ううん、ちゃんと僕が責任は取ってくるから。
 二人はちょっとこのへんで休んでて!」
「へ…休んでてって……?」

急なルカリオの提案に、
きょとんと不思議そうな顔をしながらリザードが首をかしげている。
そんな彼の様子に相槌をうつように小さく笑みを浮かべると、
ルカリオは獣道からも外れた茂みの方を見ながら口を開く。

「『オレン』ぐらいだったらそんなに珍しくもない実だし、
 ひょっとしたらこの辺りにもまだ落ちてるかもしれないでしょ。
 だからちょっと道を外れて探してくるよ!」
「え、そんな、一人で!?」
「………。」

驚いた様子で声を上げるリザードに対し、
ライボルトは黙ったままで彼のことを見つめている。
その見据えるような表情に、
ルカリオは少し不安そうな顔になるが、すぐにニッと笑顔を見せた。

「大丈夫だよ、そんな奥の方には入らないし。
 何かアイテムを見つけたらすぐ戻ってくるから!」
「でも……。」
「心配しないでったら、それじゃあ後で!」
「あ……、ちょっと!」

タッと軽く地面を蹴ると、
ルカリオはひょいと茂みを飛び越え森の奥へと一人走っていく。

「…行っちゃった。」

後にはそんな彼の背中を見つめるライボルトと、
不安そうな表情で空を掴む様に手を差し出すリザードだけが残されていた。


「よ、ほっ…と!」

ひょいひょいと木の根をかき分けながら、
ルカリオはきのみが落ちていないかと森の中を駆け続けていた。

目的の『オレン』とまではいかなくても、
何か使えそうな道具は無いかと必死になっていた。
何度も辺りに目を凝らし、
見つからないのならとさらに森の奥の方へと足を踏み入れていく。

「やっぱり全部食べつくされちゃったのかな…。」

周りの実をつけていない木々を見ながら、ルカリオはぽつりと呟く。
さきほどライボルトと話していたように、
きのみの木は見つけられても、肝心の実の方が全く見つけられないのである。
あまり深入りしないと言っては来たものの、仲間たちと別れた場所よりも、
すでにずいぶん遠くの方に入り込んでしまっていた。

「それでも…、なんとかして見つけないと…!」

ぐいっと額の汗を拭きながら、
彼はそれでも何か落ちてはいないかと焦るような気持ちで探している。
こういった自然のダンジョンなら、
『ふしぎだま』とかでも落ちていそうなもんだが、
そういった役立つ品もまったくといっていいほど落ちてはいなかった。

「…ふしぎだまか。」

ルカリオは探しながらもつらつらと物思いにふけり始める。
彼ら三匹の部屋に置いて来てしまったが、
ふしぎだまといえば、彼もひとつだけふしぎだまを持っていた。

彼が今こうしてきのみを探す原因になった依頼、
その仕事での依頼品になっていたのが何個かのふしぎだまだった。
それらを取り返してくれという依頼だったのだが、
ちょっとした事情でその内のいくつかに手をつけてしまい、
結局のところその依頼は失敗してしまったのだ…。

「そう言えばあの時の依頼人…、結局どこに行っちゃったんだろう…?」

依頼は失敗し、当然報酬ももらえなかったものの、
彼らの手元には最後一個である依頼品のふしぎだまが残っていた。
それだけでも返そうと、
ギルドに頼んで依頼人と連絡を取ってもらおうとしたのだが、
なぜかその依頼人とはそれ以後連絡が取れなくなってしまったのである。
よっぽど彼らのことに腹を立てているのだろうか…?

その為、
ふしぎだまは未だに彼らの…正確にはルカリオの手元にあるのである。
一応預かっている品ということで、
部屋にある彼の荷物置き場に大切に保管してあるのだが…。

「『みんなを救える力』…って言われてもねぇ。」

あの時、あのベトベトンに襲われてしまった時。
下水道で出会い彼を助けてくれた青いポケモン…。

普通は使えない依頼品の道具を使えるようにしたり、
素人には見ただけでは分からないふしぎだまの力を見抜いたりと、
とても不思議なで奇妙な印象を持ったポケモンだった…。
その人から教えてもらったあの玉の力、
それが『みんなを救う力』らしいのだが…。

「……まさかね。」

確かにその人に教えてもらったもう一つのふしぎだまは、
彼と彼の仲間達を助けてはくれた。
だが未来を見通す力でもない限り、
玉の効力は分かってもそれが何の役に立つかは分からないのが普通である。
それに、あの時助けてもらったポケモンは伝説でも何でもない、
彼だって知っていた一般的な種族のポケm……。

「…ん……あれ?」

走りながらぼーっと考え事をしていた彼の視界の隅に、
一瞬紺色の小さな塊が映ったような気がした。
慌てて飛び退るように引き返し、
目元をごしごしとこすりながらもう一度辺りをくまなく確かめる。

「……あ…あったぁ!!」

ころんと転がる小さな紺色のきのみが三つ。
さわさわとたくさんの葉をつけた大きな大木のうろのなかに、
みずみずしい『オレン』の実が転がっていたのだった。
急いで彼は茂みをよけながら、根もとへと近づいていく。

「よかったぁー…、見つかって本当に良かったよ…!」

木の根もとへと歩いて行きながら、
ルカリオはほっと安堵するように胸をなでおろす。
うろは大体彼の背丈よりもちょっと小さいくらいの高さで、
中は意外と広くなっていそうである。
しゃがめば彼でもすっぽりと中に入れるのかもしれない。

「…でも、なんでこんなところにきのみが?」

ルカリオは周囲をきょろきょろと見渡しながら、不思議そうに漏らす。
きのみの木は辺りには見当たらず、
そうなるとこのオレンはどこから転がってきたのだろう…?

