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薄暗い地下道の中を僕たちは固まるようにして歩いていく、
僕はともかく後ろの二人は見るからにここにいるのが嫌そうで、
最初は普通に話していたのに、
奥に進むごとに口数もだんだん少なくなってきている。

僕だってこんな陰気臭い所は早く出たい、
でもこれも仕事なんだから仕方ない。
僕は持っていたおたずねものの手配書をぐっと握り締めると、
二人を元気づけながらどんどん奥へと進んでいった。


トイレ…
 
リザードの尻尾を頼りに、
三匹は暗い地下水道の道をすたすたと歩いていく。
入口ではカビ臭いだけだった子の水道も、
奥に行くにつれて悪臭と呼んでもいいような酷い臭いが漂い始めてくる。

ライ「くー、鼻が曲がりそうだな…。」
ルカ「ほんと、これはいきなり襲われたりしたら危険だね…。」

ライボルトが顔をしかめて嫌そうに言うのを、
ルカリオが冷静な口調で同意する。
彼ら二匹は鼻が利くため、
こういった臭いのキツイ場所は正直苦手である。

ルカ「これは『ヨーギラス』を見つけるのも手間取るかも…。」

いつもならライボルトの鋭敏な嗅覚や、
ルカリオの視力で目標を見つけ、
リザードが追い込んで捕まえるというのが彼らの一番取る作戦なのだが…。

ルカリオは辺りを鋭い目つきで見渡す、
薄暗く複雑に広がっているこの水道では、
彼の自慢の視力もほとんど役に立っていなかった。
恐らくライボルトの鼻もこの場所の臭いにかき消されて、
正確に追うことは難しいだろう。

ルカ「やっぱ地道に歩いて探すしかないかな。」
ライ「まぁ、仕方ないか…。」

ルカリオの出した結論に、
二匹はため息をついてあきらめたように歩き続ける。
ふと、
さきほどからもう一人の仲間がずっと黙りっぱなしだったことに気づく。

彼らが後ろを振り返ると、
リザードはうつむいた姿勢のままとぼとぼと歩いてきていた。

ライ「おい、何やってんだよ置いてくぞ!」
ルカ「どうしたの、気分でも悪くなった?」

二匹の問いかけにリザードはぶんぶんと顔を振って、
『なんでもない』という意思を示す。
しかしうつむいたままであきらかに元気なさそうに歩いているのが、
なんでもないわけない。

ライ「まさかとおもうが、
   本当に怖くなって逃げたいんじゃないだろうなぁ…?」

ライボルトが前足でぽりぽりと頭をかきながら、
ルカリオにぼそりと呟く。
さすがにいくら怖いとはいえあそこまで黙りこむこともないと思うのだが…、
ルカリオは心配そうにリザードのもとに駆け寄る。

ルカ「大丈夫、なんか調子悪いなら無理しなくても…。」
リザ「いや…、別にそんなんじゃないから…。気にしないで…。」

リザードの様子にルカリオは眉をひそめる、
彼の声の調子が妙に上ずっている気がするし、
それに変に体を揺らしてもじもじとしている。
もしかして…。

ルカ「あの、もしかしてトイレ行きたいんじゃ…。」
リザ「…!」

ルカリオの言葉にリザードはドキッとするように反応する、
どうやら図星のようだった。
少し離れたところでライボルトが心底ため息をつき、
機嫌悪そうに声をかけてくる。

ライ「あのなぁ、
   トイレ行きたいぐらいだったらとっとと行ってくればいいだろうが!」
リザ「う~、だ…だってぇ…。」

ライボルトの言葉にリザードは情けない声を出して反論する。
ひとりで行けるならここまで我慢はしないだろう、
入り口でのやり取りを見てればなんで一人で行かないかくらい大体想像もできる。

