当サイトは『主に二次元のキャラによる捕食行為』に関する創作物を扱っております、無断転載・配布・加工はご遠慮ください。 また当サイトは版権元とは一切関係ありません、版権元への問い合わせ等もできればご遠慮ください。 リンクはフリーですのでご自由にどうぞ! 『Sorry. This site is Japanese only』
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洞窟の奥から吹いてくる冷たい風を顔に感じながら、
ワルビルは洞窟の床にあぐらをかいて座りこんでいた。
表情はぶすっと不機嫌そうに口を結び、
なぜか赤く腫れた頬を痛そうにさすっている…。
ワルビルは洞窟の床にあぐらをかいて座りこんでいた。
表情はぶすっと不機嫌そうに口を結び、
なぜか赤く腫れた頬を痛そうにさすっている…。
その隣にはリングマがぼーっとした様子で座り込み、
足元に小さな携帯用の松明を石で固定して立たせ、
たいまつの先端でオレンジ色の炎を揺らめかせて周囲の岩肌を照らしていた。
一見すると探索中の休憩に見える光景だったが、
二匹の表情はどこか暗く、重苦しい空気がその場に漂っていた。
「いてて…、お前本気で叩きすぎだろ、まだ痛みがひかないぞ…。
「………。」
「おーい……。
その…悪かったよ、状況も…あと空気も悪くさせちまって…。」
沈黙に耐えられなかったのか、
ワルビルは空気を変えようと腫れた頬をさすりながらリングマに話しかけるが、
返ってくる無言に再びうつむくように頭を垂れ再び黙り込んでしまう。
こんな調子がずっと続いていたのだった…。
※
ゴウカザルとはぐれてからずいぶんと時間がたった…。
二匹で手分けして近くを探してみたものの彼の姿は無く、
どんなに大きな声で呼びかけても誰の返事も返ってこなかった。
本当はこうして休憩などしている場合ではないのだが、
疲労もたまってくるなかでそれでも探しに行こうと主張したワルビルを、
リングマが休んだ方がいいと強く止めたのである。
どんなに大きな声で呼びかけても誰の返事も返ってこなかった。
本当はこうして休憩などしている場合ではないのだが、
疲労もたまってくるなかでそれでも探しに行こうと主張したワルビルを、
リングマが休んだ方がいいと強く止めたのである。
「……冷静にならなきゃ、見つかるものも見つからない。」
ひょっとすれば休んでいる間にゴウカザルが戻ってくるかもしれないし、
こっちまで倒れてしまったら元も子もないと、
入口からはそんなに離れていないこの場所で休憩しようと提案したのである。
「うっせい、休みたきゃそこで休んでてくれよ!」
「……ワルビルの方が疲れてる。」
「俺は平気だっての!
いいから残ってろ、その間にちょっと見てくっかr…!?」
”バキィッ”と小気味のいい音が響き渡る。
制止の声を振り切って探しに行こうとしたワルビルを、
リングマは腕をつかんで背負い投げの様にして地面にたたきつけたのである。
肺の中の空気がゴボッと押し出され、
クラクラと世界が渦を巻くように回っていた。
そんな彼の頭上から「悪い」とリングマの声が耳に入ってくると、
頬に強い衝撃が走り、そのまま気を失ってしまったのである。
頬に強い衝撃が走り、そのまま気を失ってしまったのである。
※
そんな安静とは程遠いといえる休息から彼が目を覚ましたのは、
ゴウカザルが居なくなってから二時間が経過した頃だった。
ヒリヒリと痛む頬をさすりながら、
ワルビルはちらっとリングマの方を横目で見る。
今のリングマは普段の彼と同じように、
しれっとした顔つきでまるで何事も無かったかのように落ち着いて座っていた。
「あいかわらず…何考えてるか分かんねえ奴だなぁ…。」
そうぼそりと呟くように囁いてみるが、リングマは眉一つ動かさない。
そんな会話の空回りを起きてからしばらくしていたが、
木か壁に話しかけているようなむなしさしか残らず、
ワルビルはもう何度目か分からないため息をついた。
そういえばリングマと二人っきりになるというのは、
今までにはあまりなかったことである。
というか、
ワルビルの記憶にはリングマが誰かと二人でいるという光景自体、
ほとんど見たことがなかった。
毎日の大抵はワルビルとゴウカザルとリングマでの三匹、
もしくは彼とゴウカザルの二匹でいることが多い。
彼とゴウカザルと二匹で口論してる時も、
依頼の内容や作戦を立てている時なんかも、
リングマはそばでその様子を傍観しているということのが多いのである。
もしくは彼とゴウカザルの二匹でいることが多い。
彼とゴウカザルと二匹で口論してる時も、
依頼の内容や作戦を立てている時なんかも、
リングマはそばでその様子を傍観しているということのが多いのである。
誰かと二人で話をしているどころか、
誰かと二人で行動していること自体あまり見たことのない。
どちらかというと一匹でいるのが好きなのかなと、
そう思わざるを得ないのが彼らの仲間のリングマの性格だった。
もっとも例え二匹でいるところがあったとしても、
基本的に無口で考えを表に出すことが少ない奴であるから、
今のワルビル同様、お互い黙りこくるしかなさそうである。
といっても、
別に考えが分からないからと言って悪い奴というわけではない。
無口なだけでその気になれば普通に話もできるし、
ぶっきらぼうだけど頼りになる奴というのが、
ワルビルの中でのリングマの評価だった。
「はぁぁっ……、なあ、そろそろもう一度捜しに出てみないか?」
ワルビルはぽつりとそう漏らすように呟きながら、
リングマに返答を求める。
リングマに止めてもらい、たっぷり休んで頭も冷えてきたが、
それでもあのゴウカザルがこんなにも長く連絡をよこさないというのは、
どうしても気になるところだった。
普段のあいつなら例えチームが分断されようとも、
30分もあれば合流なり連絡なりしてくるはずである。
それでもあのゴウカザルがこんなにも長く連絡をよこさないというのは、
どうしても気になるところだった。
普段のあいつなら例えチームが分断されようとも、
30分もあれば合流なり連絡なりしてくるはずである。
だからこそゴウカザルからの連絡がまったくないことに、
再びワルビルは焦りを見せ始めていた。
たいまつの炎がはぜる音だけが響く洞窟の中で、
ワルビルはぽつりぽつりとリングマに話しかけた。
再びワルビルは焦りを見せ始めていた。
たいまつの炎がはぜる音だけが響く洞窟の中で、
ワルビルはぽつりぽつりとリングマに話しかけた。
「もうはぐれちまってからだいぶたつし…、
あいつが連絡の一つもよこさないなんて変だと思わねえか…?」
「………。」
「もしもワープしたはずみで怪我とかしてるんなら、
動きたくても動けねえかもしれないだろ…。
それに…あいつとはぐれちまったのは…。」
「………。」
「だから…その…、俺のせいでて思っちまうと……。
だーっ、もう!