「……野生ポケモンが隠していったのかな?」

野生のポケモン達の中には、
他のポケモン達に自分の集めた食料を獲られないために、
森のあちこちの隠し場所に食料を隠しておく者もいるらしい。
このオレンも、そんな彼らの忘れ物なのかもしれない。
誰かが隠した物を持っていくのに気が引けるが、
置き去りになっているということは、
恐らく隠し場所を忘れて出ていってしまったのだろう…。

「あははは……、ごめんなさい。
 誰か分からないけど、友達のためにきのみをもらっていきます…!」

ぐっと彼は背をかがめると、
うろの側面を掴むようにして手を伸ばしオレンの実を掴もうと腕を伸ばす。
薄暗い穴の奥に体を突っ込み、
その手に小さなきのみをぎゅっと握りしめる……。

”ぬるぅ”
「…うぇっ!?」

ふと、手に奇妙な感触に包まれた。
何かきのみの表面が妙に湿っているような感触がするのである、
しかも普通の水の感触とは違いなんだか生温かい…。

ぞわっと毛が逆立つような気触悪い感触に、
思わずきのみから手を離すが、その手に付いた液体が糸を引き、
ルカリオは足先の指にぎゅうっと力を込める。
そういえばうろの中の薄暗い地面も、
なぜだかぬるぅっと湿っており物凄く気持ち悪かった。

「…うわっ、なんだこれ……!?」

気味悪そうに声を上げ、
一道路の中から出ようと彼は立ち上がろうとした…。

だが、その次の瞬間…!!

”グオンッ……バグンッ!!”
「え……うあぁぁぁ!?」

突如うろの入口が上下に挟まれるように閉じ、
ルカリオの上半身が落ちてきた天井によって前のめりに押し倒された。
”ぶにゅっ”とした何かが彼の腰のまわりを抑え込み、
温い粘液のような液体がとろんと彼の腰を伝って落ちていく…。

「な…なんだ、これ……うぐぅっ…!?」

ぽよんぽよんと弾む様に木の実が穴の中で跳ね、
まっ黒なうろの奥へと落ちて見えなくなっていく。
それと同時に”にゅるり”とした不気味な感触が、
腰からお腹へとゆっくり包み込んでいき、
ぶよぶよと軟らかい何かが彼の口を覆うように抑え込んでしまう。

「んぐっ……ううぅ…んむぅぅぅっ……!!?」

突然起こったことに反応が付いていけず、
ルカリオは戸惑いながらも苦しそうにもがいている。
上半身を腹の所で何かに押さえつけられ、
穴の外に出ている足をバタバタと地面に叩きつけるように振るが、
全く外れる様子は無く、
むしろ少しづつ穴の奥へと引きずり込まれているようである…。

”ぴちゃ…ぴちゃ”と濡れるような音でうろの床が彼の腹を這い、
口をふさいだぶにぶにした物も、
彼の顔に巻きつくように湿ったその表面に力を込めてきた。
そんな彼の顔に”むはぁ…”っと生温かい風がうろの奥から吹きつけ、
生臭い匂いが彼の鼻を刺激する…。

「う…! んぐぅ…むぅぅ!!」

自分の身に何が起こっているのかも彼には分からない。
ただ分かっているのは、
彼の体を何者かがこの穴の中に少しづつ引きずり込んでおり、
そして逃がす気は全くないということであろうか…。

「ん…んうぅ……んんぅぅ…ぅ……。」

真っ暗な口内の中でもがきつづけ、だんだん彼の視界が霞んできた…。
もともと走りつかれてスタミナが切れかけていたのだ、
今の彼に抵抗し続けるだけの力はほとんど残ってい無い…。
おまけに呼吸することさえ封じられているのだ、
振り上げていた足もヒクヒクと痙攣し始め、
だんだんと力なく垂れてくる…。

”じゅるぅ…じゅるるるる……!!”

そんな彼を引きこむように、
多量の唾液とともに彼の体がずるずると穴の奥へと引き込まれていく…。

木のうろの中にいるはずなのに、
彼を押さえつける壁はぶにぶにと不気味に柔らかく、
とろぉっとした液体が彼の体毛を汚していった。
ふさふさとした体毛がべっちょりと唾液に濡れ、
穴の外に出ていた足もすでに膝まで呑み込まれてしまう…。

(くそぉ……、もう…力が…入らないよ……!)

薄れていく意識の中で必死に抵抗しようと、
彼は両方の手でぶにぶにとした壁を押しひろげようとしていたが。
だがその壁も”ぐにゃぐにゃ”と伸びてしまい、
彼の体を食いとめるのには何の役にも立っていなかった…。

少しづつ呑まれていき、ぬるぬるとした唾液に沈んでいく中で、
彼は懸命にもがき続ける…。
だがそんな彼の決死の抵抗も空しく、
力尽きるようにずるすると穴の奥へと落ちて行く…。

(ふたりとも……にげ…て…。)

暗黒へと続く空間に向けて、仲間たちの安全を願ったのを最後に、
彼の意識はぷつりとそこで途絶えた…。


大きな木にある狭い木のうろ。
くにくにと口の中にいる奴を噛みしめ味わいながら、
のそりのそりと穴の中から何か生き物のような紫の塊が這いだしてきた。

呑み込みかけている奴の顔が喉の壁にあたって、
少しこそばゆく笑ってしまいそうになる…。
だが、そんな事をしている場合ではない。

のっそりとしながらその生き物は、
ルカリオの歩いてきた道の方をじぃっと見つめる。
口の中にいる奴が彼の居る場所までやって来て間もない為か、
歩いてきた道の草が足跡状にいくつも踏みしめられ、
だいたいの来た方向が分かるようになっていた…。

それを見て彼はにんまりと笑う。
さっきこいつは「友達のため」とか言っていた、
ということはこいつの来た方向には、
まだ「食べ物」が居る可能性があるということである。

獲物の少なくなったこの森で、
久しぶりに大物の獲物達を採ることができそうである…!
そんなことを考えながら、
彼はのそりのそりと大きなお腹を抱えながら移動し始めた…。

口にいる一匹目の「餌」の味をじっくりと堪能しながら…。
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記憶にある匂い
 
「ふぅ、ようやく着いたねぇ…!」

うっそうと木々の生い茂る森の入口に立ちながら、
ルカリオはぐ~っと背伸びをしながらぽつりと呟やく。
彼の後ろにリザードとライボルトも立っており、
体をほぐしたり手足をぷらぷらとさせている。

