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すぅすぅと寝息を立てていた彼は、
ふと何者かがこの森に踏み込んできたのに気が付き目を開く。
ふんふんと鼻を鳴らし風の匂いをかぐと、
森の中に…多分一匹、
とても旨そうな匂いをしたやつが入り込んできたようだった。
かぐわしい獲物の匂いに、
空腹だった彼のお腹がぐぅ~っと小さく鳴り、
ぽたぽたと寝床に涎の滴が垂れていく。
これは今日は満足な食事ができそうだとにんまり笑い、
彼は素早く寝床から抜け出すと哀れな獲物を探して森の中に消えていった…。
※
ガサガサと茂みをかき分けながら、
マッスグマは森の奥に向かってひょいひょいと進んでいた。
後ろにルギアが付いている様子はなく、
どうやら一匹で森の中に入ってきたようだった。
グマ「ふへぇ、やっぱりずいぶんと深い森だったんだなぁ…。」
マッスグマは額の汗をぬぐうと、
リュックの中から水筒を取り出し中身を少し口に含む。
グマ「ぷはっ……、さてともうちょっと進んでみるかな…。」
水筒を戻しながら呟くと、
彼はさらに森の奥へと一匹で進んでいく。
※
あの後ルギアとは少し別行動をすることになったのである、
いや正確にいえば一人取り残されたというべきなのか…?
なにせ、「少し食べ物でも探してくる。」と呟いたかと思うとあっという間に空高くへと飛びあがり、
空中からのんびりとした声で「あまりうろちょろ動き回るなよ。」と一言だけ言い、
ルギアはくるっと旋回しどこかへと飛び去って行ってしまったのだった。
反論する暇も文句を言う暇も一切与えず、
それは見事にその場から姿を消したルギアを、
マッスグマはぽかんと見つめていることしかできなかった。
…というかそれ以外の反応のしようが無い。
ほとんどのポケモンなら、
こんな理不尽な目に逢えば怒るなり悲しむなりするだろうが、
さすがにあのルギアに振り回されるのには慣れてきたのか、
マッスグマは大して取り乱しもせず、
ただ「……勝手な奴。」と一言だけ呟くのだった。
※
そんなわけで彼は事態を整理して少し落ち着くと、
残っていた木の実のいくつかを昼食変わりにリュックに詰め、
一人森の中に入ったのだった。
まあ一応ルギアに動き回るなとも言われたのだが…。
グマ「少しくらいなら…いいよな…。」
そんな好奇心に負けてしまったような感じで、
彼は最初の広場からずいぶん離れたところまで辺りを見回しながら歩いてきたのだった。
グマ「しっかし…、ずいぶん道具が落ちてる森だな…。」
森の中は不気味なほどに静まり返っており、
他の旅人らしきポケモンはおろか、
野生のポケモンさえ一匹も見かけることはなかった。
そのくせ地面には、
ふしぎだまやタネといった人里離れた土地特有の道具がごろごろ落ちているのだがら、
道具の収集が目的の探険隊なんかなら訪れるだけで大収穫であろう。
マッスグマもなんとなく足元に転がっていたふしぎだまを手に取ってみる、
今拾ったこのふしぎだまだって『かいしんのたま』という強い力を秘めており、
少なくとも町では滅多に仕入れられることのない珍しい道具だった。
しかしマッスグマはそのたまを軽く調べ終わると、
ぽいっと捨ててしまう。
まるで端から興味を持っていなさそうな様子だった。
グマ「さすがに一度も見たこと無いなんてやつは落ちてないか…。」
彼は少し残念そうな声で呟く。
マッスグマだって自慢ではないが、
これでも旅人としてそれなりの経験も場数も踏んできていた。
それだけ長く旅をしていれば、
少し珍しい程度の道具なら一度は手に取ったことも場合によっては使ったことさえあるのである。
特に彼の種族であるマッスグマは、
こうした人里離れたダンジョンと呼ばれるような場所で、
隠された道具を見つけてきたりすることに関しては天性のものをもっている種族である。
その為、
他のポケモンなら珍しい道具でも彼にとっては見慣れたものの方が多いのであった。
多少贅沢な悩みだが、
仕方がないと言えば仕方のない悩みである。
グマ「他になんか落ちてないかな………ぶっ!?」
地面をうかがいながら茂みをかき分け進んでいると、
突然壁のような物に正面からぶつかり、
痛そうに鼻の頭を押さえる。
グマ「いっつぅ~…、なんでこんなとこに壁が……。」
じんじんと痛む鼻をさすりながら、
何にぶつかったのかマッスグマは目線だけで前のほうを見る。
グマ「な…なんだこりゃ!?」
マッスグマは驚いたように声をあげると、
急いで立ち上がりがさがさと茂みの中から出る。
彼の目の前に現れたのは、
彼の背丈とほとんど同じ大きさをもつ紫色をした巨大な壁のようなものだった…!