笑うなりなんなり反応しろよ…な…!?」
ワルビルが声を荒げて言ってもリングマからの反応が返ってこず、
彼はバッと立ち上がってリングマの方を睨むように見る。
…それでもリングマはピクリとも反応しない、というより…。
「………。」
「…おい。」
「………ZZZ。」
思わずガクッと崩れそうになる体を冷静に支え、プルプルと拳を震わせた。
反応がないから考えことでもしてるんじゃないかと思っていたが、
ただ単に寝ていただけのようである、しかも目を開けたまま…。
彼は震える拳をそのまま頭上に振り上げると、
ポカッとリングマの頭をはたいた。
先ほど彼がやられたようなパンチではなくある程度加減した拳だったが、
それでもその衝撃でリングマも目を覚ましたらしい。
「……痛い。」
「痛いじゃねえよ痛いじゃ!
あ~ったく、本当に何考えてんのか分かんねえなお前!」
寝ぼけ眼でぽりぽりと頭をかいているリングマに、
ワルビルはプンプンと怒りながら声を上げる。
人が柄にもなく落ち込んで弱音すら吐いていたというのに、
隣でグースカと寝られていたとあっては、
話しかけてた自分がバカみたいであった。
隣でグースカと寝られていたとあっては、
話しかけてた自分がバカみたいであった。
「お前はあいつのこと心配じゃねえのかよ!」
「……心配に決まっている、もうずいぶんと連絡も無い。」
「本当にしてんのかよ…。
心配してるやつがのんきに居眠りなんかできるかぁ?」
「……心配もしているが、大丈夫だと信じてもいる。」
不審そうに睨みながら話すワルビルに対して、
リングマはいつもと変わらない無表情で彼に話しかけてくる。
そんな無関心にも見えるリングマの態度にカチンときて、
ワルビルは乱暴に立ち上がると、
踏み荒らすようにずんずんと洞窟の奥の方へと歩き出そうとする。
「……どこへ行く?」
「もういい、お前はここにいろよ! 俺一人で探してくる!」
当たり散らすようにがーっと吠えて洞窟の奥の方を向くと、
その後ろから相変わらず抑揚のないリングマの声が響いてきた。
「……自分を責めるな、お前だけのせいじゃない。」
「べ…べ別に責めてなんかねえよ!
