[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
葉っぱのざわめく音だけが鳴り響く深い深い森の奥、
あたり一面見渡す限り濃い緑色に包まれ、
森に他の色が溶け込み消えていっれいるかのような見事な森林だった。
そんな森の中から、
むすっとした表情のマッスグマが両手にたくさんの木の実や植物をもって、
木々がまばらに開けた広場のような場所に歩いてきた。
その開けた場所には柔らかく揺れる草が生え茂り、
中央には小さな木の実の山が下に敷かれたカゴから盛り上がるように積み重ねられていた。
グマ「あ~、疲れた……。」
木の実の小山まで歩いてくると、
マッスグマは疲れた様子でぽふっと草むらに座り込む。
彼の手からひとつ木の実がぽろりと地面にこぼれ落ち、
ゆっくりと木の実の山に転がった。
グマ「よいしょっと…。」
彼は手に持っていた木の実をどさどさと小山の上に積み重ねると、
ぐ~っと背筋を伸ばして草の上に横になる。
足もずいぶんとくたびれていたため、
じんじんと熱をもった足にはとても心地よかった。
グマ「ふへ~…、やっと休めるよ…。」
疲れた様子でもう一度ぐっと腕を伸ばすと、
爪先にこつんと何かが当たる。
んっと首だけ後ろを向けて見てみると、
小さな革製のリュックがちょこんと木の幹にもたれるように置いてあった。
マッスグマは腕を伸ばしてリュックの革ひもをつかむ。
そしてずるずると自分の手元に引き寄せると、
中から小さい木の水筒を取り出して美味しそうに中の水を飲む。
汲んでからずいぶん時間がたっているはずだったが、
汲んできたときとまるで変わらない冷たく澄んだ水だった。
グマ「っぷはぁ、生き返るなぁ~!」
マッスグマは満足するまで水を飲むと、
冷たく濡れた口元をぬぐいながら、
きゅっと水筒の口を締める。
旅先で飲み水を失うのは命の危険にもつながるため、
一人で旅をしていた以前なら慎重に少しづつ飲んでいたものだが、
今回はその心配はないので安心してぐびぐびと飲んでいた。
グマ「……それにしてもあいつ、どこまで採りに行ったんだ…?」
水筒をリュックの中にしまいながら、
マッスグマはふと自分をこの森につれてきた張本人の姿を探す。
この広場には自分と、
あとは木の実の山とこのリュック以外見当たるものはない。
どうやらまだあの『迷惑な親友』は戻っていないらしい。
そもそもこのリュックだってあいつが出した……いや、
正確にいえばあいつの腹の中から出てきた代物なのである。
マッスグマはリュックをひっくり返して裏のほうを見る、
そこには小さくカミナリのマークをかたどった刺しゅうが縫い付けられていた。
彼にはなんとなくだがこのリュックの持ち主には見当が付いている、
恐らく彼をここに連れてきて、
なおかつ現在森の中で木の実を漁っているのであろう親友ことルギアが、
先日腹の中にしまいこんで帰ってきた時のサンダースのものであろう。
本当は返してやったほうがよかったと思うのだが、
あの時はマッスグマ自身もルギアに呑まれ、
訳のわからないうちに吐き出されていたから、
まさかサンダースの手荷物がまだ胃の中に残っていたとは思いもよらなかったのである。
このリュックを吐き出した時にはとっくにあのポケモンも逃げ出した後だったので、
結局マッスグマが預かっているのだ。
しかし四足ポケモン用の小さなものとはいえ、
同じように全荷物を無くしていたマッスグマにとっても便利なものであったので、
こっそりと使わせてもらっているのである。
グマ「しかしあのサンダース…、こんな大切なもの捨てて逃げ出して大丈夫か…?」
マッスグマだって(一応やめたつもりはないが)旅人である、
それゆえこういった旅用の鞄やリュックの重要性は痛いほど分かっているつもりだった。
町で買った食料や飲み水を入れておくにも、
旅先で拾った木の実やお宝かもしれない道具も、
つまるところ入れるものがなければ持ち運ぶことすらできないのである。
とくにこのサンダースの落としていったリュックなんか、
開けた時に地図や水筒やコンパスといった旅の必需品がこれでもかというくらいに詰め込まれていたのである。
(食料もきっと入ってただろうけどたぶん胃液で溶けたのだろう。)
リュックにこんだけ入ってたということは、
あのサンダース本人は丸腰だった可能性が高いのである。
そんな状態で決して狭いとはいいにくいあの森を抜けるのは……。
そこまで考えてマッスグマは意図的に考えていたことを忘れることにした、
まあ彼らが住んでいる森は救助隊がぎりぎり出動できる範囲にある森だし、
なんとかなっただろう…と思うことにしておいた。
それよりも問題のなのはあの事件以来、
ルギアが自分への態度を以前とは少し変えたことである、
それも良くない方向に……。
以前から悪ふざけでいきなり舐めてきたりするぐらいのことはあったが、
あの一件以来味でも占められたのか隙あればかぷっとくわえてくるくらい平気でするようになってきたのである。
本人いわくただの冗談らしいのだが、
この前の夜なんかこっちが寝ているときにいきなりべちゃっと液体を落とされ、
月明かりを背後に舌なめずりしていたのだから正直まったく説得力がない。
むしろ普通に怖い。
グマ「はぁ、早くあいつ戻ってこないかなぁ…。