グマ「な…なんなんだ…これ?」
不思議そうにしかし警戒しながら、
マッスグマはそっとその壁のような物に触れてみる。
表面はカサカサと渇ききりまるでミイラの様であった
グマ「いや…これはミイラっていうよりも……ぬけがら?」
目を凝らしてよく見て見れば、
大きな丸太のような形状をしているそれは、
てっぺんのところに横に一本裂けるように長いすじのようなヒビが入っている。
どうやらこれは、
信じられないくらい巨大な蛇のぬけがらのようだった。
グマ「こ…こんなでかい奴がいるっていうのか…この森…。」
抜け殻に残る模様やその形から考えるに、
おそらく『アーボ』とよばれる種族のポケモンの抜け殻の様であった。
ただそのサイズは明らかにマッスグマの知っているアーボの大きさを超えていた、
たしか彼よりも少し小さいかせいぜい同じくらいの大きさのポケモンだったはずである。
グマ「この大きさでぬけがらってことは……本体はどんだけでかいんだ…?」
そのあまりの巨大さにマッスグマはゴクリとつばを飲み込む。
このぬけがらの主がまだこの森にいるかどうかは分からないが、
出くわしてしまおうものなら彼一匹程度の力ではどうしようもないことは明白であった。
グマ「これは…早めに戻ったほうがよさそうだな…。」
物言わぬぬけがらを気味悪そうに見ながら、
マッスグマは元いた広場に戻ろうとくるりと向きを変えて歩き出そうとする。
コツッ…!
グマ「ん…?」
ふと一歩二歩と歩きださないうちに、
彼の爪先になにか石ころのような物を蹴っ飛ばした感触があった。
不思議に思った彼は、
何を蹴飛ばしたのかと足を止めてきょろきょろと周囲を見渡してみる。
すると、
そんなに離れていないところでなにか小さく光るものが落ちているのに気がついた。
グマ「なんだ…これ…?」
マッスグマは地面に落ちていたそれを手に取ると、
軽くぽんぽんと土を払ってそれが何なのか調べて見る。
それは救助隊の隊員ならだれもが持っていいる『きゅうじょバッジ』とよばれるものだった。
長い間放っておかれたのか彼の拾ったバッジは土と泥で汚れ、
救助隊のランクを表す石の部分も鈍く濁り色が分からなくなっていた。
グマ「なんでこんなとこにこんなものが……。ん、まだ何かある…?」
マッスグマがバッジを持ったまま立ち上がろうとすると、
草むらの中にまだ何か鞄のような物が落ちているようだった。
マッスグマは草むらをかきわけて中を調べてみる。
グマ「……これは。」
マッスグマの手の動きが止まり、
彼は軽く眉をひそめる。
草むらから出てきたのは風雨にさらされひどく汚れた救助隊様の『救助バッグ』と、
同じくぼろぼろに朽ち果てかけた手帳のようなものだった。
しかもおそらく彼の持っているバッジの持ち主のものであろうバッグは、
何があったのか強い力でひしゃげるように壊れ、
とても痛々しい状態だったのである。
グマ「こいつは、一体…。」
マッスグマはそぅっと手帳を手にとって、
中を読んでみようとする。
だがやはり長い間野ざらしにされていたせいもあり、
彼が手に取った瞬間に手帳はボロボロと無残に崩れ落ちてしまった。
グマ「うわ、こいつはひどいな…。」
バラバラになってしまったページを見つめながら、
マッスグマはもう一度唾を飲み込みぬけがらの方を見る。
静かに佇んだそのぬけがらを見ているだけで、
ここで何が行われたのか容易に想像できた…。
グマ「この荷物の持ち主たちは…こいつに……。」
彼はそう呟きながら、
背筋に何か冷たいものが走るのを感じぶるっと体を震わせる。
これだけの巨体の持ち主だ、
それこそこの森になる木の実程度でこの巨体を維持することはできないだろう。
もっと活きのいいものを食べていたなら話は別だが……。
グマ「どうやら…とんでもないものが住み着いている森みたいだな……。」
ぬけがらが彼に何かをするわけではないが、
それでもやはり見ていて気味が悪い。
それに急いでこの場から離れろと、
マッスグマの中の旅人としてそして生物としての生存本能が告げていた。