俺はこれでも冷静だし、ただ単にあいつが怪我でもしてねえかと心配で…!」
「……冷静ならたいまつも持たずに行こうとはしない。」
「………!」
その指摘にドキッと自分の手元と洞窟の暗闇を見比べると、
ばつが悪そうにリングマの方へと振り返る。
彼はまだ座ったまままっすぐな目でワルビルの方を見つめ、
どっしりと構えるように腕を胸の前で組んでいた。
リングマは「ふぅ…」と軽く息を吐くと、
地面に刺していたたいまつを手に取りワルビルの方へと歩みよってくる。
「……ゴウカザルも心配、でもワルビルのことも心配だ。」
「別に……俺は心配されることなんか何も…。」
「……まいっていることぐらい仲間だから分かる。
それもゴウカザルのことだけじゃない、この洞窟に入ってからずっとだ。」
「………。」
静かに話しかけてくるリングマの言葉に、
ワルビルはうっと怯んだように顔をそむける。
リングマの言っていることは図星だった。
自分のミスでゴウカザルを危険な目にあわせていること、
そしてその尻拭いにリングマを突き合わせていることが、
胸の奥をきゅうきゅうと締めあげているようであった。
そしてこの洞窟に入ってからずっと付きまとっている閉塞感、
それらすべてがワルビルの心をピリピリと疲弊させているようであった。
それらすべてがワルビルの心をピリピリと疲弊させているようであった。
今まで楽天的で物忘れが激しく、
どちらかというと鈍感な性格だと思っていたが、
こんなにも繊細だったとは我ながら驚きである。
「……俺だってあの時何もできなかった、お互い様だ。」
「でも…むぐっ!?」
「……だから二人でゴウカザルを助ける、それが仲間だ。」
「むむむ……わひゃったから口をふかむなって…!!」
ぶはぁっとリングマが掴んでいた口を引きはがしぜぇぜぇと息を整えると、
ワルビルは照れくさそうに頭をかきながら笑みを浮かべる。
一人で勝手にイライラと焦っていたことに気が付き、
恥ずかしかったのである。
深く息を吸ってから「ぶはぁっ」と吐き出すと、
ワルビルはにっと笑いリングマに小さく「ありがとう」と呟く。
リングマの方も安心したように鼻を鳴らした。
「うっし、もう大丈夫だ。 早いとこゴウカザルの奴を探そうぜ!」
「……おう。」
「…ってもどこを探すべきかなぁ、
この洞窟ゴウカザルどころか他のポケモンもいやしねえし…むぐっ!?」
腕を組んでつらつらとしゃべっていると、
再びリングマが彼の口をガシッと掴んで声をさえぎる。
何事かとリングマの方を見ると、しーっと指を口に当てていた。
「……何か聞こえる。」とリングマの囁くようなその声に、
ワルビルも暴れるのをやめてそっと耳を澄ます…。
ワルビルも暴れるのをやめてそっと耳を澄ます…。
静かに聞き耳を立てると確かに洞窟の奥の方から、
『ヒタヒタ…ヒタヒタ…』と何かの足音の様なものが聞こえてきた…。
野生のポケモンかもしれないと考え、
すぅっと臨戦態勢を二匹はとり洞窟の奥の方を睨みつける。
すると……。
「おーい、そっちに誰かいるのかー!」
「…この声!」
洞窟の奥から聞こえてくるその声にワルビルはピクっと尻尾を揺らす。
野生ポケモンの威嚇や唸るときのとは違う、しっかりとした理性ある声。
それだけでなく何度も聞き覚えのあるその声は、
間違いなく彼らの仲間のゴウカザルの声であった。
それだけでなく何度も聞き覚えのあるその声は、
間違いなく彼らの仲間のゴウカザルの声であった。
「おーいゴウカザル、こっちだー!!」
「その声…よかった、探したんだぞ。」
ワルビルが大きな声で呼びかけると足音が一瞬ぴたっと止まり、
そして再び音がし出すと徐々にこちらの方へと近づいてくる気配がした。
やがてワルビルの視界にもはっきりと分かるように、
ゴウカザルの姿が暗がりからこちらへと歩いてくるのが見えた。
足に怪我でもさせたのか、
ひょこひょこと体を揺らしながら歩いてきているが、
こちらを見つけて安心でもしたのか軽い笑みを見せ、
無事だと知らせるように手を振って合図をしている。
ゴウカザルの姿が暗がりからこちらへと歩いてくるのが見えた。
足に怪我でもさせたのか、
ひょこひょこと体を揺らしながら歩いてきているが、
こちらを見つけて安心でもしたのか軽い笑みを見せ、
無事だと知らせるように手を振って合図をしている。
「おお~、良かったぁ…。
本当に無事でよかったぜ、な、リング……どうした?」
「………。」
「変な奴だな…、まあいいや。
ほれ、怪我してるみてえだし早く行ってやろうぜ!」
嬉しそうに笑みを見せながら走っていくワルビルに対し、
リングマはいぶかしげな眼でゴウカザルを見つめていた。
ようやく仲間が見つかったというのに、
嬉しそうなそぶりはほとんどなく、
何かを考えながら睨みつけているようにも見える…。
嬉しそうなそぶりはほとんどなく、
何かを考えながら睨みつけているようにも見える…。
「…たく、大丈夫かよお前。
怪我までしやがって…てか俺のせいか…本当にごめん!」
「いいさ気にするな、
お前が原因の失敗談なら今に始まったことじゃないしな。」
「このやろ~…!」
いつもどおりに会話する二匹を、
リングマはいつも通り距離をとって黙って見つめている。
ゴウカザルが見つかってとても嬉しいはずのなのだが、
なにか腑に落ちないのである…。
確かに姿も形もそれにしぐさや声もゴウカザルそのものだ、
でもなぜだろう…、
なぜだかあのゴウカザルには違和感を感じてしまうのである…。
何かが違うはずなのに、
その違いが大きすぎて気づけないような何かが…。
リングマがうつむいて思考していたその時だった。
その違いが大きすぎて気づけないような何かが…。
リングマがうつむいて思考していたその時だった。
「とにかく俺の肩につかまれよ、
その足じゃ歩くの大変だろ…ってのわぁ!」
「うおっと!?」
黙って考え事をしていたリングマの耳に、
”べしゃっ”と痛そうな転倒音が聞こえる。
顔をあげて二匹の方を見てみると、
どうやらワルビルが肩を貸そうとして足を滑らせてしまったらしい。
「いてて」と二匹で痛そうに体に着いた石粒を払い落しながら、
ゴウカザルはワルビルの鼻をぎゅっと強くつまんでいた。
「あのなぁ…助けてくれるのは本当に感謝したいところなんだがな、
もうちょっと気をつけてやってくれ!」
「いででで…、悪かったって!