あいつがいなきゃここに来た意味がないんだもんな…。」
マッスグマは退屈したように大きなあくびをひとつする、
周囲に何にもないし待っているだけでは退屈なのであった。
そもそも普段住んでいる森からずいぶんと離れたこんな場所まで連れてこられたのも、
もとはといえばあのルギアのせいであるった。
いや、今回は多少はマッスグマ自身の願いでもあるのだが……。
※
それは今朝のこと、
マッスグマがルギアに木の実や道具のことについて教えを請いてみたのだった。
普段はとぼけたようにしているルギアだが、
さすがに伝説と呼ばれる存在だけあってか、
木の実の効力や見たこともない道具に関しての知識はマッスグマも目を見張るものがあった。
この前のサンダースの時しかり、
この世界にある木の実や道具には多少経験を積んだ程度の旅人であるマッスグマでも、
知らない力が秘められているのである。
さっきの水筒だってただの木の水筒だったのが、
ルギアに言われてたしか…『とけないこおり』という不思議な道具を入れただけで、
いつまでも水が冷たいままの便利な水筒に早変わりしたのであった。
純粋にそういった道具の不思議な力に知らないうちに引かれて、
ものはためしにとルギアに聞いてみたのだが…。
ルギ「ふむいいぞ、それならばいいところを知っている。」
と承諾の言葉を言われた時には、
思わずちょっと尻尾を振るぐらい喜んでしまった。
ただしその言葉と共に、
次の瞬間にはマッスグマの胴体の部分をぱくっとあの大きな顎でくわえられ、
そのまま一気に上空まで飛びたてられたのである。
別の意味でぎゃーぎゃーと尻尾を振りながら、
なかば連れ去られるようにしてやってきたのがこの未開の密林とも言えるような森だったのである。
たしかに彼らが普段住んでいる森ではあまり見ない木の実も大量に生えているし、
物珍しい植物も大量に生えてはいるのだが…。
珍しすぎて逆にどんな効果があるのか全く分からなかった。
ルギ「では何か食べられる木の実……、
いや教えるのにちょうどいい木の実でも探しに行くか。」
と垂れた唾液を隠さないままあいつに言われ、
言われるがままに二手に分かれてそれぞれ『勉強材料』になりそうなものを探してくることになったのだった。
マッスグマはとりあえずあまり見かけない木の実や詳しい効果を知らない木の実なんかを拾ってきていた、
というより『先生』が木の実以外に興味なさそうだし、
ご機嫌取りも兼ねて持ってきたのだった。
みためからして毒々しい実なんかもあったが、
持ってきてよかったのだろうか…?
※
ひゅーーーーー……ん…………ゴンッ!
グマ「ふぎゃっ!?」
そこまでつらつらと考え事をしていたマッスグマの顔に、
突然何か固いものが勢いよく落ちてきた。
じんじんと痛む鼻を押さえながら、
マッスグマは目に涙を浮かべて起き上がる。
グマ「いっっっつぅ~………。」
ルギ「何をそんなところで寝そべっているのだ?」
マッスグマが鼻を押さえていると、
上空から聞きなれた声が巨大な羽ばたく音と共に聞こえてきた。
マッスグマが空を見上げると白い巨体のルギアが、
ホバリングするように羽ばたいていた。
彼の周囲には青白い光に包まれたいくつもの木の実がふわふわと浮いている、
恐らくルギア自信の念力で浮かせているのだろう。
マッスグマは目に涙を浮かべながらルギアをにらみつける。
グマ「な…なにすんだよ…。」
ルギ「すまぬな、木の実を一つ落としてしまったのだ。
ところで落ちた木の実は無事か?」
ルギアはきょろきょろと首を回して落ちた木の実を探している、
彼の言う落ちてきたらしきオレンの実がころころとマッスグマのそばに転がっていた。
グマ「あのなぁ、木の実よりぶつかった俺のほうを心配しろよ…。」
ルギ「木の実がぶつかった程度では死にはしないだろ?」
グマ「そりゃそうだけどなぁ…!」
ルギ「そんなことより、今から降りるから早くどかないと踏みつけてしまうぞ。」
そう言いながらルギアはばさばさと翼を羽ばたかせ、
落ち葉や雑草の切れ端を巻き上げながら、
マッスグマのいる広場の中にゆっくりと足を地に降ろした。
グマ「え…うわぁっ!?」
まるで突風のようなルギアの羽ばたく風圧にマッスグマの体が吹き飛ばされそうになる。
必死に踏ん張って耐えようとするが、
健闘空しくあっさりと転がるように吹き飛ばされ木の実の山に突っ込んでてしまった。
そんなマッスグマを知ってか知らずか、
ルギアはぽんぽんと体にについた草を払っていた。
ルギ「ふう、無事に降りれたようだな…。」
グマ「俺が無事じゃねえよ…。」
ルギ「む…?見たところケガはしていない、大丈夫だ。」
グマ「ケガしなきゃいいのかよ!?」
木の実の山の中から這い出てきたマッスグマを軽くいなしながら、
ルギアは自分の翼を胸の前で組む。
すると同時に念力で宙に浮かせていた木の実が、
吸い込まれるようにすっぽりと彼の翼の中におさめられていった。
その内のいくつかはルギアの口元にふよふよと近づいていき、
彼は大きく口を開けると美味しそうにぱくつく。
ルギ「ふむ、なかなかいい感じに熟しているぞ。」
むしゃむしゃと木の実を咀嚼しながら、
ルギアはちらっとまだうつぶせのままのマッスグマのほうを見る。
ルギ「なにをしているのだ?