「鳥ポケモンに乗せてもらって一時間か…、
 徒歩で来るには流石に遠すぎるな。」
「来る途中に山を二つも越してたじゃん、歩くなんて論外だよ…。」

ライボルトが空を見上げながら言うのを、
ありえないとでもいうように首をふるふると振りながらリザードが答える。
彼の見上げる遠くの空には、
彼らを送ってくれた鳥ポケモン達が飛び去っていくのが見えた…。

ここは彼らの住んでいる街から遠く離れた森林だった。
彼らの街の近くにも大きな森はあるが、
旅人が通る街道が通っていたりとそれなりに整備はされていた。
だがこの森は文字通りほとんど人の手が入った様子は無く、
森へ続く道も整備されたというより獣道に近かった…。

どうして彼らがこんな未開の地に来ているのか、
それは当然受けた依頼のためである。
リザードの持ってきた依頼書に描かれていたのがこの地だったのだが、
まあとにかく遠いこと遠いこと…。
町の運び屋である鳥ポケモン達に頼まなければ、
今日中にこの森にやってくることはまず不可能だったに違いない…。

「たく、どうしてわざわざこんな遠いところの依頼受けるんだよ…。」
「し…仕方ないじゃん、依頼書に書いてあったんだから!」
「もっと近くの依頼だってだくさんあったはずだろう?
 なんでこの仕事もらってきたんだよ…。」
「むぐっ、そ…それはその…。」

明らかに不満そうに漏らしているライボルトに対し、
リザードは言いにくそうにぽりぽりと頬をかいている。

まあ、それは仕方のないことだろう。
まさか、依頼を先に全て取られてしまったので、
たまたまもらった依頼を引き受けてきたなんて口が裂けても言えない…。
リザードの尻尾がふりふりとせわしなく揺れているのを見て、
ルカリオはなだめるような口調でライボルトに話しかける。

「まあまあ、いまさら言っても仕方ないでしょ。
 遠くたって困っている人がいたら誰かが助けてあげないといけないんだし♪」
「はぁ、まあ分かってはいるけどな…。」
「それよりも、もう一度依頼書を確認してみようよ。
 出るときバタバタしててゆっくり見てなかったし…!」
「う…うん! ちょっと待ってて…。」

ぶつぶつと文句を言っているライボルトを落ちつかせると、
ルカリオはリザードに依頼書を確認するように促す。
彼なりに場の雰囲気をやわらげようとしてみたのだが、
とりあえずうまくいったようだった。

「はいこれ、今日受けてきた依頼書だよ!」

リザードは探険バックから丸めた紙を取り出すと、
ルカリオはそれを大きく広げて地面に広げる。
紙が丸まらないように四方に重し代わりの小石を置くと、
指を沿わせながら依頼書の内容を確認し始めた。

「え~っと、内容は退治系の依頼だったよね…。 ……あれ?」

依頼の内容を読んでいくルカリオだったが、ふいに不思議そうに首を傾ける。
そこにはこんな風な内容で書かれていた…。



『依頼:森に出た怪物の調査と退治』
『最近村の近くの森の中に気味の悪い怪物が出てくるって話を聞いて調査に来た。
 今のところその村に被害は出ていないが、
 その森や、近くの街道を通った旅人達が行方不明になったって噂もある。
 だから、その怪物の調査ともしものときは退治を依頼したい。』



依頼の文面としてはそうおかしなものではないだろう。
依頼人はどうも各地のダンジョンの調査をしていた探険隊らしいし、
正体不明の怪物の調査というのも、
探険隊に回ってくる仕事といえばおかしくないのだが…。

「どうかしたのか? ふに落ちないという顔をしているが…?」
「…うん、あのさ…ここのところを見てみてよ。」
「え、なになに…?」

いぶかしげに聞いてくるライボルトの声に、
ルカリオは依頼書の隅っこを指さす。
そこには依頼を出した日付が書かれているのだが……。

「…え、一ヶ月前…!?」

そこに書かれていた日付にリザードが素っ頓狂な声を上げる。
それはそうだろう、
デリバードは確か2・3日前に配られたの依頼と言っていたはずである…。
それがこんなにも日にちの経った依頼なんて…。

「どういうことだろう…?
 依頼が取り消されていないってことは、
 まだこの人この森で調査してるのかな…?」

ルカリオは眼前に広がる森の方を見つめて口を開く。
彼の言うとおり、この依頼を受けることができたということは、
まだ誰もこの依頼を達成していないか、
この依頼人が自分の出した依頼を取り消していないということである。
でも一ヶ月も怪物を探し続けているなんてありえるのだろうか…。

「まあいいか、 報酬はギルドに預けてあるって書いてあるから、
 一応ちゃんと受け取れるみたいだし…。
 最悪調査だけして帰っても問題はなさそうだしね。」
「そ…そうかな…。 なんか僕怖くなってきちゃったんだけど…。」

膝に付いた草をはらいながらルカリオは立ち上がる。
いわくはありそうだが問題は無いだろうと判断したようだが、
横にいるリザードは若干震えた声で彼のことを見ている。
…しかも口の端がぴくぴくと引きつったように笑っていた。

「何言ってるの、君が受けてきた依頼でしょうが。
 ほら、もっとシャキッとしてってば♪」
「う~、ちゃんと中見てから持ってくればよかった……。」

ぽんぽんとリザードの背中を元気づけるように叩くルカリオに対し、
明らかに後悔しているように落ち込んでいる。
とはいえ、今更引き返すわけにもいかないだろう…。
さきほども言ったが、ここはすでに町から遠く離れた場所であり、
おまけに迎えが来るのは夕方頃なのである。
まだ日が高く昇っている今、時間はたっぷりとあった。

「はぁ~……。」
「よし、じゃあとりあえず森の中に入ってみようか。
 怪物がどんなのか分からないけど、まずは調査してみなきゃね…!」

しゅるっと依頼書を丸めて探険バッグの中に入れながら、
ルカリオは森の中へとてくてくと歩きだしていった。
元気そうに歩いていくルカリオの後ろを軽くため息をつきながら、
リザードもとぼとぼと後を追うように歩きだす……。

「……ん?」

少し歩いたところでふとリザードはひょいっと後ろを振り返る。
依頼書を広げていたところにライボルトが目元を細め、
どこか落ちつかない様子で辺りをじっと見回していた。