足元暗くなっててよく見えなかったんだってば…!!」
「……! 離れろワルビル、そいつから離れるんだ!!」
悪びれるように手を合わせていたワルビルの耳に、
リングマの怒号の様な声が響き渡る。
驚いてリングマの方を見ると、
ぐっと腕を前に出して構え、今にも飛びかからんと戦闘態勢をとっている…。
ぐっと腕を前に出して構え、今にも飛びかからんと戦闘態勢をとっている…。
「な…なんだよ脅かすなって!
ってかどうしたんだ、野生のポケモンでも出たのか?」
「……野生かどうかは知らない、
だけどそいつ…ゴウカザルじゃない!」
「…へ。」
リングマの真剣な口調に、
ワルビルはそっと後ろに立っているゴウカザルの顔を見る。
普通ならリングマの行動に驚くか怒ってもいいはずなのに、
さっきまで普通に話していたのが嘘みたいに無表情で、
口を真一文字に結んでリングマの方を見ている。
「な…何言ってんだよリングマ…!
だって…どう見たってゴウカザル…。」
「……うん、俺も見た目じゃ絶対に分からなかった。
声も…姿も…しぐさだってゴウカザルそのものだと思う…だけど…。」
リングマの言葉にワルビルもじとっと嫌な汗が噴き出てくるのを感じる、
たいまつの明かりがゆらゆらと揺れて、
リングマの影が大きく揺らめいているのが余計に圧迫感を引き立てていて……。
そこでワルビルも違和感に感づいた
そう、足を滑らせた時に気づくべきだった。
『足元が暗くって足を滑らせた』だって…?
暗いわけないじゃないか、だって…だって彼のすぐそばには……。
『足元が暗くって足を滑らせた』だって…?
暗いわけないじゃないか、だって…だって彼のすぐそばには……。
「…この暗闇で、炎の光がまったく灯らないゴウカザルなんてありえない…!」
「ああ、ばれちゃったか…!」
「………!!」
リングマの言葉がいい終わるのと同時に、
ワルビルの背後にいたゴウカザルが口を開いた。
ワルビルがつばを飲み込み、
自分でも不思議なくらいゆっくりとした動作で後ろを振り向く。
『ゴウカザル』はそこにいた。
にぃぃっと邪悪な笑みを浮かべた顔と、
大きく炎を燃え盛らせた【ほのおのパンチ】をかまえて……。
大きく炎を燃え盛らせた【ほのおのパンチ】をかまえて……。
というわけで、おかげさまで当ブログも40万ヒットさせていただきました♪
鈍行更新もはなはだしいのにいつもお越しいただいている皆様、
本当にありがとうございます!
これからものんびりまったりと創作活動をやっていくと思いますので、
お付き合いいただける方はこれからもよろしくお願いいたしますです♪
記念イラストは久しぶりのニド兄&カメ君コンビ、
カメ君はつい最近某所で食べられたばっかりだけど、
気にしない気にしない♪(コラ
さて、せっかく40万ヒットもいたしましたので、
今回の記念企画は久しぶりにリクエスト企画をやってみようと思います♪
とはいえ現在小説の方も更新中ですので、
おそらく取りかかるのは早くても小説終了後あたりか、
もしくは小説の合間合間だと思われます。
リクエストしてから半年後に完成するという、
リクエスト者様をまたせるのにも容赦がない遅筆作業ぶりをする管理人ですが、
「それでも構わないぜ!」という方はどうぞどしどしリクエストしてくださいませです♪
詳しいリクエスト内容やリクエスト方法は続きに記載しておりますので、
リクエストされる方は必ず一度はお目通しよろしくお願いいたしますです!
(・ω・)
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もしくは小説の合間合間だと思われます。
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「……ん…んっ……。」
…微かに顔に吹き付けてくる冷たく湿った風に体を震わせ、
ゴウカザルは静かに目を開ける。
ぼんやりと霞んだ視界で最初に目に入ったのは、
岩にはりついて生えた苔とゴツゴツした小石が無数に転がった地面だった。
どれくらいの時間気を失っていたのかは分からないが、
どうやら自分はうつぶせで倒れていたらしく、
体温を地面に奪われた体は少し冷たくなり、
動かすと筋肉や骨が軋むように痛んだ。
「ここは……、いったい…。」
とりあえず立ち上がろうと手をついて体を起こし、
体についた砂や土ぼこりを落としながらあたりの様子をうかがう。
自分の頭や尻尾の炎で照らされた周囲は、
一面を灰色の岩壁に囲まれた洞窟の中らしく、
立ち上がれる程の高さはある広い空洞が、
彼の前後に向かって道のように伸びている。
そして少なくとも彼の視界の範囲内には、
ワルビルとリングマどちらの姿も見当たらなかった…。
「どうやら二人とはぐれてしまったみたいだな…、
ここからどうするべきか。」
こんな風に仲間と分断されてしまうということは、
今までにもあったアクシデントである。
焦って合流しようと無暗やたらに動きまわれば、
野生ポケモンの不意打ちを食らったり、
他の罠に引っ掛かってしまうのがオチなのも知っている。
だからこそこういうときにはパニックになったりはせず、