別にお前も食べたかったら食べてもいいのだぞ?」
グマ「………。」
くいっと翼で木の実の山を指さしながら、
ルギアはまたひょいと木の実を一つつまみ口の中に放り投げた。
そんな光景を吹き飛ばされた時の恰好のまま地面に突っ伏しながら、
恨めしそうな目でマッスグマは見つめている。
ルギアの持ってきた木の実のほうにも目を向けるが、
案の定というか予想通りというか、
ルギアの持ってきた木の実はマッスグマでも知っているような食用の物ばかりであった。
本当に教えるつもりでここに連れてきたのか少し不安になる…。
きゅるるる……
グマ「………はぁ。」
ルギアに対して色々と言いたいことはあったものの、
声を荒げるだけ無駄なことは経験上分かっていた。
それに彼も朝から何も食べずに歩きまわっていたので、
正直お腹もすいていたのである。
マッスグマは疲れたように小さくため息をつくだけにとどめておくのだった。
すごい久しぶりの小説です。
主人公は読んで頂いてのごとく、
うちの看板の二匹でごぜえます。
相変わらずの見切り発車で、
最終的にどんな流れに持っていきたいのか考えずに書いておりますが、
それでもお付き合いいただけたら幸いでございます。
多分捕食にこぎつけるまですごいゆっくりになると思います、
ゆっくりしていって(ry
嘘ですすみません、痛いからボール投げないでくだせえ!
とりあえず気ままにお待ちくださいです。
(・ω・)
ドアがあんなに恐ろしい子だとは思いもしませんでした、
痛みが強い分ソフトに食ってくるルギア様よりも怖いです…♪
私のPCも作業してるとたまにカクカクしますね、
文字書いてる時ならともかく絵を描いてるときにカクカクされてしまうと…。
ウボアー。
(°Д°)
>>ネルさん
こんばんはです、
リクエスト絵気に入っていただけてよかったです♪
ルギア様の万能具合は驚きのものですよね、
あんな夢こんな夢一杯かなえてもらいたいです。(捕食的な意味で)
こちらこそ、
リクエスト受けていただきありがとうございました♪
>>fuddy さん
こんばんはです、
リク絵受取っていただきありがとうございました♪
私もブウ大好きですよ、特に吸収が使える細マッチョな彼が…というのは置いといて♪
シャワーズなら確かに取り込まれても何とか生きていられそうですよね、
ただ自分からの脱出はできないしどくで弱り続けながら助けてもらうのを待つだけで、
文字通り生き地獄ですが…♪
肌から直にくるのは確かに色々使えそうですよね、
いつか小説に取り入れてみようかなぁ?
こちらこそありがとうございました、
お互いに楽しい捕食ライフを満喫していきましょう♪
以下拍手返信です♪
>>ブレイブさん
おお、
拍手絵見ていただけましたか!
皆さんどれも素敵なリクばかりで、
楽しみながら描かせて頂きました♪
他の方からリクエストをもらうと、
自分では思いつかなかったキャラやシチュエーションが出てきて、
「おおっ!」と唸らせられるようなものばかりでしたよ♪
またいつかリクエストの機会がありましたな、
なんなりとお申し付けください!
自分の力量内で精いっぱい描かせて頂きますゆえ♪
皆さん、拍手&コメントいつもありがとうございます♪
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
(・ω・)
諸注意:
初めてきてくれた方は、
カテゴリーの『はじめに』からの
『注意書き』の説明を見ていないと
色々と後悔する可能性大です。
(・ω・´)
イラスト・小説のリクエストは
平時は受け付けておりません。
リクエスト企画など立ち上げる際は、
記事にてアナウンスいたしますので、
平時のリクエストはご遠慮くださいませ!
(・ω・`)
『Sorry. This site is Japanese only』
『絵チャット入口!(・ω・)』
絵茶会にて
ポケモンバトル交流も行ってます!
(行っていない場合もあります。)
どなた様でも参加大歓迎ですので、
絵茶会中のチャットにて
お気軽にお申し出くださいませです♪
『ともだちコード名簿(・ω・)』