「…どうしたの、ライボルト?」

リザードは不思議そうにライボルトに声をかける。
いつもなら率先して二匹の先を歩いてく彼が、
あんな風に辺りを見回しているなんて珍しいことだったのである。
だが、まるで彼の声も耳に届いていない様子で、
じぃっと森や空を見つめている…。

「ライボルト?」

そろそろとリザードは道を引き返し、ライボルトの横まで戻ってくる。
だが彼が戻ってきているのにも気づいていないように、
何かを小声でぶつぶつと呟いている。

「なんでだ……この森に来たのは今日が初めてのはずなのに……。」
「おーい、ライボルト~?」
「見たことある…というより…ここを知っているような……。」
「ねぇ! ライボルトったら!!」
「うおっ!?」

思い切ってリザードは顔をライボルトの耳元に近づけると、
はっきりと大きな声で彼の名前を読んでみる。
流石にその声に気がついたのか、
ライボルトは驚いた様子で声を上げた。

「な…なんだよ、いきなり大声だしやがって!」
「なんだよじゃないよ、さっきからぶつぶつと何言ってるのさ!
 何度読んでも返事しないんだもん。」
「だからって、いきなり耳元で大声出すんじゃねえ!」
「イタァッ!! う~、はたかなくてもいいのに…。」

ペシンと小気味のいい音を立ててリザードの頭をはたきながら、
ライボルトはふぅっと息を吐く。

「何でもねえよ、ただちょっと辺りの景色を見ていただけだ。」
「そ…そうなの…?」
「そうだよ、ほら俺にかまわず歩いた歩いた!
 見ろよ、ルカリオがあんなに離れちまってるじゃねえか…。」
「あ、ホントだ…! …ってそれはライボルトのせいでもあるんだかんね!
 とにかく早く着いて来てよ!」
「…ああ、分かってるよ。」

かなり離れたところで、
様子を窺うようにこちらを見ているルカリオに気がつくと、
リザードは足早にその後を追いかけて走って行った。
後にはライボルトが静かに残されているだけ…。

「……気のせいにきまってるよな。」

彼はそう呟くと静かに空気の匂いを嗅ぐ。
知らないはずなのに…、どこか懐かしいその匂いを軽く吸い込みながら、
彼は仲間達の後を追いかけるべく森の中へと駆けていった…。
誰も知らない依頼
 
一方…、
ルカリオに頼まれて部屋を出たリザードは、
寮から出て10分ぐらいの所にある依頼掲示板の所へと急いでいた。



彼らの住んでいる街は四方を大きな壁に囲まれている、
多くの旅人が出入りし、また物の流通にも適している土地なため、
盗賊などの襲撃に備えるためにそういう作りになっているらしい。

もちろん町の中にもさまざまな施設やお店がある。
街の中を十字に通る大通りには多くの店が立ち並び、
探険隊である彼らにも色々と便利なお店が集中している。
街の守りや警備なんかは、
探険隊・救助隊のギルドメンバーが有志で行っているため、
町の中の治安も比較的良いところであり、
おまけにこの地域一帯は気候が安定しており、
作物も平均的に作ることができるため食料も豊富なのである。
 
ただ、それだけ便利な施設や条件が集まっている土地なだけに、
この街には非情に多くの住民達が生活している。
そこに外から来た旅人達や冒険者達も加わるのだから、
もはや賑わうというより毎日が大混雑なのである。

…まあ、旅人まで加わる混雑なんて、
リザード達のような冒険家業向けの店や施設ぐらいだが……。


とにかくリザードは人ごみに揉まれながらも、
なんとか依頼の貼ってある掲示板までたどり着いたのである。
ところが……。


「な…無い……。」

愕然とした表情でリザードは掲示板を見つめていた。
それはそうだろう、
掲示板にはすでに依頼の紙がほとんど無かったのである。
基本的にこうして張り出されている依頼の受け取りは、
全て早い者勝ちとなっている。
もちろん受けておいてできませんでしたでは問題外なのだが、
やり遂げられる自信さえあれば誰でも受けることができるのである。

「え~っと……、残ってるので受けられそうなのは……!」

掲示板には簡単な依頼から難しい依頼までいろいろと貼られているが、
肝心のリザード達の探険隊と同じシルバーランクまでの依頼が、
もうほとんど貼られていないのである…。

「……あ、これなんかいいかも…!」

リザードが必死に残っている依頼の紙に目を通していくと、
一枚だけ彼らのランクでも受けられる「退治」関係の依頼が貼られていた。
手配書のようになっているその紙には、
凶悪そうな笑みを浮かべた緑色のポケモンの姿がでかでか描かれている…。
リザードは早速その依頼を受けようと、ぐっとその手配書に手を伸ばした。

”がっ!!”
「うわっ!?」
「へへへ、依頼頂き~♪」

リザードの手を伸ばしていた依頼の紙が、
突然横から飛び出してきた灰色の何かにかすめ取られる。
リザードが驚いて飛び降りたそいつの方に振り向くと、
小さな子供くらいのポチエナと呼ばれるポケモンが、
彼の取ろうとしていた依頼用紙を得意げに口にくわえていた。

「ちょ…ちょっとぉ!
 いきなり飛び出してくるなんて危ないじゃんか!
 それに、その依頼は今僕が受けようとしてたんだよ!」
「へん、トロトロしてる方がいけないんだろ!
 それに依頼を受けるのは早い者勝ちだって、姉御が行ってたもんね!」

べーっと小さな舌べろを突き出して、
なまいきそうな口調でポチエナは依頼書をひらひらとさせている。
むーっと頬を膨らせるリザードだったが、
ふいにポチエナの後ろに誰かが立ち、その頭をペシッとはたく。

「いてっ!」
「こら、早い者勝ちっての奪い取れって意味じゃないの。
 横から盗ってったら盗賊となんら変わりないんだよ。」

痛そうに頭を押さえているポチエナをたしなめながら、
猫のようなメスのポケモンがリザードの方に向き直る。
大人びていながらもどこか突き刺すようなその視線に、
リザードは思わず唾を飲み込み喉を鳴らした…。