まず落ち着くのだと彼は手を顎に当て、
どういう状況になってしまったのかということを考える。
今までにもあったアクシデントである。
焦って合流しようと無暗やたらに動きまわれば、
野生ポケモンの不意打ちを食らったり、
他の罠に引っ掛かってしまうのがオチなのも知っている。
だからこそこういうときにはパニックになったりはせず、
まず落ち着くのだと彼は手を顎に当て、
どういう状況になってしまったのかということを考える。
彼がワープしてしまった原因…、
まあ元をただせば仲間のワルビルが何かに脅えてパニックになり、
彼を突き飛ばしてしまったのが原因なのだ。
何を見たのかも気になるところだがそれはひとまず置いておくと、
恐らく彼がワルビルに突き飛ばされたであろう場所に、
運悪く【ワープの罠】が埋まっていたのが一番の原因だろう…。
罠というのはこのダンジョンと呼ばれる場所において、
彼らのようにその中へと踏み込む冒険者の障害となるものである。
誰がこんな迷惑なものを仕掛けているのかは誰も知らない謎なのだが、
ひとたびその仕掛けにかかれば、
足元が突然爆発したり吹き飛ばされたり食糧が腐ったり…、
そしてゴウカザルの様に強制的にどこかへと飛ばされてしまったりする等、
野生のポケモンと同じくらい気をつけなければならないやっかいな代物だった。
彼の引っ掛かった【ワープの罠】は、
踏んでしまったポケモンを近場のどこか別の場所に飛ばしてしまう物だが、
階層を隔ててとかダンジョンの外までとかまでは飛ばされないので、
仲間たちともそんなに距離は離れてはいないと思うのだが…。
踏んでしまったポケモンを近場のどこか別の場所に飛ばしてしまう物だが、
階層を隔ててとかダンジョンの外までとかまでは飛ばされないので、
仲間たちともそんなに距離は離れてはいないと思うのだが…。
「せめてどちらが入り口かだけでも分かればいいんだが…。」
彼は自分の前後に伸びる道を交互に睨みつける。
どちらも同じような岩と暗闇に包まれた道で、
出口の光とかワルビルやリングマの声が聞こえてくると言ったものも無い。
どちらに進むかは完全にゴウカザルしだいである。
「ここであいつらが来るのを待つというのも手か…?
…いや、こんな一本道じゃ野生ポケモンに見つかって襲われるのがオチだ。
もしくは…。」
小声で呟きながら彼はそっと自分の腰辺りを探る、
そこには携帯用の掌サイズの小さなポーチが、太ももに巻く形でつけてあった。
探検用のバッグ自体は重量もありかさばるせいか
いつも力自慢のリングマが身につけているのだが、
ゴウカザルとワルビルも非常用の時に備え、
最低限のアイテムは身につけておくことにしていたのである。
ポーチの中を軽く探すと、そこから淡い青色に光る玉をひとつ取りだす。
「こいつを使って外に出るってのも手ではあるか…。」
彼の手にあったのは【あなぬけのたま】というふしぎだまの一つだった。
色々と不思議な力を持ったふしぎだまの中でも、
これは使ったチームの全員をダンジョンの外に脱出させてくれるという、
冒険者にとって無くてはならない道具の一つだった。
これを使えばたとえ今の彼のように離れ離れになっていたとしても、
全員を安全な場所まで連れ出してくれるので、
これを使うのも手ではある………ただし。
全員を安全な場所まで連れ出してくれるので、
これを使うのも手ではある………ただし。
「依頼をどうするかが問題だな…。」
ゴウカザル達は全員の道具を合わせても、
【あなぬけのたま】は彼の持っているこれひとつしか持って来てはいなかった。
つまり彼の持っているこれを使って一度外に出てしまうと、
例え仲間と合流してから再び潜ろうと思っても、
今度は手短にダンジョンの外に出る手段が残っていないのである。
依頼によっては『おたずねもの退治』とか『道具収集』なんかだったら、
目標を達成さえすれば彼らの持つ探検バッジの力を使って外に出られるが、
彼らが今回受けている依頼は『洞窟の調査』…。
終了条件があいまいなこういう依頼の時は探検バッジも使えない…。
バッジもふしぎだまも使えないとなると、
ダンジョンの外に出るためには自力で入口まで戻るか、
あるいはダンジョンの最深部まで潜ればバッジの力を使うこともできるが、
ここまでの道のりでの疲労や持ち込んでいる装備、
それら様々なことを考慮してもどちらも得策とは言えない手段である。
そういった事情が彼にふしぎだまを使わせるのをためらわせていた…。
「今はまだ様子見が必要な段階だしな、
こいつを使うのはどうしてもという緊急時になってからでも遅くない…
しかし…本当に薄気味悪い洞窟だな。」
結局ゴウカザルは【あなぬけのたま】をポーチに戻すと、
前後に伸びる洞窟をじっと睨みつけるように眺める。
一様に暗闇に包まれた道を見つめているうちに、
彼はワルビルの言っていたことを思い出していた。
真っ暗な闇の中を見ているとまるで見つめ返されているようで、
おもわずぶるっと体を震わせる…。
おもわずぶるっと体を震わせる…。
「……幽霊とか…出ないだろうな…。
いやいや、居るわけないだろ、別に墓場ってわけではないんだ!」