ライ「たく、だったらその辺ですればいいだろ!」
リザ「嫌だよそんなの…!」

リザードは心細そうにルカリオを見つめる、
あきらかに着いてきてほしそうである。

ルカリオも頬をかきながら二匹の会話を聞いていた、
リザードには悪いが今はおたずねものの追跡中であり、
できれば他のことであまり時間を取られたくはなかった。

ルカ「ごめん、悪いけど一人で行ってきてくれる…?」
リザ「はぁ、やっぱりそうだよね…。」

リザードがさみしそうに今来た道とは別の方へ歩いていこうとするのを見て、
ライボルトは慌てたように声をかける。

ライ「おい、どこでしてくるつもりだよ…。」
リザ「もう、できるだけ離れたとこに決まってるでしょ!」
ライ「あのなぁ、こんな暗い中はぐれたらどうする気だよ!」

確かに、
いくら恥ずかしいとはいえあまり離れすぎればはぐれてしまう可能性がある。
とはいえ、
だからといってここで彼の帰りを待っていては結局時間のロスだった。

ルカ「うーん、あ、そうだ!」

ルカリオは何かを思いついたように突然持っていたカバンをごそごそと漁りだし、
何かの束を採りだすとリザードに手渡した。

リザ「なにこれ?」
ルカ「『きのえだ』だよ、これを一本一本落として道しるべにしなよ。」

彼の手渡したのは小ぶりのとがったきのえだだった、
本来なら投げて武器として使うこれを、
目印にしようと思ったのである。

ライ「まあ、それなら道に迷う心配もないか…。」
ルカ「でしょ、でもなるべく早めに戻ってくるんだよ!」
リザ「うん分かった、じゃあ悪いけどちょっと先に行っててね。」

そう言うと、
リザードは薄暗い道を小走りでかけていき、
やがて彼の尻尾の明かりが見えなくなった。

ライ「まったく、緊張感のない奴だな…。」
ルカ「まあまあ。さぁ、僕らも行こう。」

リザードがいなくなったことで、
辺りは完全に暗闇に包まれていてこのまま進むのは危険そうである。

ルカ「えっと、たしかかここに…お、あった!」

ルカリオはカバンの中から青い玉を取り出すと、
ぎゅっと念じるように握り締める。
すると彼らの周囲をぼんやりと白い明かりが灯り、
暗かった道を明るく照らし出した。

『ひかりだま』

道が複雑に入り組むダンジョンを明るく照らす道具で、
リザードを連れていない時の彼らの明かり代わりだった。

ライ「まあこんなもんか、早く行こうぜ…。」
ルカ「うん。」

そう言うと彼らはリザードに分けていない分のきのえだを落としながら、
暗い水道の奥へ進んでいった。



彼らが立ち去った後、
静かに流れる下水の水の中から何かの腕がぬうっと通路の上に伸びてくる。

その腕は彼らの落としていったきのえだをあらかた拾い集めてしまうと、
まるで引きずり込むように水の中に持って行ってしまい、
音もなく水の中に気配を消していった…。

その2です、
映画とかだと大抵ピンチに陥るやってはいけない行動その1、
一人行動。
パニックものの映画の場合はほとんどの場合、
勝手に一人で行動した人って助からないんですよね。

リザの場合はどうなってしまうのか、
くどいようですが今の私には分かりません。
行き当たりばったりバンザ(殴

さっぱりしたものを食べたいと思っていたのに、
なぜか今日の私の夜餌は中華スープと餃子と米。
どこで間違えたのだろうか…?
(・ω・)

あと25000ヒットありがとうございます、
また今シリーズが終わってからお礼絵描きたいです。
テスト期間入る前にいろいろ終わらせておかねば…。
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お返事です
いらっしゃいませです♪

メンバー構成、
確かにカラフルでポケダンチックですね。

位置的にルカリオが元人間の主人公っぽいですかね、
もしかしたらそんな展開も…、
ないですかね。(ドッチ?
(・ω・`)

コメントありがとうございました、
またいつでも遊びに来て下さい。
森クマ(管理人) 2009/06/24(Wed)00:20:09 編集
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更新日 2014年  1月17日
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