「悪いね、こいつは前まで兄弟と二匹街の外で暮らしてたもんでね。
 少々世間知らずなところがあるのさ、許してやってよ。」
「あ、ううん。 分かってくれたんなら別にいいよ…!」
「そう、ならよかったよ。」

ふぅっと軽く安心したように息を吐き、
腰に手を当てながらその猫の姿のポケモンが手を差し出す。

「自己紹介が遅れたね、あたしはニューラ。
 こいつともう一匹と一緒に探険隊をしてるんだ。」
「あ…、僕はリザード。
 僕も一応探険隊なんだ、よろしくね♪」

内心ほっと安堵しながらリザードは手を差し出す軽く握手をする、
ちょっと怖そうなポケモンに見えたが、
話してみれば大人びた普通のポケモンのようである。
だが握手を交わしながら見たニューラの目が、
どこか怪しい感じに光っているような…。
そんな風に思っているリザードにニューラはおもむろに口を開いた。

「へぇ、あんたも探険隊なのかい…。
 でもその様子だとまだまだ駆け出しってとこかしらね?」

小さく笑みを浮かべながら言うニューラに対し、
リザードは軽くむっとした表情になる。

「な…、なんでそんなこと言うのさ…!」
「ふふ、まあしいて言うなら警戒心の無さってとこだよ。
 あと、そうやってムキになってるとこもね…♪」
「け…警戒心…?」

良く分からない彼女の言葉に首をかしげるリザードに、
ニューラはくいっと肘を曲げて自分の背中を指さす。
指さしたはるか後方の方にさきほどのポチエナが走り去るのが見えた、
その口にしっかりと依頼書をくわえて…。

「あ…ちょっと! 依頼書!!」

慌てて追いかけようとしたリザードだったが時すでに遅く、
ポチエナはあっという間に街角を曲がり消えていってしまった。
見失った今から追いかけても、この広い街で見つけるのは困難だろう…。

「あ…あ~あ……。」
「まあこういうことさ♪ 探険隊たるもの、
 一度狙った「お宝」からすぐに目を離してるようじゃまだまださ…♪」

楽しそうな口調で言うニューラに、
リザードは恨みがましそうな目で見つめる。

「だからって…、これは酷いよ~…。」
「まあ、泥棒に近いものになっちゃって申し訳なく思ってるけどね。
 でも依頼の受理は早い者勝ちっていうルールだろ、
 それに関してはルールは破ってないからね。」

そう言うとニューラは軽く膝を折り曲げ、
ぴょーんとジャンプし2階建はありそうなギルドの屋根に着地する。
腰に手を当ててリザードを上から見下ろしながら、
ニューラはバイバイといわんばかりに軽く手を振っている。

「それじゃあね、駆け出し探険隊君。 縁があったらまた会おう…ってね♪」

楽しそうにそれだけ言うと、
ニューラは身をひるがえして屋根から屋根へと飛び移り去ってしまった。
後に残されたのは、呆けたように立ちつくしたリザードだけだった…。

「………はぁ~、これでもシルバーランク何だけどなぁ…。」

重いため息を吐きながら掲示板をもう一度眺めるが、
どんなに眺めても彼らのレベルにあった依頼はもう一つも残っていない…。
リザードはがっくりと肩を落とすと、掲示板の広場を後にした…。


とぼとぼと通りを歩いているリザードだったが、
正直なところ仲間達の所へ帰りづらい…。
一体どんな顔をして戻ったらいいのだろうか…。

「はぁ~…、どうしよう…。」
「ん、そこにいるのはリザード君かい?
 どうしたんだい、そんなしょんぼりとした顔をして?」

ふいに自分を呼ぶ声が聞こえ、リザードは顔を上げる。
見ると彼が仲間達とよく行く酒場の入口で、
店主のデリバードが看板を掃除しながらこちらを見ていた。

「あ、マスター…。 こんにちは~…。」
「どうしたの? なんかすごく元気がなさそうだけど…?」
「あぁ…いや、そんなことないですよ~…。」

心配しているようなデリバードに何でもないと手を振るが、
見るからに元気がない…。

「やっぱり元気なさそうだね…。
 そうだ、ちょっとお店に寄っていきなよ。」
「え?」
「元気ない時は甘いものが一番!
 クッキーでも出してあげるからどうぞどうぞ♪」
「え、あの、ちょっとぉ…!」

そう言われるままデリバードに背中を押され、
半ば強引にリザードはお店の中に入った。
 
酒場といっても、
昼間は喫茶店、夜が木の実酒などを出すお店となっていて、
まだ開店したばかりのこの時間では彼以外のお客は誰もいないようだった。

「あら、いらっしゃいリザード君。
 どうしたの? こんな時間に一人なんてめずらしいわね♪」

デリバードに促されるままにカウンターに座らせられると、
奥の厨房からひょいっとエプロン姿のライチュウが姿を見せる。
このお店の料理を作るコックであり、デリバードの奥さんである。
リザードは恥ずかしそうにぽりぽりと頭をかく。

「えへへ、デリバードさんに誘われちゃって…♪」
「うん、リザード君がちょっと元気なさそうにしてたからね。
 クッキーでもご馳走してあげようと思ったんだよ♪」
「へぇ、そうなの? 分かった、ちょっとまっててね♪」

ライチュウは再びひょいっと厨房の方に引っ込むと、
手早くクッキーの乗ったお皿とカップを持って現れた。
リザードの前にお皿とコップを置くと、
お店の支度があるのか「ごめんね」といってまた厨房に戻って行った。
とりあえずせっかく出してもらったので、
クッキーをひとつつまみ食べてみる。
うん、すごくサクサクしていて美味しい。

「そういえば元気なさそうにしてたけど、一体どうしたの?」

ふいにデリバードがカウンターの奥から首をかしげながら話しかけてくる。
デリバードの方はお酒関連のお仕事が専門らしいので、
この時間だとやることが少なく暇そうにしていた。
リザードは”んぐっ”と口の中のクッキーを飲み込むと、
デリバードの方を向いて口を開く。