ぼそりと小さくつぶやくと、
すぐに言葉を取り消すようにぶんぶんと頭を振っている。
負けじとキッと洞窟の奥をまるで敵でも見つめるかのように見ると、
だんだんと動揺するように炎がゆらゆらと揺れ、
それにより自分の影や闇が踊るように動くと「…ヒッ。」と、
姿に似合わない小さな悲鳴を漏らした。
※
彼ら三匹の探検隊のリーダー役を一手に引き受け、
いざバトルになったら単体でも大物をしとめられるだけの実力を持ち、
シルバーランクに上り詰めるだけの経験も鍛錬もしてきた。
そんな一見怖いもの知らずに見えるゴウカザルにも、
実はずっと苦手なものが一つだけあった…。
『暗闇』…つまり暗い所である…。
彼の種族はその体の構造上進化する前から体に明るい炎を灯し、
それこそ完全な暗闇とは無縁な種族である。
だがそんな種族であろうとなかろうと、
彼は暗いところだけは昔からダメなのだ…。
街や野宿…寝るときの暗闇はなんとか大丈夫…、
それこそ星や月の光、一緒に寝泊まりをするワルビルやリングマもいるから、
なんとか我慢してこれたのだ。
だがこういう洞窟では自分の炎で照らしている部分はいいが、
照らしきれない暗闇の部分は暗いところが浮き彫りになり、
そんな暗闇の中から何かが見つめていたり、
何かが潜んでいたりという想像が働いてしまい苦手なのだ…。
それこそ星や月の光、一緒に寝泊まりをするワルビルやリングマもいるから、
なんとか我慢してこれたのだ。
だがこういう洞窟では自分の炎で照らしている部分はいいが、
照らしきれない暗闇の部分は暗いところが浮き彫りになり、
そんな暗闇の中から何かが見つめていたり、
何かが潜んでいたりという想像が働いてしまい苦手なのだ…。
昔…もうワルビルも覚えてはいないと思うが、
修業時代にもワルビルと修業仲間だったリザードが、
街で起こっていた人が消えるという噂話を話していたことがある。
その時は何とか取り繕い話を終わらさせてしまったが、
暗い夜の街で人が消えてしまうなんて話、
正直聞きたくなくてやめさせたという方が正確だ。
怖い話に関心がないなどと思われているようだが…、
とどのつまりそういう話は嫌い……いや、怖いのである…。
もちろんそんな話し、ワルビルにもリングマにも話したことは無い。
普段強気な態度をとっている奴が、
暗いとこがだめなんて話…とてもじゃないが仲間達になんか言えなかった…。
本当は依頼でこういう洞窟に入るのも好きでは無いのだが、
だからといって断ってばかりもいられない…。
いつも仲間と一緒に潜っていたからこそなんとかやってこれたのであり、
それが彼にとっての限界でもあった…。
だが今の彼の周りには誰もいない、
正真正銘ひとりぼっちで、周囲は暗闇に包まれた道しかないのだ…。
緊張したようにゴクリとつばを飲み込み、
彼は怖くて震えそうになる暗闇の中を一歩一歩慎重に歩きだした…。
一刻も早く仲間に会いたい、合流したいと願いながら…。
※
「とにかく少し移動してみて周囲の様子を……。」
そう自分に言い聞かせるように何度も何度も呟き、
真っ暗な洞窟の道を一人で歩いていた…その瞬間だった。
なにげなく足元に埋まっていた岩に足を乗せた途端、
その足がまるで沼にはまるかのごとくずぶっと沈み込んだのである。
当然彼は驚いた表情でがくんとバランスを崩し、
倒れそうになる体を足を前につのめらせることでとどめる。
「うぉっ…とと! 危なかった…、何だ今の………っ!?」
彼は自分の足元の方を見つめ、
そして再びぎょっと驚愕したようにその地面を見つめる。
確かに地面には冷たく硬い岩しかなかったはずだったが、
今彼の足元にあったのはまるで粘土のように平べったくなった岩で、
しかもそれがまるで液体のように波打ち彼の足を包み込んでいたのである。
もしも偶然通りがかった者が見ていたとしても、
彼の足が石の中に吸い込まれてしまっているようにしか見えなかった…。
しかもその石がまるで彼の体を引きずり込もうとしているかのように、
足が少しずつ少しずつ引っ張られるように沈んでいくのである。
今彼の足元にあったのはまるで粘土のように平べったくなった岩で、
しかもそれがまるで液体のように波打ち彼の足を包み込んでいたのである。
もしも偶然通りがかった者が見ていたとしても、
彼の足が石の中に吸い込まれてしまっているようにしか見えなかった…。
しかもその石がまるで彼の体を引きずり込もうとしているかのように、
足が少しずつ少しずつ引っ張られるように沈んでいくのである。
”ずぶっ……ずぶ…ずぶ…。”
「ぬっ…、ぐっ!!?
…くそっ、なんなんだよこれは!!」
自分の足が掴まっているこれがなんなのかは分からなかったが、
彼は必死の力を込めて足を上に引っ張る。
だがまるで石の中でそのまま固まっているかのようで、
全身の力を込めてひっぱってもうんともすんともできないでいた。
流石のゴウカザルも焦ったように自分の足に手を当て、
何度も何度も引き抜こうと力を込める…。
顔を真っ赤にさせ歯を食いしばりながら足を引き抜こうとするが、
あっという間に彼の膝小僧まで沈んできてしまっていく…。
「ぐぅぅっ…!