へたをすれば、
彼だってこの哀れな犠牲者たちの二の舞になりかねなかったのである。
グマ「ほんと…とんでもないとこに連れてきてくれたよなぁ…。」
そうぽつりと今はいない親友に悪態を呟くと、
彼はため息をつきながら元来た道へ駆け出して行った。
※
彼の嗅ぎとった旨そうな匂いの持ち主は、
どうやら彼のことに感づいたように辺りを警戒しながら移動し始めたようだった。
だが彼とて自分の『狩人』としての腕に自信を持っている、
それに獲物は彼の存在には気がついたものの、
まさかすでに追跡を開始しているとは夢にも思っていないようだった。
彼は寝床を出たときと同じにやっとした笑みを浮かべると、
あのこげ茶色をした生き物の味を想像し、
口の中を唾液であふれさせながら
するすると音もなく獲物の後を追い始めたのだった。
どうしようこのままのペースで行ったら、
書きたいこと書き終わるころにはその10超えそうな悪寒…じゃなくて予感が…。
これだから見切り発車は怖いね、
良い子は真似してはいけませんよ。
(・ω・)
※
そういえば拍手コメで教えていただいたんですが、
しばらくパソコン触っていない間に、
70000ヒットしちゃったみたいです♪
あいかわらず、
「天狗?天狗なの?」
と管理人が一番訳の分からない事をわめき散らかしながら驚いております!
お越し下さる皆様、
いつもこんなサイトですが楽しんでいただけて幸いです♪
こんな管理人ですがこれからも何とぞよろしくお願いします!!
さて70000企画どうしようかしら…?
リクは終わったばかりで(管理人が)充電したいし、
今小説のターンだから記念絵描くのもなんか気が進まないし…。
私はどうすればいいの、教えて偉い人!
(°д°)ペッ「知るか。」
(・ω・`)「………。」
本当どうしましょうかね?(投げた
(・ω・)
ミスご指摘ありがとうございました、
あやうくお話に出てこない子にまでセリフを与えるとこでした。
あ、でもお腹から喋ってたのか。
それならば仕方n(殴
いえいえむしろいつも素早いミスのご指摘に、
深く感謝しております♪
今回のもパソコンから離れる前にご指摘頂いたので、
素早く修正ができたのでとても助かりました。
いつもいつもありがとうございますです♪
あとすいみん草受け入れて頂いてよかったです、
ばくれつ草も面白そうですなぁ…。
夜道で踏んづけたら恐ろしいことになりそうですが。
勉強大変でしょうが頑張ってください、
大丈夫、学生だったら一度はみんな同じことしてると私は信じてる!(勉強→飽きる→趣味に走る)
※以下拍手コメントの返信です
>>ブレイブさん
おかげさまで新シリーズ書き始めました、
つたない腕ですがよろしくお願いしますです♪
性格天然はぜひゲームにも取り入れてほしい性格ですよね、
「食べるの大好き」とかの欄でもいいから入ってほしいです♪
それと70000ヒットのお祝いありがとうございました、
言われるまでまったく気がつかなかったダメ管理人でした、ごめんなさい…♪
皆さんいつも暖かいコメント&拍手をありがとうございます♪
(・ω・)
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(・ω・)
諸注意:
初めてきてくれた方は、
カテゴリーの『はじめに』からの
『注意書き』の説明を見ていないと
色々と後悔する可能性大です。
(・ω・´)
イラスト・小説のリクエストは
平時は受け付けておりません。
リクエスト企画など立ち上げる際は、
記事にてアナウンスいたしますので、
平時のリクエストはご遠慮くださいませ!
(・ω・`)
『Sorry. This site is Japanese only』
『絵チャット入口!(・ω・)』
絵茶会にて
ポケモンバトル交流も行ってます!
(行っていない場合もあります。)
どなた様でも参加大歓迎ですので、
絵茶会中のチャットにて
お気軽にお申し出くださいませです♪
『ともだちコード名簿(・ω・)』