「あ。はい。 実は……。」

リザードは少し気落ちしながらデリバードにさきほどのやり取りを話す、
ふむふむと時折頷きながら彼は静かに話を聞いてくれている。

「なるほどね、要するに依頼を取り逃しちゃったんだ。」
「はい、そうなんです…。」

ある程度話し終わると、デリバードが口を開いた。
こうして話をすると少し落ち着いてきたのか、
リザードの方もだんだん気が楽になってきたような気がした。

「はぁ、どうしようかなぁ…。
 絶対ライボルトとかに怒られるだろうなぁ…。」

ため息を吐きながらリザードは仲間達の呆れた顔を思い浮かべる…。
ルカリオはまだ分かってくれるだろうが、
もう一人の仲間の方には絶対小言のように文句を言われてしまうだろう…。
そう考えると、とても憂鬱な気分になってきた。

「依頼ねぇ…、
 そういえばそんな感じの紙が配られてきたような…。」
「…へ、依頼書?」

ごそごそとカウンターの中を探し始めるデリバードに、
リザードの方も身を乗り出すように中を覗いている。

「あ、あったよ、これこれ!」

ぴょんっと飛びあがるようにして起き上がるその手には、
確かに依頼書のような紙が握られている。
デリバードは依頼書を軽くはたくと、はいっとリザードに差し出す。

「2、3日ぐらい前に配られたものだよ、
 まだギルドの掲示板の方には貼られていないんじゃないかな?」
「へ…? 依頼書になってるのに掲示板に貼られてないの?」
「うん、まだ情報が未確認の依頼らしくてね。
 依頼を出した人とも連絡が取れないらしくって、
 ギルドの方も困っているらしいんだ。」
「へぇ~…。」

リザードはその話を聞きながら依頼書の方を見る。
どうもどこかの森で現れたポケモンを、
退治してくれというような依頼のようなのだが、
慌てて書いた依頼書なのか文字が震えていてよく読めなかった。

「まぁ、僕のお店に置いておいても仕方ないし、
 よかったらやってみたら? 報酬はちゃんと出るらしいし♪」
「うん、どうもありがとう♪
 とりあえずこの依頼をみんなの所に持ってってみるよ!」

リザードは依頼書をぎゅっと握りしめると、
嬉しそうにデリバードにお礼を言った。
どうやらこれで小言を言われることは無くなったようで、
内心ほっとしたようである。

彼はデリバードに手を振りながらお店を後にすると、
仲間達の待つ寮へと足早に帰って行った。
自分が呑まれる夢
 
「はぁっ……はぁっ……!」
走る……走る……、
暗くどこまでも続いている道をひたすらに走る…。
喉の奥がじんじんと熱を持ち、
焼けるような痛みに息をするのも辛い…。
体がもう限界だということを嫌というほど伝えてくるのが分かる。
 
だが止まるわけにはいかない…、いや、止まってはいけない…。
こみあげてくるような恐怖を飲み込みながら、
俺はただひたすら地面を蹴り道なき道を走ってゆく…。

「はぁっ……はっ…ぐぁっ!?」
 
不意に足が木の根のような何かに引っ掛かるようにつまづいた。
僅かな時間を舞ったかのような感覚に包まれ、
彼の体が地面にたたきつけられた…。

「がっ…がはぁっ……!! があ……あぐぅぅっ……!」

全身を貫くような痛みが体中に走り、
喉の奥から声にならない苦悶を吐きだしながら地面を転がった。
 
「がふっ…、げほっげっほっ……!!」

肺の中の空気を全て吐き出すかのようにせき込み、
むせかえるような酸っぱい液体をごほごほと吐き出す。
走り続けていた彼のの体は…もうとっくに限界を超えていたのだろう…、
うつ伏せに突っ伏して倒れ伏した。

「げほっ…、く…ぐぅっ……。」

朦朧とする意識の中うっすらと目を開くと、
微かに見えるどこか人里離れた森の中のようにも見える…。
だがその様子はまるで墨で塗りつぶされたかのように真っ暗で、
一体どこの森なのかは見当もつかない…。

むしろ……、
自分がなぜこの森にいるのかさえ分からない…。

俺はどうしてこの森を走っていたんだ…?
体を極限まで酷使し、足の痙攣が収まらなくなるほど走り続け、
俺は一体なぜこうまでして走っているんだ…?

”ずるっ……ずるっ……ずっ……ずっ……”

ゆっくり……だがまるで何かを引きずるような音を響かせ、
倒れ伏した彼に何か大きな塊が近づいてくる…。
その姿も周囲の景色と同じようにまっ黒に塗りつぶされ、
まるで不定形の靄が意思を持っているかのようだった。

「………!」

だがなぜだろう、
その塊が何だかも分からないのに、
なぜかその塊に対して異様な恐怖感を覚える…。

必死に離れようと前足に力を込めるのだが、
ぱんぱんに筋が張って痙攣した足は、
ただ弱々しく地面を押すだけでぴくりとも動かない…。

「ぐぅっ……うぅぅっ……!」

唸り声似た声が喉の奥から漏れるが、
どんなに唸ったところで体が動いてくれなければ意味無い…。
まるで石のように体が硬直し、
知らず知らずのうちに歯の奥がカチカチと鳴りだした…。

”ずるっ……ずるぅっ……”

そのぐにゃぐにゃと蠢く大きな黒い塊が、
ずんぐりとした腹を見せつけるようにし彼の目の前で止まった。
 
”………。”
黒い塊はまるで彼を見下ろすかのようにじっと佇んだかと思うと、
逃げる力さえ残っていない彼の体を大きな塊が何も言わずに腕を伸ばし、
抱きかかえるように持ち上げてゆく…。

「う……うぅ…。」

彼の体は力なくぐったりと持ち上げられ、
四肢はだらりと落ちて、疲れ切った体が塊にもたれかかる…。
もう逃げる力も……抵抗する力も残っていなかった…。

薄れてゆく意識の中、彼を抱きかかえた塊が”ぐぉんっ”と大きく口を開く。
その奥にはだらりだらりと垂れるねっとりとした唾液と、
ぬらぬらくねくねと口内で蠢く太い舌が、
彼をいまかいまかと待ち構えるようゆらめいていた…。