くそ、こんなわけのわからん奴にやられてたまるか!!」
そう叫びゴウカザルは腕に力を集中させると、
その拳を覆うように炎が覆い隠し熱風が空気を焦がす。
彼の得意技である【ほのおのパンチ】という技で、
ほのおとかくとうのふたつのタイプを持つゴウカザルにとって、
とても扱いやすく威力も安定した必殺技だった。
「はぁっ!!!」
彼は大きく腕を振りかぶり狙いを定めると、
足元の岩に向かって【ほのおのパンチ】を叩きつけた。
岩は彼の拳の形にぐにゃりとめり込み、
まるで痛みでも感じているかのようにぶるぶるっと震えると、
彼の足の締め付けが緩む感触がする。
瞬時にそれを把握すると、
彼はとびすさるように無事な方の足を使って地面を蹴り、
岩の中から足を引き抜くと後ろ飛びでその岩から距離をとる。
「なんなんだこいつ、ポケモン……なのか…?」
ゴウカザルは警戒するように腕を前で構え、
いまだに波打つように脈打っている岩のような何かを睨みつける。
少なくとも彼の今まで見てきた野生ポケモンの中には、
こんな不気味な形状をしたポケモンは見たことがなかった。
岩の形をしているのならいわタイプのポケモンかもしれないが、
あんな液体のようになっている奴なんているのだろうか…?
こんな不気味な形状をしたポケモンは見たことがなかった。
岩の形をしているのならいわタイプのポケモンかもしれないが、
あんな液体のようになっている奴なんているのだろうか…?
何とか状況を分析しようと頭の中でそう考えていると、
その岩のような形状した何かは彼の方をまるで狙うように身をすくめ、
びょいんと宙に飛びあがり彼めがけて突っ込んできた。
「何か知らんが…、邪魔だっ!」
飛びかかってきたその岩に視線を固定したまま、
彼は再び【ほのおのパンチ】の構えをとり拳に炎をまとわせてゆく。
得体のしれない物体ではあったが、
仕掛けてきているのはなんてことの無い【たいあたり】のようである。
おまけに一直線に伸びたこの洞窟の道では、
戦いなれている彼ならば攻撃方向も軌道もあっさりと読めてしまえた。
さきほどの【ほのおのパンチ】も効いたようだし、
ならば彼の鋭い拳で迎撃すれば戦える相手だと判断したのである。
仕掛けてきているのはなんてことの無い【たいあたり】のようである。
おまけに一直線に伸びたこの洞窟の道では、
戦いなれている彼ならば攻撃方向も軌道もあっさりと読めてしまえた。
さきほどの【ほのおのパンチ】も効いたようだし、
ならば彼の鋭い拳で迎撃すれば戦える相手だと判断したのである。
ゴウカザルは飛びかかってくる岩に狙いをつけ、
ためらうことなくその拳を岩めがけて打ち込んだ。
暗闇や化け物が怖いだなんて言ってはいられない、
渾身の力を込めたパンチであった。
ためらうことなくその拳を岩めがけて打ち込んだ。
暗闇や化け物が怖いだなんて言ってはいられない、
渾身の力を込めたパンチであった。
…だが、その攻撃を選択したことが彼の運命を決めてしまった…。
”ぐにゃぁぁ!”
「…なっ、うぶぅっ…!!?」
ゴウカザルの拳は確かにその岩のような物体にめり込んだ。
だがその瞬間に岩はまるで風呂敷のように彼の腕を包み込み、
あっという間に肩を通り越してそのまま伸びてくると、
彼の顔にべちゃりと張り付いてきたのである。
ひんやりと冷いグミのようにプヨプヨとした質感が顔中を包み、
それが確実にただの岩ではないということを彼に教えていた。
突然起こった予期せぬ事態に目を見開き、
顔にへばりついたその物体を引きはがそうと、
包まれていない方の腕でそれをつかみ引っ張る。
だがその腕もぐにょんとゴムのように伸びた物体にあっさりと包み込まれ、
彼の両腕はあっさりと拘束され、
まるで頭を抱えた格好のように腕を振り上げた。
顔にへばりついたその物体を引きはがそうと、
包まれていない方の腕でそれをつかみ引っ張る。
だがその腕もぐにょんとゴムのように伸びた物体にあっさりと包み込まれ、
彼の両腕はあっさりと拘束され、
まるで頭を抱えた格好のように腕を振り上げた。
「ん~っ!! ん、んぶぅぅっ!!?」
事態の飲み込めない彼の上半身を徐々に取り込みながら、
ぶるんと全体を波打ち震わせると、
岩そのものだった見た目がまるでグミのように柔らかく蠢き、
ピンク色をした液体の様なものと変化してゆく…。
そうしてあっという間に彼の上半身を包むすべての部分がピンク色に染まり、
その表面にまるで点と線で作られただけの落書きの様な顔が浮かび上がり、
にたにたと笑みを浮かべながら彼の眼を見つめた。
その表面にまるで点と線で作られただけの落書きの様な顔が浮かび上がり、
にたにたと笑みを浮かべながら彼の眼を見つめた。
そこまで来てようやく彼にもこの気味の悪い物体の正体が分かった…。
こいつはメタモンという種族のポケモンで、
その能力は戦っている相手の姿をそっくりそのままマネるという物であった。
普段は今彼を包み込んでいるようなピンク色のプヨプヨした姿なのだが、
体を自由自在に他のポケモンに変化させ、
おまけにそいつが使える技までマネしてしまうというポケモンである。
彼の住む街やその周辺の地域では見かけられない種族のため、
彼自身もこうしてその姿を見るのは初めてだったが、
まさかこんな洞窟の奥で遭遇するとは夢にも思わなかった…。
彼自身もこうしてその姿を見るのは初めてだったが、
まさかこんな洞窟の奥で遭遇するとは夢にも思わなかった…。
「んんっ、むぐぅっ!!」
だがそんな珍しいポケモンに感心している余裕は無い、
何の意図で彼の体をこうして拘束しているのかは分からないが、
このまま掴まり続けているのはマズイというぐらいは分かった。
必死に両腕を揺さぶりへばりつくメタモンを振り払おうともがくが、
もがけばもがくほど逆に彼の体をピッチリと張り付いたメタモンが包み込み、
まるで膜を張るかのようにピンク色の液体が彼の体を侵食してゆく…。
顔にへばりついた部分が彼の口と鼻をふさいでしまっているため、
満足に呼吸をすることもできず、
だんだんと息苦しくなって頭がクラクラとしてきていた。
とにかく彼の物理技ではなんのダメージも与えられないのだ。
口さえ開くことができれば【ほのおのうず】のような、
少しは効果的な技が使えるかもしれないが、
口を封じられた今それすらも叶わない…。
満足に呼吸をすることもできず、
だんだんと息苦しくなって頭がクラクラとしてきていた。
とにかく彼の物理技ではなんのダメージも与えられないのだ。
口さえ開くことができれば【ほのおのうず】のような、
少しは効果的な技が使えるかもしれないが、
口を封じられた今それすらも叶わない…。
締め付ける力自体は大したことのないメタモンでも、
どんなに力を入れても伸びてしまうだけでは、脱出のしようがなかった…。
どんなに力を入れても伸びてしまうだけでは、脱出のしようがなかった…。
「んんん……っ、んん……ん…っ……。」
取り込まれてしまった上半身に続き、
腹…腰…足と体全身をむにゅむにゅとメタモンに飲み込まれていき、
最初は力強かった抵抗も徐々に動きが鈍くなってくる。
彼は必死に腕や足をもがかせたり、
掌を開いたり閉じたりして脱出を図ろうとするが、
止まることなく彼を取り込んでゆくメタモンの体に、
思考すらも侵食されるように薄れてきた…。
『く…、何とかして逃げねえと……、
でもなんだ……すごく………眠い……。
…駄目だ、眠るな……寝たら……もう……っ。』
すでに全身を拘束され指一本も動かせない状態の中、
ゴウカザルは襲ってくる睡魔に必死に抗うものの、
その瞳は徐々に瞼が下がり閉じてゆく…。
そうして彼が弱ってきたのをめざとく感じ取ったのか、
メタモンがゴウカザルの全身をその体内に包み込み終わると、
とうとう残った彼の顔もぐにょんと伸びて一飲みにしてしまう。
まるでゼリーの中に漂よう果物みたいに、
ゴウカザルの体がメタモンの中でゆらゆらと漂っている。
口はだらりと開き目は虚ろで、
頭や尻尾の炎がピンク色のメタモンの体内で透けるように輝き、
まだゴウカザルの意識があるように時折炎が揺らめく。
だが最初ははっきりと映っていた彼のシルエットが、
まるでメタモンの中に溶けるようにぼやけてくると、
徐々に彼の炎の明かりで照らされていた洞窟内にぼんやりとした暗闇が戻り、
オレンジがかった炎の明かりが小さくなっていった…。
『リン…グ……ワル…ビ………。』
”………ゴクンッ。”
そう頭の中ではぐれた仲間達の名前を呟くと、
彼の意識はすぅぅっとまどろみの中に消えていき、
そして同時にメタモンの中に漂っていた彼の姿も、
まるで最初からいなかったかのように嚥下音を残し消えてしまったのであった…。
※
一片の光も無い暗闇に戻った洞窟の中、
ゴウカザルを飲み込んだメタモンは満足そうに笑みを浮かべると、
ぎゅるんと体をぞうきんのようにねじって縮めこみ、
その体を最初の岩に化けていた時ぐらいの大きさに戻していく。
体内には最初から何もいないかのように、
メタモンはあっさりともとの小ぶりなサイズに戻ると、
間髪いれずに目をつむりながら体を震わせ、
再びむくむくと何かの形をとるように体を大きくしていった。
むにゅむにゅ……むにゅむにゅと音を静かに鳴り響かせ、
メタモンは静かにその目を開けると、
「にぃっ…」と小さく笑みを見せ、
何かのもとへ行くようにぺたぺたと暗闇の中を歩いて行った。
メタモンは静かにその目を開けると、
「にぃっ…」と小さく笑みを見せ、
何かのもとへ行くようにぺたぺたと暗闇の中を歩いて行った。
まぎれもない『ゴウカザル』の姿で……。
遅ればせながらに、
GWに開催させて頂いた絵茶会のまとめログです!
絵茶会の途中で管理人がキャプチャーしたキャンバス内容を、
基本的にそのまま掲載してあります。
興味のある方は続きからどうぞです♪
(・ω・)
※ピクチャーファイルの破損により、今回イラストが少なめですギャフン。(。ω。)
GWに開催させて頂いた絵茶会のまとめログです!
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★ プロフィール
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森クマ
性別:
男性
自己紹介:
展示するのも恥ずかしい物しか置いていませんが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
(・ω・)
諸注意:
初めてきてくれた方は、
カテゴリーの『はじめに』からの
『注意書き』の説明を見ていないと
色々と後悔する可能性大です。
(・ω・´)
イラスト・小説のリクエストは
平時は受け付けておりません。
リクエスト企画など立ち上げる際は、
記事にてアナウンスいたしますので、
平時のリクエストはご遠慮くださいませ!
(・ω・`)
『Sorry. This site is Japanese only』
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