この塊が今から何をしようとしているのか、
そんなこと考えるまでも無かった…。

「うぁ……。」
 
弱々しく垂れる彼のの頭が緩慢な動きで口元に引き寄せられ、
どろっと彼の顔にその口から垂れてくる唾液がかかる。
生臭く濃い臭気の放つその液体の感触は、
ぬるぬるとしていて、体中に怖気が走った。

”バクゥッ…!! じゅるじゅるじゅる……じゅるじゅるじゅる……”

そしてとうとう大きく開いた穴が包み込むように頭からかぶさると、
”ぐにゅり”っとした軟らかい感触に包みこまれる。
なめまかしい肉の感触が吸いつくように体を覆い、
彼の体はずるずると音を立てながら喉の奥へと引き込まれる…。

彼の体がすっぽりと口内に収まると、
その塊は口に彼を含んだまま鎌首を持ち上げていき…。

”ゴックンッ!!”
「うぁ……うぁぁあぁ……。」

暗い森の中に彼の呻くような悲鳴が響き渡り、
そのの声も彼が飲み込まれていくにつれ聞こえなくなっていった。
静かにただゆっくりと一匹の生き物が塊の喉を嚥下していく…。

「………。」

飲み込まれていく彼の眼にはもう何も映らなかった、
ただただ真っ暗な喉の中をずりゅずりゅと音を立てて落ちていく…。
やがて涙と唾液に濡れた彼の目からすぅっと光が消えていき、
そして……そして………。


「うわぁぁぁぁぁあっぁあ!!」
 
絶叫にも近い大きな声を部屋中に響かせ、
がばっと飛び跳ねるように彼は状態を起こした。

自分でも信じられないぐらい大声を出したらしく、
軽く部屋の中に自分の声が反響している…。
その声に近くにいた人物がぎょっと驚いたように反応し、
短い尻尾と耳がぴーんと伸びていた。
 
「うわ、何どうしたの!?」
 
はぁはぁと荒く呼吸をする彼の耳に、驚いたような声がかけられる。
呼吸を荒げたまま声のする方を振り向くと、
彼の仲間のポケモンが、驚いたような表情で彼の方を見つめていた。
 
「…大丈夫? なにか変な夢でも見たの…?」
 
心配するような仲間の声に少しずつ落ち着きを取り戻してきたのか、
彼はゆっくりと首を回して部屋の中を見回す。
 
それなりの広さのある部屋の中に、
どこかの地図やいくつかの紙の束が床の上に無造作に置かれている。
部屋の隅にある小さな本棚にはぎゅうぎゅうに本が詰め込まれ、
道具や探険セットを入れておく簡単な箱がその横に設置してある。
そうした荷物や資料をまとめておいておくスペースとは反対側に、
簡素なハンモックがふたつゆらゆらと揺れていて、
それに挟まれる形に彼の葉で作られたた寝床があった。
屋根の形のせいで斜めになっている天井には、
みっつの小さな窓がはめ込まれて開いており、
そこから気持ちのいい太陽の光が部屋中に降り注いでいた。
 
なんてことはない…。
彼らが探険隊ギルドから借りている、
探険隊メンバーのみに与えられている寮の一室だった…。
 
「……、夢だったか…。」
 
外の光を見上げながら、彼はぽつりと呟く。
体中が寝汗でじっとりと濡れて気持ち悪く、頭もずきずきと痛んでいるが、
そこには見たことも無い森も、不気味な塊も居なかった。
 
どうやら相当ひどい悪夢を見ていたようである。
 
「もう『夢だったか…』、じゃないでしょライボルト!
 びっくりしたぁ…。」
 
憤慨したように講義する声に、
ライボルトと呼ばれたポケモンはくるっと首を回す。
 
部屋の真ん中に置かれた丸い一本足の木の机と椅子があり、
その椅子の上には両方の腕を前で組みながら、
声の主であるルカリオが座っていた。
何かの本でも読んでいたのか、
分厚い表紙の本が机の上に開いたまま置かれていて、
開いた窓から入ってくる風でパラパラとページがめくれていっている。
 
「ああ、悪い…。ちょっと気分の悪い夢を見てな……。」
「夢…? それって悪夢ってやつ?
 珍しいね、ライボルトが悲鳴を上げるような夢を見るなんて。」
 
とりあえず異常は無いことが分かって安心したのか、
くすっと小さく笑いながら、
ルカリオがからかうような調子でライボルトに声をかける。
 
彼なりに気を使って気を紛らわせようとしているのか…、
それとも単に小馬鹿にしているのかは分からないが、
その声の調子にライボルトはふんと不満げに鼻を鳴らす。
 
「悪かったな、子供みたいな悲鳴なんて上げて…。」
「まあまあ、怒らないでよ。
 リザードには黙っておいてあげるからさ…♪」
 
ふとそう言われて、もう一人の仲間がいないことに気がつく。
 
彼らは三人一組の探険隊と呼ばれるチーム。
自分とルカリオ、そして後もう一匹リザードというポケモン達とともに、
町周囲の問題ごとを解決したり、
時にはどこかの森や洞窟にもぐって依頼された品を探してくるなど、
こう見えてそれなりに活躍をしているのだった。
 
部屋の中にルカリオは居るようだが、
もう一匹のリザードの姿はどこにも見当たらなかった…。
 
「そういえば、あいつはどこにいったんだ…?」
「町の掲示板に依頼を取りに行ってるよ、
 さっき出て行ったばっかりだから、まだ帰ってこないんじゃないかな?」
 
くいっと手に握った小さなカップを口元に傾け、
何かを飲みながらルカリオが答える。
 
彼らの住むこの町には探険隊と救助隊のそれぞれのギルドがある。
両方のギルドはそれぞれ別々に、
町の端の方に建物を分けて作られているのだ。
その為ここいら一帯で発生した依頼なんかは、
その建物同士の間、町の城壁沿いに設置された掲示板に貼られており、
朝の更新をめどに各メンバーが自分たちで受理しに行くのである。
 
どうやらリザードは、
その依頼を取ってくるために出かけているらしかった。
 
こくこくと美味しそうに飲むルカリオの光景を見ていると、
ライボルトの方も何だか無性に喉が渇いてきた…。
 
「何飲んでるんだ?」
「ん、これ? ブリ―の実のジュースだけど。」
「俺にもくれ。」
「いいよ、ちょっと待ってて。」
 
そう言うとルカリオはひょいっと椅子から飛び降り、
部屋のドアのそばにある小さな流しの台からひょいっと丸い深皿と、
紫色の液体の入った大きな水差しを取り出した。
 
「…おい。」
「ん、なに?」
「人を犬扱いするなっていつも言ってるだろ、コップにしろコップ!」
「え~、コップ~…。」
 
明らかに嫌そうな顔をしているが、
それでもじろっとルカリオの方を睨み続けると、
しぶしぶとお皿とコップを入れ替えトクトクと水差しの中身を注いでいく…。
 
「…はい、どうぞ。 ……なるべく零さないでね。」
「ん、サンキュー。」
 
寝床の草の上にひょいっとコップを置いてもらい、おもむろに口をつける。
ひんやりと冷たい液体が喉の奥に染みわたるように潤おしていき、
ちょっと渋みのあるもののさわやかな甘味がとても心地いい。
 
始めはちびちびと飲んでいた彼だったが、
コップの縁をくわえると、中身をあおるようにジュースを飲みほした。
当然びしゃびしゃと寝床や床の上にジュースが零れ落ちていき、
ルカリオが顔をしかめているが、
喉も渇いていたのでとりあえず無視をする。
ほとんど一気にコップの中身を飲みきると、ぐいっと前足で口元をぬぐった。
 
「ふぅ、なかなか美味いな…! またあいつの手作り品か、これ?」
「そうだよ、リザードが作ったやつ。
 今回のは成功したみたいだね、前に作ってくれたのは酷かったけど…♪」
 
あははっと小さく笑い声をあげるルカリオだったが、
なぜだか若干苦味のある笑みだった。
ライボルトの方も以前リザードが作ったジュースの味を思い出したのか、
うえっというような苦い顔になる。
 
「ああ、ウブの実で作ったあれか。
 酸っぱすぎて飲めたもんじゃ無かったよな。」
「君も作った本人も吐き出してて床を酷く汚しててさ、
 あの時も片付けたのは僕だったよね。 僕一口も呑んでないのに…。」
「う…、そうだったか?」
「はぁ、まあいいけどね。 
 ライボルトの足じゃコップとかは片付けられないんだし。
 …でも、次からはせめて床ぐらい拭いといてね?」
「あ…ああ、分かった。」
 
若干鬼気迫るように睨みなつけがら言うルカリオの言葉に、
ライボルトは冷や汗を流しながらこくりと頷く。
 
その言葉を聞いてルカリオはうんうんと首を動かすと、
よいしょっと飲み終わったライボルトのコップを掴み、
流し台の方へと片付けに歩いていった。
 
その様子を横目で見ながら、
ライボルトはぼんやりとさきほどの夢の内容を思い出す…。
 
「本当に…気持ち悪い夢だったな…。」
 
普通夢なんてものは、起きたらほとんど忘れてしまうはずだが、
あの夢はなぜか生々しく思い返すことができた。
 
自分が何か別の生き物に包まれていく感触と、
それと同時に体中にぬるぬると張り付くような液体の感触…。
実際に体験してきたかと思うぐらい、
本当にリアルな夢だった…、まるで……。
 
”ぼふっ!”

「ぶふっ!?」
 
そう考えていたライボルトの顔に、軽く湿った布が飛んでくる。
急に現実に引き戻されて、目を瞬かせていると…。
 
「おーい、考え事してるとこ悪いんだけど。
 さっきの言葉通り、床に沁み込んじゃう前に早く拭いといてね!」
「………はいよ。」
 
ルカリオの急かすような言葉に、重たく長いため息を吐きながら、
ライボルトは天井の窓を見上げる。
 
「夢は…夢だもんな…。」
 
差し込んでくる日差しがきらきらと眩しい光が、
夢の後味の悪さを消してくれることを願いながら、
彼はしばらくその光を見つめ続けていた…。
まんぷくまんぷく!(シーハーシーハー
 
なんか知らんけど、限界近くまで獲物食らい込んだバン兄貴。
内容量から行って、ダース君だけじゃないね、何を食ったんだこの人は…。


お腹いっぱいな状態っていいですよね、
あのとろんと眠気があるような状態がホントに心地いい…。

とか言ってるうちに寝付き、3時間は惰眠をむさぼり食う管理人です。

食後にすぐ横になるのは消化に悪いから、やめた方がいいって分かっているのにね!
だって眠いんだもの、春の陽気でとっても眠いんだもの。(今年まだそんなに陽気ねえだろ

私が巨大生物の胃袋に落ち込んだら、
あの暖かさにうとうと→もう疲れたよパトラッシュ→寝る→溶ける→へい、スライム一丁あがり!
の流れを確実に辿る自信があります。

寝る子は育つっていいますが、胃袋で寝ると栄養となって捕食者が育つんですって。
生命って尊いね、ふっしぎー。(不思議じゃねえよ



あと、リクエスト企画についてのご意見ありがとうございました♪
あんなにたくさんのご意見いただけるとは思っていませんでした。

とりあえず意見を参考にさせて頂いた結果、
「10万ヒットごと、人数制限は無し」の方向で企画は行っていこうかなと思います。
まあ10万ごとになった以外は、他に変更点はないというような感じですかね。

とりあえずこれだけ大々的に意見を聞いたからには、
次企画をやったら早く完遂させられるよう頑張らないとですね。
(・ω・)
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HN:
森クマ
性別:
男性
自己紹介:
展示するのも恥ずかしい物しか置いていませんが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
(・ω・)

諸注意:
初めてきてくれた方は、
カテゴリーの『はじめに』からの
『注意書き』の説明を見ていないと
色々と後悔する可能性大です。
(・ω・´)

イラスト・小説のリクエストは
平時は受け付けておりません。
リクエスト企画など立ち上げる際は、
記事にてアナウンスいたしますので、
平時のリクエストはご遠慮くださいませ!
(・ω・`)

『Sorry. This site is Japanese only』
★ 絵チャット

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『絵チャット入口!(・ω・)』


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更新日 2014年  1月17日
  少ないけどとりあえず新規イラストに変更
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